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若林正恭「ナナメの夕暮れ」を読んで

俺はもうほとんど人生は”合う人に会う"ってことで良いんじゃないかって思った。

p224 「ナナメの夕暮れ」あとがき

 お笑いコンビ、オードリーの若林正恭さんの3冊目のエッセイを読みました。著者の言葉を借りると、「青年とおっさんの狭間の不明瞭さが全体を覆っている」、そんなエッセイの詰まった本です。同年代の私は、そういうことあるある!と共感を持ちながら、若林さんのユーモアにクスっとしながら、読み進められました。
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 他人に馬鹿にされるのが怖いから、他の人を卑下し、自分を防衛していたナナメの若林さん。例えば、スタバでグランデって恥ずかしげもなく言うのはカッコ悪いとか、森林伐採でゴルフ場作っておいて、自然の空気はうまいという厚顔無恥なおじさんに怒りを覚えたり。
 若林さんも40歳となり、経験を重ね、人並みの価値観を肯定したり、無理に自分を理想に近づけたりせず、ゆっくりとあるがままで生きていく。
 そんなナナメ価値観の移ろいを昼と夜の間で、日の刺す角度により様々な赤のグラデーションを示す夕暮れに例えた本だったと思います。

 アラフォーの方々はド直球で共感でき、それ以上の方は自分の夕方を懐かしみ、若い方はこれからどんな変化が起きるのか疑似体験できる本だと思います。心の緊張を解きほぐす弛緩薬のようなでした。

内容は多岐にわたるので、実際に読んで感じてみてください。

今もあるけど、自分のナナメも懐かしく思う、入道雲の浮かぶ真夏の昼下がりでした。


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