アリーナをクラブ色に染め上げろ
おはようございます。Daiです。昨日は記事をお休みしていましたが、今日から再開していきたいと思います。さて、今回のテーマは、Bリーグにまつわるとある記事を見かけたことがきっかけです。しばしお付き合いいただければと思います。
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自前の箱がないことはスポーツ共通の悩み
この記事や、元となった「マネジネントカップ(PDFへのリンクはこちら:40ページに書いてあります)」の中で触れているのが「試合関連経費」の存在だ。
JリーグにせよBリーグにせよ、多くの場合、スタジアムやアリーナは公共施設を間借りした形をとる。Bリーグでトップの人気を誇る千葉ジェッツですら、ホームアリーナは公営の施設だ。そのため、試合のための設備の多くは、自前で置き続けることができない。
端的なもので言えば照明や映像機材、もっと広いところで言えばグッズ売店やフードスタンドなどがここに当たる。試合のたびに出したり引っ込めたり、またそれを使うことで費用が発生する。
ここで、JリーグとBリーグの間になぜ費用の差が発生するのかと言えば、Jリーグスタジアムでは、照明や映像設備が「常設」であることが、クラブライセンス上で規定されているからだ。「出したり引っ込めたり」の部分が、ざっくり言えば発生しない仕組みになっている。
BリーグはもっとJリーグを見習わなくては
その中で、現状のBリーグのライセンス規定がどうなっているかと言えば、以下の通りに定められている。
映像および文字を高精度で表示でき、すべての観客から視認可能な位置に設置された大型映像設備を常設設備として備えている
常設設備が存在しない場合は仮設により設置する
―Bリーグクラブライセンス・ホームアリーナ検査要項より
この条項は、地域の総合体育館を間借りするクラブを想定した文言とみられる。しかし、仮設のままでは、演出その他の面で一定レベルから抜け出せない。B1に上がれないうちは…と渋っているクラブがあるとすれば、正直、このまま淘汰されてしまうのは想像に難くないだろう。
選手への投資も大事だが、何より人とクラブの大きな接点はアリーナやスタジアムとなる。ここへの投資が、今後のスポーツ観戦を大きく変える要素なのではないだろうか。
もちろん、クラブ単体でこれを成し遂げるのは難しい課題。実際に施設を所有する行政との間でやりとりしなくてはならないことが山積しているからだ。そのためには後押しを得やすいような体制作りとして、普段のホームタウン活動が問われ出す。全てはつながっているというわけだ。
人件費ばかりが正義ではない
もはや使い古された表現かもしれないが、アリーナはエンターテインメント空間だ。そして、スポーツは一大娯楽としてみられている。だからこそ人は集まる。もはや競技そのものよりも、「あそこに行けば楽しい」という感覚的要素を求めて、人は来るのだ。
スター選手を獲得するばかりでは、人件費がやがてクラブを圧迫する。そして、何より選手の出入りで投資が確実にうまくいく保証もない。奇しくもマネジネントカップで良くない例として取り上げられたライジングゼファー福岡や八王子ビートレインズは、人件費がかさんだ上に降格。その上経営難までついてきた。
それよりも、自分たちが普段使いするアリーナを、クラブのカラーを感じられる場所にする。一度息づいてしまえば、クラブの新たな価値となる。そして、それはちょっとやそっとでは動じないものとなる。
勝つことがファンサービスというのは大いに結構。だが、それでは次第にニッチな楽しみとなりかねない。より、ライトな楽しみとしてスポーツが存在し続けるためにも、空間作りに目を向けたクラブが増えてほしいと考えている。
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