起業して解決したい社会課題
株式会社Peer Lodge CEOの斎藤 雅史と申します。
株式会社Peer Lodge代表のまささいとうです。いいねや視聴回数が見えない音声コミュニティ「Peer Radio(ピアラジオ)」をつくっています。
3月末で6年間のサラリーマン生活に別れを告げ、4月に起業しました。起業により解決したいと思っている社会課題について、文字にしてみようと思います。
起業を志した理由
「メンタルヘルスの問題を解決したい」
この想いが僕を突き動かし、起業に至りました。これまでサラリーマンとして働きながら、平日夜や土日でプロトタイプ開発などを進めてきましたが、自身の志を全力で為し遂げたく、退職し、起業することに決めました。
メンタルヘルスの問題を解決したいと思ったのは、両親のうつや知人の死などを経験し、自分の愛する人たちの幸せを守るために自分に何かできることがないか、と考えたことがきっかけでした。
今の世の中は、仕事ができる、できないだけで評価をされがちな、資本主義の世界。
真面目で人の悪口なんて絶対に言わない、やさしい人たち。そうい人たちが、真っ当な評価をされないことに、僕は納得ができませんでした。
仕事ができれば偉いのか?仕事ができれば偉いのか?
やさしい人たちが評価されないのはなぜ?
不器用だけれども真っ直ぐでやさしい人たちが、きちんと評価されるような、明日も生きていられるような、そんな世の中をつくりたい。
そう思って、起業を決意しました。
それから1年ほどは「ストレスとは何か?」「うつの要因とは何か?」を知るべく、100人ほどにインタビューをしたり、専門家の方に話を聴いたり、学術書を読んだりして、課題への理解を深めました。
そこから、自分なりの「ストレスとは何か?」「うつの要因とは何か?」の持論が生まれてきました。
メンタルヘルス問題はなぜ起きているのか
弱さを認められない社会構造
これこそが、うつの要因、ストレスの要因ではないかと考えました。
「うつの要因は人間関係のストレス」なんてよく言われますが、それは表面的な考察だと思います。
人間関係のストレスが生じているのは、社会がどういう構造になっているからなのか。そこについて考える必要があると思いました。
強くないと生き残れない、弱さを見せられない、資本主義の世の中。
本来人間は誰しも弱い部分がある生き物だけど、弱さは認められず、完璧であることが評価されてしまう。完璧である、というのは、機械と同じ。
弱さを見せられずに強くあろうとする自分と、本来の弱い人間的な一面を持つ自分とのバランスが取れなくなり、疲弊し、ストレスが蓄積し、やがてはうつになり、自殺につながっていく。
こうした社会構造が、問題の根本ではないかと考えました。
ただし、決して資本主義を否定するつもりはありません。
●資本主義は完璧ではないと認識しながら、上手く資本主義と付き合っていくこと
●マッチョな資本主義の世界で生きていくために、弱い自分や本音の自分も受け入れてくれる居場所をつくること
それこそが必要なのではないか、というのが僕の持論です。
もちろん、これだけがうつやストレスの要因ではなく、あくまで要因の一部分だと認識していますが、僕たちはこの部分に大きな問題を感じており、解決したいと考えています。
上記の内容はあくまで僕の持論で、研究などで明らかになっている部分もあるものの、完全に証明されていない部分もあります。
そのため、現在はまだ仮説にすぎませんが、精神科医の方などにも相談しながらサービス開発を進めています。
「メンタルヘルスケア」という定義を捨てる
アメリカではカウンセリングは身近なもので、瞑想やオンラインカウンセリングなども日常的に行われている、という話はよく聴くかもしれません。
日本でも、オンラインカウンセリングのサービスや瞑想のサービスもいくつかあり、もちろん僕も使っており、すごく素敵なサービスばかりだと思います。
ただ、インタビューを繰り返す中で、ユーザーの目線から見ると、日本ではメンタルヘルスケアに対する心理的ハードルはかなり高いものだと感じました。
近い未来、そのような心理的ハードルもなくなり、オンラインカウンセリングや瞑想が日常的に行われるようになる日は来るだろうと思いますし、そうなる未来を僕も信じています。
ただ、それとは別のアプローチで、壁を壊すのではなく、壁をすり抜けるような、そんなアプローチができないか、と考えました。
「メンタルヘルスケア」という形を取らずとも、使っているだけで自然と心が晴れていくような、そんなサービスをつくりたいと思いました。
すごく極端な話をすると、ユーザーが元気になるのであれば、どんなものでもソリューションになり得ると、僕は思っています。
カラオケで歌うことだって、友人との会話だって、ストロングゼロだって、立派なメンタルヘルスケア。しんどくても、お酒飲んで、明日も頑張れたら、それでいいじゃないですか。
もちろんそれだけでは満たされないこともありますが、メンタルヘルスケアの一部を担うことはできると思います。
だから、
・サービス提供側が「メンタルヘルス」にこだわりすぎることなく、
ユーザーに一番合うかたちでサービスを届けていくこと
・その結果として、ユーザーのメンタルヘルスケアを実現すること
それが最も大切だと思いました。
何より、自分たちのサービスを「メンタルヘルスケア」と定義してサービス開発を進めていると、サービスをつくる側の僕たちが、どこか少し暗い気持ちになってしまうことがありました。
それならば思い切って、自分たちのサービスを「メンタルヘルスケア」と定義するのをやめようと決めました。
色んな方にインタビューをしていく中で、カウンセリングのように大それたことじゃなくても、誰か話を聴いてくれる人がいるだけで、僕たちは明日を生きていけるんだと強く感じました。
そこで僕たちは「メンタルヘルスケア」ではなく「本音でいられる居場所づくり」を自分たちのミッションと定義し、サービスをつくっていくことに決めました。
僕たちがつくりたい世界観
少し話はそれますが、皆さん「宇宙兄弟」は読んだことありますか?
主人公の南波ムッタが「自分は宇宙飛行士になれるのか?」と悩んだ時、シャロンの家に行き、自分のモヤモヤをシャロンに打ち明けるシーンがありますよね。
シャロンはこんな風にムッタに投げかけます。
「悩むならなってから悩みなさい」
そしてムッタはシャロンの家を出る頃には、こう言っています。
「シャロンはいつも俺の頭をほぐしてくれる」
そして、ムッタは宇宙飛行士になる夢を叶えていく。
ムッタの中のシャロンのような、居場所。自分を信じて応援してくれる場所。弱い自分も愛してくれる場所。本音の自分でいられる場所。
こんな居場所こそが、今の僕たちに必要なものではないかと考えています。
僕たちのサービスを使ってくれる全てのユーザーに、本音でいられる居場所を届けたい。それが僕たちの使命です。
少し長くなってしまったので、一旦本日はここまでで終了とさせて頂きます。
明日は、このような問題を解決するために、僕たちが開発している「Peer Radio」というサービスについて紹介したいと思います。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
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