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急性心筋梗塞で死にかけた話①初めての救急車

フリーランスで仕事をしていると、休みを自分で決められるような、決められないような不思議なところがあります。

休みたければ休めばいいし。でも、休みたくても仕事のオファーが来たら…それを断って休むのはかなり勇気がいります(^_^;) だって、お断りしたら大抵次がないからです。特に新規のお仕事は。…よって休めない。

私はこれまで長くイラストの仕事をしてきましたが、大きく2回「急に依頼がなくなった」期間があります。

それは、長男と次男を産んだ時でした。

私は基本的に、友達や知り合いのつてでお仕事依頼をいただいていたので、ひょっとしたら「まさりさん、もうすぐ出産だから今は依頼しても受けられないかもしれない」とまわりが気を利かせてくれたのかもしれません。勝手に育休期間になってました(・∀・) ありがたいですね。

それだったら、さぞのんびり妊娠ー出産ー新生児期を過ごせたでしょう〜♪と思ったら大間違いなのです。長男アキラを産んだ後は、昨今言うところのワンオペ育児で、ほとんど育児ノイローゼ状態でした。

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育児ノイローゼの日々

アキラはそれはもう手のかかる赤ちゃんでした。

毎日、毎日、ちょっとしたことですぐ泣くし、体力ありすぎていつまでも泣き止まない上に全然寝てくれない。全く生活のペースがつかめず、夜もゆっくり眠れないので疲れがとれず、新生児アキラ様のお相手に身も心もボロボロでした。

動き出したら、泣いてる時間は少し減ったものの、今度は四六時中見張ってないと何をしでかすかわかりません。

「赤ちゃん可愛い♪」と思える余裕もほとんどなくて、朝起きるたびに

「はぁぁぁ…また朝が来た…また1日が始まる…ふぅぅぅぅ」

と、ため息をつくような日々。

子育て=赤ちゃんと遊ぶだけの簡単なお仕事だというイメージで大変さが分からない方はぜひとも下のマンガをご覧くださいませ。子育ての大変さというか、子育てあるあるな話ですが、こちらのマンガ読んだ時ホントそれ!と思いました。こんな部下と一緒だったら絶対仕事できないでしょ!?(^_^;)

子育ての大変さって、普通の仕事と違って「計画しても全然計画通りにいかない」「何度でも邪魔されてそのたびに集中力が途切れる」「結果どれもこれも中途半端で達成感がない」「誰も褒めてくれない」みたいなことが、ストレスとしてジワジワ蓄積するんですよねぇ。

私の場合は幸いにしてお仕事の依頼がなくて、家事と子育てに集中できる環境でしたが、その家事と子育てさえも自分の満足できる形ではできませんでした。

もともと家事は好きなんですが、初めての育児に振り回されて部屋も片付かない、掃除も行き届かない。夫から「最近、出来合いみたいなおかずが多いよね」と言われた時も、そんなこと私だってわかってるんだよーーー! わかってるけどできないんだよーーー! と、余計罪悪感がつのるばかり。家事と子育てだけなのに、それもちゃんとできない。自分で自分に腹が立つけど何もできない。それが精神的に辛かったのです。

「私って…何も生産的なことやってないよね…子育てしながらバリバリ働いてる人なんていっぱいいるのに。私なんか1日ずっと家にいて子育てするだけなのにちゃんとできてない。社会的にも何の役にも立ってないし…」

いやいや、今だったら全然そうは思いませんけどねー。子育てしてるだけでスゴすぎー。しかもワンオペ? 大変やろー? それで家事がおろそかになったってしょうがないよ! 手がかかる赤ちゃんならなおさら! 手抜きOK! なんならお母さんと赤ちゃん、生きてるだけでお疲れさま! 十分!って思いますよ。当時の私には「あなた真面目すぎなのよー。そんなこと全然気にしなくていいんだよー」と声をかけてあげたいぐらい悲壮感が漂っておりました。

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お仕事再開

そんな感じだったので、アキラを人に預けたりできるようになって、再びボチボチとお仕事の依頼が来るようになった時は、

「よーし! お仕事がんばるぞ!」

と、張り切って、本来寝るのが大好きなのに、睡眠時間を削って頑張ってました。

だって、アキラが起きてる時に仕事するなんて100%無理です。昼寝してる間に…と思っても長くて30分、奇跡が起きて1時間、みたいな感じだったので、やっぱり夜、寝かしつけてから、になっちゃうんですよね(夜も結構な頻度で起きてたけど…)。

そしてアキラ1歳半ぐらいの頃でした。

夕飯の支度で炒め物をしていたら、急にフライパンを持つ左手に力が入らなくなったのです。

初めての感覚でしたが、本能的に、

これ、ヤバイやつ!

