記事一覧
財政政策に関する発表資料(一部)の公開
久しぶりの投稿です。
昨年、財政政策に関する私の考えを披露させて頂く機会がありましたので、その際に作成した資料の一部を公開します(本当は昨年中に公開しておけばよかったんですが…)。秋頃に作ったので、データはその頃の最新のものまでが掲載されています。
パワーポイントの資料なので最初はSlide Shareにアップロードとしてみましたが、字がずれたりしてしまったので、pdfにしてResearchG
財政支出がいくら必要かを考えてみる
2021年7月6日、内閣府が2021年度の経済指標についての試算を公表しました。実質国内総生産(GDP)の成長率は3.7%と、1月18日の政府経済見通し4.0%から下方修正された試算ながらも、「GDPは2021年中に感染拡大前の水準を回復することが見込まれる」と書かれています。
感染拡大前とはいつのことを指すかは明示されていませんが、それを19年度(20年3月まで)だとすると、内閣府の国民経済計
日米の需給ギャップを見てみる
今回は、以下の前回の記事で出てきた「需給ギャップ」のデータを見てみます。
日本の需給ギャップの推計方法
前回の記事でも紹介したアメリカの1.9兆ドルの経済対策について、ポール・クルーグマン氏がアメリカの需給ギャップ(output gap)に触れた後、それ以上の規模の経済対策を行うことが妥当である旨、主張しています。
このように需給ギャップ(=(実際のGDP-潜在GDP)÷潜在GDP)や、その算
なぜ財政支出がもっと必要なのか
以下の前回の記事の最後に、現在の日本に必要なのは「国債を将来世代の負担と捉え、政府債務を累積させないようにするためには増税か財政支出抑制が必要」という考え方を放棄し、財政支出を出し惜しみせずに行うことだ、と書きました。
では、なぜ財政支出を出し惜しみせずに行うことが必要なのか、本記事で私見を書こうと思います。
必要な消費やインフラ投資を行うためのお金が足りていない
私がなぜ財政支出が必要だと考
「新しい経済学」はすでにある
先日、TBSの番組サンデーモーニングで寺島実郎氏が「財政赤字で世界の一番悪い見本が日本。借金というのはあくまで後代負担、つまり子どもや孫に借金を押しつけることになる。新しい経済学とルールが必要」といった主旨の発言をし、Twitterでも話題になっていました(例えばこのツイート)。
発言の前半は、財務省HPに掲載されている「債務の増嵩を伴い、将来世代に膨大な財政負担を先送りしている」という認識に沿