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後ろをちらちらと振り返りながら、前に進む事の大切さ

 今週、一年半年間、ミャンマーから通い続けたラオスでの甲状腺外来を終えました。初回は北野先生から甲状腺外来のやり方を引き継ぎ、そして最終回の今回はカンボジアから来てくれた森田先生に引き継ぎました。

 ラオスは、ミャンマー・カンボジアと異なり、ジャパンハートの病院が無いため、北部のウドムサイ病院の一隅をお借りして甲状腺外来を行ってきました。

 ラオスのローカルスタッフ・ラオス事業の日本人・ウドムサイ病院の医師や看護師のおかげで、甲状腺疾患を診察できるラオス人医師や看護師も育ちました。

 さて、森田先生にたった3日間で何を伝えればいいだろうか?

 事前に色々考えてましたが、結局、毎朝6時から一緒にウドムサイやヴィエンチャンを走りながら、裸になってめちゃ暑いラオスサウナに入りながら、甲状腺のことだけでなく様々なことを語りました。

 ・ジャパンハートで長期間医師として働くと必ずぶつかる壁を、どうやって乗り越えてきたか?
 ・ これからお互いどういう医者になりたいか?
 ・ 一医者としての限界を超える方法とは?
 ・ ジャパンハートでリーダーシップを発揮するには?
 ・ どうすればもっと多くの日本人医師を呼び込めるか?
 ・ どうすれば短期ボランティアに来てくれる医学生や医師の満足度を上げられるか?
 ・ 「吉岡秀人」のリーダーシップをどう思うか?

 一年間、長期ボランティア医師として働いてきた森田先生だからこそ共感できる感覚やことばがあるし、からだを動かしながらこそ語れる内容があるし、裸だからこそ取り繕わずに伝えられる意思がありました。

 でも、僕が森田先生に伝えたことは、形やことばこそ違えど、神白先生や嘉数先生や森先生が僕に伝えてくれたことです。僕の前には常に、後ろをちらちらと振り返りながら前に進んでいる先人の後ろ姿がありました。だから、僕も森田先生を振り返りながら、彼にメッセージを送り続けます。

 「自分はとりあえずがむしゃらに足掻いて、ここまでは達成できた。でもここから先は未踏の地だ。自分はこの道をさらに突き進むけど、もしかすると上手く行かないかもしれない。だから、森田先生は、自分自身がこの道だ、と思う道を新たに切り開いて行って欲しい。」

 どんな分野でもそうだと思うけど、その分野が今後盛り上がることを心から望むなら、この「後ろをちらちらと振り返りながら、前に進む事の大切さ」は強調してもしすぎる事はないと思う。若い人が自分をどんどん乗り越えて、その分野の新しい価値を創造するためには、彼らを振り返りながら、そして自らも新たな一歩を踏み出し続けること、これが大事だと信じている。

 森田先生、ラオスをよろしく!

ジャパンハート 長期ボランティア医師 大江将史

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