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それぞれの思いが複雑に相互作用し世界を変えていく、戦闘叙事詩

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『チェンジ ザ ワールド』という長編小説を配信しております。配信予定日時としては、月, 火, 木, 日曜日にお昼12:00を予定しております。 この小説を描こうと思った動機は、…
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#祖父

第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 21

初めての試みだったので、見も知らぬ人間の観念的な質問に返事がくるのか疑問だったが、返事が…

新田将貴
3年前
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第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 18

夕食までまだ少し時間があったので、僕も自分の部屋に引っ込んだ。おジィも僕も少し疲れたのか…

新田将貴
3年前
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第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 17

「うん」 「熱くなるじゃろう?」 「うん」 「あれの究極が戦争じゃ。熱くなる。血が沸き立…

新田将貴
3年前
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第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 16

「おジィはなんで狙撃兵になったの?」 「周りが下手でな、気がついたら狙撃手になっておった…

新田将貴
3年前
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第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 08

「食いたかった」日野上等兵がしみじみと漏らす。補給が叶わないがことが分っていたインパール…

新田将貴
3年前
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第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 07

「三十三師団の至宝、戦車止めの松下曹長を間近で見られ、感激しております」日野上等兵が声を…

新田将貴
3年前
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第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 06

日野上等兵の肩を揺すったが、身体からは温かみが消えていた。アカシアの木にもたれたその姿勢は昨日からまったく変わりがなかった。たかる蝿の数が少し増えたかもしれない。蝿にとってこのあたりに屯する日本兵に生人も死人も区別はないだろう。 大概が死んだようなものだ。日野上等兵が死に、叉銃さじゅうを組んでいた相方は全員くたばった。同じように行軍し、同じ量の糧が与えられ、死ぬものは死に、生き残るものは生き残る。両親が与えたこの身体は、まだ地獄に耐えろということなのだろう。 水が飲みたい

第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 05

「おジィ。僕は西脇みたいな人間があんま好きじゃねーんだ。それで、ああいう人間に命令されて…

新田将貴
3年前
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