脳のバグと付き合っていく。
2週間に数回ぐらいの頻度で、どうにも寝付けない夜がある。
とりあえず布団に入って寝ようとするが、2〜3時間ずっと頭の中がうるさくて寝付けず、布団で長時間横になっていることが逆に疲れてしまったりする、
そんな夜が時々ある。
大抵そういう日は常に刺激を求め続けるモードに入ってしまって、それがうまく切り替わらないのが原因じゃないかと思う。
刺激というのは、YouTube、アプリで読める漫画、ゲーム、ポテチと炭酸、コーヒー、紳士の動画、、というようなものだ。
一旦この刺激体質モードに入ってしまうと、常に刺激を焦って落ち着かない状態が続く。
というより、何故かずっと心が落ち着かないからこそ、そういった刺激を浴び続けてしまうのだ。
僕は喫煙者では無いけど、もしタバコを吸い始めたらベビースモーカーになることは目に見えてるのでやらないことにしている。
それくらい、メンタルがブレて焦燥感と不安感に翻弄されることが多々ある。
で、厄介なのがこの時折襲って来る焦燥感と不安感を自分の根幹であると勘違いしてしまうことだ。
このモードが現れ出したのは高校生の頃で、
当時は学校に馴染めず孤独を拗らせており、学校から帰るといつもこのモードになってしまっていた。
そうなると何も集中できない、うまく思考が働かない、ということに苦しんでいた。
軽いパニック状態に、時間のほとんどを吸われているような感覚だった。
パニックになると怖いのが、自分がパニックであることに気づけないことだ。
パニックになる、癇癪を起こす、もしくはモラハラ・パワハラを日常的に繰り返してしまう人を見ると、
自分の状態に自覚的であることがいかに難しいのかということを痛感する。
普段のクリアに思考できる落ち着いた状態から、焦燥感や不安感に満ちた状態に移行することは必ずしも突然ではない。
蓄積されたストレスが閾値を超えた時にいつのまにか発動していることが多い。
だからこそ、気付きにくい。
ストレスや我慢は数値化されない。
いつもならさほど気にしない他人の言動が、疲れている時にはものすごく嫌な気持ちになってしまう時があったりする。
例えばストレス値10のダメージを受けても、普段のメンタル体力80の状態であれば致命的にはならないが、
疲労が溜まったメンタル体力30の時に受けるストレスは致命傷になり得る。
だから、自分がどんな状態の時にどれくらいのストレスを受けるとどんな反応が起こるのか、というデータを集めていく必要がある。
だけどそれも時と場合によるから、
ある程度はパターンを分かってきた気もするがやっぱり分からないような状態だ。
きっと年を重ねた時や、季節によっても変動するんだろう。
結局、一旦刺激体質モードに入ってしまうと、
自分や周りの状態を正確に把握する正常な思考が阻害されてしまう。
だから、分かっているのに暴発を避けられない。暴発すると自分では思ってないからだ。
高齢者の認知機能の衰えによる事故を見ていると、自分はどうしても他人事とは思えない。
露見してないだけで、全世代で自己認知の歪みや暴走というのは頻発しているし、それによって身近でも諍いが生まれてるような気がしている。
一体どれほどの人が、完全に自分の状態が分かっていると言えるだろう。
自分が普段通りでないことに気づけない。これは怖いことだなと思う。
だから、スポーツ選手の試合を見ると、緊張の極限状態でも普段のプレーをするのは本当に凄いなと思う。
何よりこのモードが厄介なのは、
あれだけ圧倒的で抗えないと思っていた焦燥感と不安感に付き合わず、適当にいなして眠りにつけた時、
次の日起きた時にはマジでなんだったんだあれ?となってしまうことだ。
あれだけ不安定になるのであれば、それだけ自分にとって重大事だと勘違いしてしまうが、実際はそんなこと全然無い。
だから、自分の脳はいつも正しいわけじゃなく、たまに起こるバグに対しては真面目に取り合わなくても良いということだ。
僕は眠れない夜、刺激体質モードになる。
焦燥感、切迫感、将来への不安、自分の卑下、極端な思考、それらに適当をいなす。
脳のバグは定期的に起こる。それを取り除こうと頑張らなくても良い。
僕はどうしても眠れないから散歩に出かけて、気持ちを少し切り替えてから寝る。
年を重ねれば体力が無くなってこのモードにもならないのかもしれない。
それまで、この脳のバグとたまに付き合ってやろう、という気持ちでいる。
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