って思いました。そしてビックリしつつ「なにこれ? この左手はどういうことだ?」と、ヨロヨロ座り込んだら、今度は心臓がキューーーと痛くなってきたのです。

これ、ヤバイやつ!

本能が警報を鳴らしまくっています。普段、病院嫌いなのでほとんど行くことはないのですが、この時は迷いゼロで、

「救急車! 救急車呼ぼう!」

と、急いで救急車を呼びました。どんどん苦しくなる胸を押さえて玄関まで移動して、ピンポンされた時に動けなかったらマズいと思ってカギをあけて、そのまま玄関に座り込んで救急車の到着を待ちました。

普段だったら「かーちゃーん、なにやってんだよー、あそんでよー」とうるさいアキラも、

これ、ヤバイやつ

と、本能的に悟ったみたいで、珍しくチョコンと私の横におとなしく座っています。

あーあ、私、死ぬのかなぁ、短い人生だったなぁと思いながら、横に座ってるアキラを見てると、いやいや、まだ死ぬわけにはいかん。死ねない。死ねない。まだ死ねない。死にたくないです。悪いことしたんだったら心入れ替えます。まだ私はアキラを育てないといけません。死にたくないですーーー。

と、ブツブツ呪文のように唱えていたら救急車がきました。

近所の病院に運ばれましたが、夜間だったので担当の先生はいませんでした。診てくださった先生は、あっさりと、

「んーーー、過呼吸ですね」

そして紙袋渡されて、これでスーハーしなさい、と。それから、

「点滴しますんで、それで落ち着いたら帰っていいですよ」

はぁ。

なんか拍子抜け。…過呼吸? 過呼吸ってこんな感じなの? ともあれ、点滴を打ってる間に心臓のキューーーも左手のしびれも収まってきたので、その日は点滴の後、家に帰りました。

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やっぱり病院へ

「死ぬかも」と思ってたのに「過呼吸」(←ちょっと不満)と診断されて家に帰った翌日。

やっぱり心臓が痛いんです。昨日ほどではないけど、やっぱりこれってヤバイような気がする。もう一度、専門の先生にちゃんと診てもらおう、と再度病院に行きました。

大きな病院だったので、待ち時間が長くて診察まで2〜3時間かかったかなー、時々朦朧としていたので定かではありませんが、ようやく診察室へ入ると、先生が深刻な顔をしております。

検査の結果を見ながら、少し質問された後、おもむろに電話をかけ始めました。

「…34歳、女性、これこれこういう数値でどうのこうの…ちょっとわからないんですけどね…どうのこうのどうのこうの…先生はどう思われますか?」

あの…それ、私のこと話してますよね? どう思われますか?って誰に相談してるんですか? 私の病気は一体何なんですかーー。

ものすごい不安に襲われる(・∀・)

そして、先生は電話を終えて説明してくれました。「自分としては信じがたいのですが、数値を見ると急性心筋梗塞の恐れがあります」「カテーテル検査をして、場合によってはそのまま緊急手術になります」と。

そこからは怒濤でした。

今まで居心地の悪い椅子に2時間以上座らされていたのに、急に看護婦さんがワラワラやってきて「こちらに寝てください」とVIP扱い

そして「治療中に死んでも文句言いません」という宣誓書に署名させられ、手術室に移動。造影剤を入れて検査をするため、部分麻酔をして右手からカテーテルを入れて心臓まで通す、と説明を受けました。聞いてるだけで痛い。

カテーテルを入れられると、腕の中を通っていく感覚が分かって、すごく気持ち悪いんですーー。なんか腕の中にブスブス入って来てるー。なので、

「痛くないですか?」

と、聞かれた時に、

「ちょっと痛いです」

と、答えたら、

「気のせいです」

と、言われました。

じゃあ聞くなよって(・∀・)

そして、カテーテル検査の結果、私は急性心筋梗塞と診断されました。やっぱり過呼吸じゃなかった。やっぱりヤバイやつでした。

つづく。

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