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Japan Heartにおけるリーダーシップとは

「今まではリーダーシップを取ることを避けて出来上がったチームについていくだけの自分でしたが、これからは周りのみんなを信じて、そして自分を信じて、自ら声を出してチームを率いることのできるようになりたいと思います。」
和気 彩香
http://blog.livedoor.jp/japanheart/archives/52313371.html?fbclid=IwAR2WiiBbVzUV3Y3asnQTVzgpVzRlefZihV2iwYX0XjrpUVfzD7cIxyIdoW0

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 ミャンマーで一緒に働いている長期看護研修生の和気さんの活動レポートです。これを読んでいて、ジャパンハートにおける「リーダーシップ」について考えたので、ここで紹介させてくださいm(_ _)m

 リーダシップに関する彼女の悩みは、まさに自分が今ぶつかり、そして乗り越えようとしている壁なので、彼女がいわんとしていることはよく理解できます。「リーダーシップ」について、最近ずっと考えています。

 これまで、日本で小・中・高校・大学・研修医を過ごしてきて一度も「リーダーシップ」について学ぶ機会はありませんでした。「リーダーシップ」の重要性について口頭でもいいから語ってくれる人もいませんでした。

 でも、ジャパンハートに来て初めて、ミャンマー事業の早坂さんが「リーダシップ論」についてワチェの日本人に講義してくれました。正直に言って、講義を受けた時は「どうしてわざわざリーダーシップ論なんてレクチャーするんだろう?!」と思っていたし、レクチャー後に何かが自分の中で変化した実感もありませんでした。

 ただ、最近プロジェクトを始めようとして、この「リーダーシップ」について何度も考えるようになりました。

 僕も含めて多くの日本人は「リーダーシップ」についてこう考えています:

①リーダーシップは特別な人が生れながらにして持っている才能であり、自分には関係がない

②リーダーシップを発揮するには、リーダーについてくる人(フォローワー)が必要だ

 でも、こうした考え方はおそらく違います。なぜなら、まさに和気さんがやったことが「リーダシップ」を発揮したことだからです。

 和気さんは、生れながらの特別な才能を発揮して短期ボランティアのみんなをまとめたのではありませんし、和気さんにフォロワーがいたわけでもありません。

 彼女がやったのは、もっとこうなればいいな、と彼女が想像した「まだ見えない世界」を実現するために、たった一人で行動したということです。

 リーダーシップというのは、決して原発事故の陣頭指揮をとる場合や、NPO法人Japan Heartを引っ張っていく時にのみ発揮されるものではありません。

 こうしたもっと身近な日常生活に潜む、もっとこうなればいいのにな、という「見えない世界」を実現するために行動することにも「リーダーシップ」の萌芽は隠れています。

 その時に、これは私が「リーダーシップ」を発揮してこの場をもっと良くしよう、と思うか、他の誰かがそのうちやってくれるからまあいいか、と思うか。これが「リーダーシップ」の小さいけど大きな分岐点だと思っています。

 ジャパンハートは、「吉岡秀人」という圧倒的なリーダーシップを発揮する人がいるため、どうしても他の一人一人のリーダーシップが見えにくくなってしまいます。

 でも、本当に優れた組織というのは、組織全員が「リーダーシップ」の意識を持っている組織です。誰かの意見を鵜呑みにしてただ従うのではなく、各自が「リーダーシップ」を発揮して考えて行動する。そういう組織が優れた組織です。

 ジャパンハートがもっと強靭でしなやかな組織になるためには、和気さんのように、この「リーダーシップ」と各自が向き合い続ける必要があると思っています。

ジャパンハート 長期ボランティア医師 大江将史

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