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仏教に学ぶ生き方、考え方「三匹の子ぶた」

「三匹の子ぶた」

 皆さんは「三匹の子ぶた」のお話をご存知ですか?童話で有名な話なので誰もが小さい頃に聞いて知っていると思います。
 話のあらすじはというと三匹の子ぶたの兄弟がそろそろ自分の家を建てて住むということになり、それぞれ自分の家を建てます。一番上のお兄さんは、なるべく早く手間をかけずに藁を使ってさっさと建ててしまいます。真ん中の子ぶたは、しっかりと作りたいけど早く作りたいと思い、木を組み上げて建てます。一番下の子ぶたは、丁寧慎重に手間ひまをかけてレンガを積み上げ、コンクリートで固めながら頑丈な家を建てます。
 そうしてみんなが住んでいると、ある日のこと狼がやってきて子ぶたを食べようとします。それぞれ自分の家に逃げ込みますが、藁の家と木の家は吹き飛ばされてしまい、命からがら逃げ込んだレンガ造りの家で狼から身を守ることができたというお話です。

 さてこのお話、実は続編があるのをご存知でしたか?(この話は私が勝手に創作したものですので、世の中には出回っていません。あしからず、、、)
 そうやって狼から逃げられた二匹のお兄さん子ぶたでしたが、新しい家を建てるときになると、すっかり狼のことを忘れてしまい、また藁と木を使ってそれぞれの家を建てて住んでいました。でももう狼はやって来ません。いくら襲おうと思っても、レンガの家にみんなで逃げ込むからです。
 そうして暮らしていると、今度は大地震が襲います。揺れはとても大きく、三匹の子ぶたの家はすべて壊れてしまいました。
 ところが今度は藁の家にいた子ぶたは怪我なくすぐに助かり、隣の木の家の下敷きになっていたコブタを助け、二人でレンガの家にすぐに駆け寄って素早くレンガを取り除き、埋もれていた一番下の子ぶたを助けました!というお話です。

 このお話を聞いてどう思われましたか?狼に強い家も地震には弱く、地震に強い家も狼には弱いというそれぞれの長所短所があり、そして将来何が起きるか分からないという例え話になりそうですね。
 もし前半のくだりだけ聞けば、レンガの家がいいということになり、後半のくだりだけでは、藁の家に住みたいと思うでしょう。良い悪いという気持ちは、このようにコロコロと変わるものなのです。
 
 仏教の教えもこれに似たところがあります。それは一般的な善悪とは一線を画しており、善悪を超えたところに仏の智慧があるともいえます。
 幸せと思っていたことが、思わぬことで崩れることもありますが、不幸だと思っていたことの中に実は幸せが隠れていたりすることもあるでしょう。それに気づくために頭と心を柔らかく揉みほぐすために仏教があるのかもしれません。そして三匹の子ぶたのように、いろんなことがあってもそこから学び、みんなで助け合って人生を歩んでいければいいなと感じています。


☆今日の一句☆

 良し悪しを
   超えたところに
        ある教え

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