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オンライン授業へ#8 mmhmm

後期は、私の担当に座学が多くなく、オンライン授業も一段落している。

この間に、mmhmm というサービスが登場して、OBSを使わなくてもよくなったり、いろんなことが一気に簡単になった。mmhmmは、正式版リリースとともに有料となったが、教育ユーザは手続きをすれば一年間無料で全機能が使える。

このふざけた名前からしても、サイトのカラフルなデザインからしても、独特のノリがあるので、人によって好き嫌いはあるだろうが、私は好きだ。MacBookPro 16(くやしいがインテル)でもファンがブンブン回るので、それなりに負荷は高いのだろう。

mmhmmのレイヤー構造

mmhmmは、簡単にいえば3層構造の仮想カメラだ。前景に講師の映像、中景にスライドなどのウィンドウや別のカメラの映像、後景に「ルーム」と呼ばれる画像を置くことができる。

前景の講師画像は、輪郭だけ切り抜いたり、円や矩形で切り抜いたりできる。この切り抜きが精度が高く、閾値の設定もしやすい。OBSでの苦労が嘘のようだ。また顔を認識しているので、講師が動いても、切り抜きの中に顔が入り続けるように追従してくれる(良し悪しでもあるが)。透明度やサイズを変えたり、四隅のどこにアンカーするかを決めたり、(使い所がわからないのだが)特定の色にしたり、が簡単にできる。最も前景には、残像のできるポインタを使うことができる。

中景のスライドは、要するに画面共有だが、画面いっぱい/講師の肩越し/非表示を切り替えることができる。動画も問題なく再生する。keynoteやpowerpointなら、ウィンドウで共有にすればよい。ルームの設定次第で、台形に変形させ立体感があるようにすることもできる。

後景のルームは要するにバーチャル背景である。なかなか気の利いたのがプリセットされているし、自分で好きな画像を入れることもできる。

これらのセッティングはシーンとして保存でき、タブにして複数開いておけるので、シーンのスイッチも簡単だ。

録画機能もあるので、mmhmmだけを使って、オンデマンド配信用の動画を作ることができる。視聴者がサムネールから好きな位置にジャンプできるインタラクティブレコーディング機能が追加されたが、私の環境ではうまく動かず、今サポートとやりとりをしているところだ。

コパイロットという複数の講師が操作するモードもあるが、試したことがないのでちょっと感じが分からない。

Zoomなどの会議サービスで、mmhmmをカメラに指定すると、このプレゼンテーション状態で参加できる。なので、Zoom等の画面共有を使うのではなく、自分の顔を映す参加者のチャンネルでプレゼンテーションができる。

Zoomは、参加者のチャンネルと画面共有のチャンネルでは動画の転送の仕方が違うようなので、より精細な画像を見せたいならmmhmm=参加者チャンネルではなく、Zoomの画面共有を使う方がいい。箇条書きのテキストや簡単なグラフなら、mmhmm で十分だ。

Zoomの背景パワポとは違う

Zoomの背景にKeynoteやPowerpointのプレゼンテーションを動的に映せるようになった。が、mmhmm を使うときとはちょっと違う感じがする。mmhmmだと、プレゼンをやっている自分の現れ方(プレゼン時のプレゼンス)をリアルタイムで調整することができるし、そうしようと思わせるものがある。例えば、ポインタ機能を使って緑の点をグルグルやるのではなく、自分の姿を小さくして、ポイントするところに持っていって、自分の手で指差すことができる。そうしたくなる。私は教室での講義でもスクリーンの前をうろうろ歩きながら話すし、ポインタを使わず画面を指さすこともよくやっていた。その感じがするのだ。

前述の通り、エデュケーションアカウントならフル機能が当面タダなので教員はぜひ試そう。


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