競争の先に何があるのか
株式会社Peer Lodge代表のまささいとうです。いいねや視聴回数が見えない音声コミュニティ「Peer Radio(ピアラジオ)」をつくっています。
今日は「競争」について考えてみようと思います。
ー競争とは何かー
Wikipediaにはこう書いてあります。
競争原理とは、資源配分の効率性の概念である。これは、個人や集団に必要とする資源が限定されているならば、それを獲得するために競争を行って優位(高生産性)の者がそれを獲得できる、とする考え方である。
社会がこの方法で運営されて行くならば、その成功者こそがより良い地位や財産を得られる。 以上は資本主義の基本原理の一つでもある。
限られた地位や財産を奪い合うのが、競争。
勝ち負けの優劣が付き、勝った者のみ価値を得られるのが、競争。
資本主義の世界では、競争が当たり前。
戦争がなくなった現代においても、形を変えて争いは起きている。
ー競争には終わりがないー
「幸福学」という「幸せとは何か?」を定義する学問の第一人者、慶應大学の前野教授が書いている「幸せのメカニズム」という本があります。
※本のリンクは、ステマっぽいので割愛
その中に「地位財・非地位財」という考え方があります。
「地位財」とは、クルマや時計、住宅、所得、貯蓄、役職などの社会的名誉です。 つまり他者との比較により満足を得るものです。
「非地位財」とは、健康、愛、自主性、良質な環境などです。 こちらは、他者との比較とは関係なく満足を得られるものです。
地位財ではなく、非地位財にフォーカスすることが幸福に繋がる、ということが、研究結果と共に書かれています。
地位財を求めることには、終わりはない。上には上がいます。
Twitterのフォロワー数も、社会的地位も。
「フォロワー●●人いきました」という投稿や、本心でないような飾られた投稿を見ていると、少し悲しい気持ちになったりもします。
他人と比較し、他人を羨む生き方を、僕たちはいつまで続けていくのか。
ーシェアを奪うということー
僕は新卒時代は、求人広告の大手企業に勤めていました。
そこでは「A社からシェアを奪おう」「業界No.1を目指そう」という会話が日々行われていました。
このような会話は、どの企業でも当然のように行われていることかと思いますが、そんな会話に対して、どこか違和感がありました。
シェアは限られています。自社のシェアが高まることは、他社のシェアを奪うこと。
自社がシェアを奪うことで、他社が事業撤退となったとすると、これは喜ばしいことなのでしょうか。
他社サービスを使っているユーザーはどうなるのか?
他社で働いている人たちの生活はどうなるのか?
シェアを奪うという考えが、どうしても「自分たちだけが幸せになろう」という利己的な考えに思えてしまいました。
会社というのは、社会を良くするために存在するのではないのか?
それならば、自分たちのことだけではなく、もっと社会全体のことを考えて、事業展開をしていくべきなのではないか?
そんな風に思いました。
もちろん、競争があるからこそ「各社のサービスの質が高まり、ユーザーへの提供価値が高まっていく」という効果もあるため、一概に競争は悪いとは言い切れません。
ただ、シェアを奪うとはどういうことなのか?を、自分たちなりに定義することは大切なのではないかと思います。
「スケールしたい」
この言葉もベンチャー界隈ではよく耳にしますが、
スケールの先にはユーザーの幸せがあるのか?
自分の幸せしか見ていないのか?
そこについても、我々は考えていくべきではないでしょうか。
ー競争との向き合い方ー
ここまで、競争について感じている違和感について書いてみました。
それを踏まえて、僕たちの会社はどのようなスタンスを取るのか。
結論としては、僕たちは競争にこだわりすぎないチームでありたい、と考えています。
僕たちのミッションは「本音でいられる居場所をつくる」こと。
それにより、ストレスやうつを世の中から減らしたいと考えています。
資本主義による疲弊、競争による疲弊が、メンタルヘルス問題の根本的な要因なのではないか、と以前のnoteに書きました。
僕たちが解決したい課題を実現するためには、僕たち自身が競争と上手く付き合っていくことが最も大切となります。
僕たちは、サービスを使ってくれるユーザーの皆さんが明日を生きていく力になりたい。ユーザーの幸せを、最も大切にしたい。
もちろん、他社サービスでは満たせていない課題があり、僕たちにしか生み出せない価値があると信じています。ただ、同じようなサービスはこれから必ず出てきます。
それらのサービスが、ユーザーの皆さんの幸せを僕たちのサービスよりも生んでくれるのだとすれば、僕たちはそれで良いと考えます。
僕たちのチームメンバーが生きられるように、会社を守っていく必要はありますが、その時はまた僕たちにしかできない価値を探し、新たな事業をつくります。
ただ、もし仮に競合となるサービスが、ユーザーの未来を第一に考えていない、自分たちが価値を得ようとするだけのサービスだったとしたら。
その時は、ユーザーの幸せを守るために、戦って勝たねばならない。そのようにも思っています。
このようなスタンスが、僕たちの現時点での競争との向き合い方です。
事業を進めていく中で、常にチューニングをし続けていくのだと思います。
本日は競争についての考えをまとめてみました。
競争がどういうものかを認識し、自分なりのスタンスを明らかにし、競争と上手く付き合っていくこと。
それが大切なのではないかと思います。
おわりに
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