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ほとけさまのおしえ「空気感」

 本日は三つの法要を勤めさせていただきました。

 その中の一人は「従兄弟」に当たる人で、今は首都圏の会社に勤めていらっしゃいます。

 その方の祖母にあたる方の法要だったのですが、当時は近くに住んでおり「親戚」ということもあってよく遊びに行っていたことを思い出しておりました。

 この歳になると、不思議と子どもだった「昭和の終わり頃」をしっかりと思い出すものです。

 そのことだけでなく、その時の「空気感や雰囲気」といったものまで鮮やかに思い出します。

 読経を勤めながら、その思い出が「脳裏」に鮮やかに蘇ってきておりました。

 おばさんの家は「お九度さん」があり、土間には「炭と焚き火の香り」が漂っておりました。

 「白黒テレビ」のブラウン管にはカラー版がはめられており、「にわかカラー」に見えるテレビでプロレスを楽しんでみえる旦那さんがおり、にこやかに声をかけてもらったものです。

 そして土間の台所に手作りされた「お惣菜」を、帰りには必ず新聞紙に包んで持たせてくれました。

 令和の世の中になり、SNSで簡単にやり取りできるようになりました。

 そんな中にあって、「知り合いの家」にお邪魔することもめっきり少なくなってきております。

 そんな昨今、「空気感や雰囲気まで伴った思い出」があるということはとてもありがたいと思えるのです。

 そしていつも「和顔施」と「言辞施」を与えてくれたおばさんに、感謝の心で法要をさせていただくことができました。


☆今日の一句☆

 空気まで
    感じる思い出
         いただける

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