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ニンジャについてなんか書く
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【テンパード・スティール、ランパート・ディール】#8

◆テンパード・スティール、ランパート・ディール◆「サヨナラ!」ジューテイオンがさらに殖えたハッピープリンスの一人を爆発四散させた。ビジュツケイを見やる。彼女は意外にも、ハッピープリンスと戦闘していた。「頭を壊せ!」解せぬが、ジューテイオンはビジュツケイに叫ぶ。「イヤーッ!」「アバーッ!」頭部を拳で破壊!「サヨナラ!」爆発四散!

「これでラストだな!イヤーッ!」ジューテイオンのトドロキ・ツルギが最

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【テンパード・スティール、ランパート・ディール】#7

◆デス・オア・メタル◆「ドーモ、ハッピープリンス=サン。ビジュツケイです。えーと、お前、マスプロダクトだったのかな?」「ドーモ、ビジュツケイ=サン。また君か」剣を背に持つハッピープリンスが緑のヨーカンを齧る。「バイオインゴット?」ジューテイオンが呟く。「イヤーッ!」残りの少年二人が飛びかかる!

「イヤーッ!不気味な!」ジューテイオンは二人の素手カラテを捌く!「お前バイオニンジャか!」「黙れーッ!

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【テンパード・スティール、ランパート・ディール】#6

◆アーティフィシャル・アーツ◆「……ッ!」声も出ぬほどの重衝撃に身体が浮く中、ブラッディスウェットは己の認識の甘さを後悔した。これはビズだった。ビズということは誰かに属すことであり、誰かと敵対することなのだ。護送車が遠ざかる。ブルータルブラインドビーストとジューテイオンでは……否、そうだ。彼らは部外者で、味方ではない。

ブルータルブラインドビーストはハッピープリンスというニンジャを探している

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【テンパード・スティール、ランパート・ディール】#5

◆カウント・ゼロ!◆道路脇に停められた護送車。その付近でバリキを飲んでいたブラッディスウェットの前に、妙に疲れた様子のブルータルブラインドビーストが現れたのは、コノメの仕事が終わり、時刻も23時半を過ぎた頃だった。「酷い目に遭った」「普段からそんな格好してるからだろ」「我は我を変えぬ、変えられぬ」「そりゃそうだろうが」

ブルータルブラインドビーストはあの後、例の妙に粘る面倒なマッポを撒くために

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【テンパード・スティール、ランパート・ディール】#4

◆インタビュー・ウィズ・ニンジャ◆二件も仕事をこなすと、日は高く昇っていた。「昼メシはどうしてるんだ」ブラッディスウェットは助手席のコノメに問う。「オーガニック・トロマグロスシを一度に二つ」彼は顔を顰めた。「嘘です。ドンブリ・ポンなどで済ませています」「庶民的で有難いな」ブラッディスウェットは近場のドンブリ・ポンへと車を走らせる。

カーオーディオからは暗黒鮪飛ぶの『歪み鮫』のアコースティック・ギ

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【テンパード・スティール、ランパート・ディール】#3

◆ビジネス・ウォー……ビギニング◆ビジュツケイは49枚目の「彼」の絵を破り捨てた。「アーッ!やはり!やはり実物が無くては!」懐から新たな画用紙を取り出そうとして、ストックが切れたことに気づく。そして急激に世界を取り戻し、自身が見知らぬ簡素な部屋にいることを知った。「サップーケイだね」「飾れど見えぬものでな」

声の主は部屋の主であった。「ドーモ、ブルータルブラインドビーストです」「ドーモ、ビジュツ

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【テンパード・スティール、ランパート・ディール】#2

◆リーヴィング・ビューティ◆「イヤーッ!」危ういほどに美しい光を纏った剣が振り下ろされる。狙われた存在は身を翻し、かわした。「いい、いいね。お前はなかなかいい!」回避者は恍惚として声を漏らす。「何だよ!僕は君なんかと戦う理由は無い!」凛とした少年めいた声は苛立ちを孕む。声の主の手には、闇に煌めく赤光を帯びた絢爛な剣だ。

「何故、何故お前は自覚していない!?お前は芸術的だ!」ツナギ装束のニンジャは

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【テンパード・スティール、ランパート・ディール】#1

◆ノー・カラテ、ノー・マネー◆ネオサイタマ繁華街。もう日付も変わろうかという深夜であっても、厭らしいほどのネオンの明かりと人々の騒がしさは失われない。来る明日を少しでも遠ざけようと、サケとオイランとドラッグで今日を延長する。こういった単調減少的生活は、この街にいる人間殆どに共通する。

では、ビルの入り口ドアを開けて現れた、ギターケースを背負ったこの筋肉質の若者はどうだろうか。ドアに貼られた『

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【テンパード・スティール、ランパート・ディール】#0

※このテキストカラテは2016年6月~でツイッター投稿したすみゆ忍ムーブメントを加筆修正しまとめたものです。

◆プロローグ◆
『新たスシ・ドンブリ!実際安いドンブリ・ポン!』ネオサイタマ全域に展開するチェーンドンブリ店、ドンブリ・ポン。騒々しい店内BGMに被せて、新商品の宣伝アナウンスが放送される。短い昼休憩時間、スーツ姿のマケグミ労働者たちは、喧騒とともに実際低品質なドンブリを掻き込む。

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これからニンジャを始める貴方へ 壱:ハウ・トゥ・ドゥ・ニンジャ

「ニンジャスレイヤーなー、読もうとは思ってるけど敷居高そうで読めてへん」

――先日友人から言われた言葉はおおむねこんな感じでした。

ドーモ、初めまして。私はΦです。善良で怖くない。

『ニンジャスレイヤー』。巷で話題に出すと「アッ、あのアイエエエの小説?」と返ってくるならば御の字、実際は名前も聞いたことがないという人が多い。世界とは広く、私たちニンジャヘッズ(註:ニンジャスレイヤーのファンのこ

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