ほとけさまのおしえ「環境を変えるということ」
田舎に住んでいていいなと思うことは、やはり「自然に囲まれている」ということです。
自坊の本堂は「山の麓」に建っているので、この時期は野鳥の鳴き声と風の音がたえず聞こえてきます。
そんな当たり前のように受けているこの環境を「都会の人」は求め、ゴールデンウィークには遠い道のりをはるばるやってくるのでしょう。
そしてキャンプを楽しんだりトレッキングに興じたりするのだと思います。
言うなれば私の生活は毎日キャンプをしているようなものです。
以前、山登りに凝ったことがあり、その時に「キャンプ用品」は一揃えしてあります。
チタン製のキャンプ用コップや鍋やガスコンロで、時々はコーヒーを屋外で淹れたりして楽しんでおります。
そして「資料作り」や法名や御朱印書きなどの業務は、本堂の「脇部屋」で執り行います。
以前は、庫裏の居住スペースで行っていたのですが、食べたりテレビを見たりする部屋だと、どうしても「集中できない」のです。
そしてお経や偈文やの練習は本堂の「内陣」に正座して執り行います。
そのように「環境を変える」ことで自分の今することに向かっております。
よくチェーン店のコーヒーショップで勉強や仕事をしておられる方もおりますが、きっと「同じ理由」なのでしょう。
それほど環境というものは人の行動に「影響を与える」ものだと思っております。
親鸞聖人もそのご生涯の中で、何度も環境を変えられております。
得度をして修行をするために「比叡山」に赴き、修行への迷いを晴らすために「六角堂」に参籠します。
流罪となられてからは「越後や関東」に赴き、そして執筆活動のために晩年は「京都」に戻られました。
そして私も今のこの環境がとても心地よく、「心が穏やかになる日々」を実感しております。
☆今日の一句☆
緑揺れ
鳥は囀(さえず)る
お浄土か