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エンジニア向けオンラインイベントを約1年やって見えてきたこと〜準備編〜

どうも。@OnigiriMa_shiと申します。大手証券系シンクタンクにてSierを務めた後、Findyという会社にて、エンジニアとのキャリア面談やエンジニア向けイベントの開催、自社メディア(Findy Engineer Lab)の運営をおこなっております。詳しいことはこちらに書いておりますので、以下略とします。

こちらのnoteは前回の企画編に続く第二段ですが、こちらが気になる方は先にお読みくださってもOKです。好きな方からお読みください。

<こんな皆さまに読んでほしい>
- オンラインイベントに携わったことがある
- これからオンラインイベントを運営する
- 運営の裏側を知りたい
- エンジニア向けイベントのポイントを知りたい
<目次>
・まずは登壇者の打診から
・登壇者にとっても楽しみとなる場を提供する
・イベントページはキャッチーなタイトルで尖らせる
・当日までワクワクしてもらうような期待感を持ってもらう
・コンテンツはインタラクティブにする

まずは登壇者の打診から

 企画段階ではどんなイベントをするか?ということを話し合いましたが、その段階で候補者の方々のリサーチも行います。既に企画段階で頭にあったならその方に打診し、断られる可能性も考えて「もし断られたらこの人、、」を2-3人くらい上げておきましょう。

 重要な点は、途中でイベントの目的と沿わない人に打診してしまわないこと。イベントを開催することが目的となってしまい、当初の集客や満足度を期待できなくなってしまってはいけません。誰も幸せにならない結果となってしまいます。なので、この段階で企画に沿う登壇者の方にお願いできなければ、企画段階から見直すようにしましょう。

登壇者にとっても楽しみとなる場を提供する

 これは非常に意識するところではあるのですが、やるからには登壇者にとっても楽しい、ワクワクできるようなイベントにしたいと常に考えています。登壇者同士の繋がりができればいいし、学びの場になってほしいと思うし、ひいては登壇者同士が楽しんで話すことがイベントの満足度につながるからです。ちなみにこれは、イベント後のアンケートで「今日のはおもしろかったなー」と自分で感じたときには、

「登壇者の皆さまが楽しそうに話しているのが良かった」

というコメントをいただく機会が多く、実感としても強くあります。

 したがって、イベントは当日ぶっつけやテキストでのやりとりだけではなく、最低一度は対面での打ち合わせを行うようにしましょう(既に登壇者間が心を知れた仲であれば大丈夫ですが)。
 登壇者間での自己紹介を中心に当日の議論をざっくばらんにシュミレーションしたりなんかして、「こんな話をするのか〜、じゃあこういう風に展開しよう」「参加者にはこういう風に感じてもらいたいな」など話してもらうだけで、かなり当日の話の具合が変わります。相手が何を喋るのかな・・?という探りを入れつつ喋るのは、短いイベントの時間だと致命的になります。(一方で、あえて即興の場を楽しむ方針で話さないというやり方もあると思いますが、こちらのやり方は余り私はやらないのでなんともいえません)

イベントページはキャッチーなタイトルで尖らせる

 イベントページについては、弊社ではconnpassを主に活用しています。昨今ではあらゆる企業や個人がイベントを気軽に企画しており、内容も被っているものも多いです。登壇者や内容が面白くても、パット見で「おっ、興味ありそう」と心理的に感じてもらう工夫はやはり必要です。
 タイトルでは、「何がターゲットとなる読者層に一番刺さるキーワードか?」を問いましょう。
 例えば、「これからのエンジニアキャリア論〜みんなでキャリアを考えよう」よりも、「50代からのエンジニアキャリア〜」としたほうが、具体的なターゲット層やテーマが想起でき、目的に近い結果が得られます。(実際にこちらのイベントは、30代後半からが半数以上締め、20代は全体の1割くらいでした)


 後は、弊社での転職/キャリア系のイベントであれば、時期間をキーにして、「初めて転職活動する人で半年以内に転職を考えている人」に絞ってのイベントをしたりなど、具体的なユーザーをイメージしてタイトル付けもしています。

当日までワクワクしてもらうような期待感を持ってもらう

 イベントタイトルを決め、告知する段階のページやメッセージですが、こちらは参加者の期待感を高めることがとても大事です。とても参考になったのが以下の「最高の集い方」という本です。

 こちらでは、イベント当日までに参加者に手紙を送ったり、課題を出したり、あらゆる手でイベントまでの間に参加者と接点を持ち続け、イベントに対してのワクワク感を醸成するといった例が記載されていました。
 例えば結婚式がいい例でしょう。参加者の方々に楽しんでもらえるように手作りで個別のメッセージを書いたり、出し物をお願いしたり、みんなに寄せ書き書いてもらったり、、準備の段階で皆が巻き込まれて参加しているのです。参加者が時間をかけた分、当日はどういった場になるのだろう・・?と期待感も増します。

  例えばこちらのイベントでは、普段余り事前のアンケートを必須としないのですが、アンケート項目を多めにして、回答を必須としました。

 結果的に、アンケート必須としたことで参加者自体は少なかったですが(初めから集客よりも満足度を目標としていた)、当日は意欲の高い人の参加が増えて質疑が多くでたり、事後のアンケートでも回答率が高くなる傾向となりました。

 その他にも、メッセージの文面のこだわりやリマインドメール時にも少しエモい文章や時節の話を入れたりと、工夫は以下ようにもできます。まだまだ私も試行錯誤の段階です。気軽にオンラインでの申込みができるようになった分、キャンセルも敷居が下がりました。当日キャンセルをなるべく出さないような工夫が、イベント運営者の力量ともなるでしょう。

コンテンツはインタラクティブにする

 イベントを運営していわかったことは、質問の数が多ければ多いほど、回答に時間をかけて丁寧に答えるほど、満足度が高まるということです。
 1時間半のイベントなら、最低でも30分は質問の時間があったほうがいいです。やはり、聞いているだけのウェビナーイベントでは画面の前でご飯を食べながら、他の仕事をしながら参加してもらっているという前提でイベントは準備ですべきです。もしも単純に聞いているだけのイベントでもOKというイベントであれば、インタラクティブじゃなくて聞き流して下さい!と立場を明確にしておけばいいかと思います。ただし、満足度を極限まで上げてもらいたいならば、やはり何かしらの交流があったほうがいいように思います。

 ただし、大前提はイベントのトーク自体が楽しげで、面白い内容であること。そのうえで、モデレーターの方からたくさん質問を参加者に投げてもらうように事前に決めておくことや、質問が途切れてしまった場合はこちらから事前に想定した質問を答えたりして、質問しやすい雰囲気を作ったりする、といったやり方があります。

 最近ではSlidoを使ったりオンラインイベント用のクイズアプリも多く出てきています。それらを活用したコンテンツをつくるなど、どうやって参加者の声を聞くか、はご検討ください。

まとめ

 イベントは運営者、登壇者、参加者が三方良しで楽しく、ワクワク、学びのある場所となるように設計することが大事です。準備フェーズでは、「どうやったら皆が楽しんでくれるかな???」ということをモチベーションに進めていきましょう。ちなみに、この準備フェーズが一番地道なところだったりするのですが、終わった後のみんなが満足の言葉と自分が楽しんでいる姿もイメージして、やりきっていきましょう。

次回は、当日運営編となります。

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