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上半期を振り返り、心震えた10曲を紹介する記事


 こんにちは。シリアスファイターです。


 2024年6月29日(土)。
 たとえ受け入れる準備がなかったとしても、逆らえず、抗えない時の流れがもたらす唯一の真実がこちら↓



「明日、2024年上半期終了。」


 …早いよ!!!
 私個人としては4月、僅か1年で職場の部署が再び変わり、昨年以上にバタバタ忙しなく仕事をしていることや、静かに体力づくりの筋トレを始めたことや、それらが軌道に乗ってきたと思われたところでコロナに罹り、思ったより色々な症状が尾を引いて体力的に全てリセットされたところまでで、あっという間に終了した上半期。


 この記事を読んでいるあなた、いかがお過ごしでしょうか。


 時の流れは諸行無常。
 note書きの端くれである私にとって、「上半期が終わる」ことは、一度腰を据えて今年を振り返るための口実の一つとして申し分ありません。


 ということで今回は、考える気ゼロのタイトル通り、毎年何かと理由を付けて書いている、上半期に印象に残った曲についてのまとめです。


 ただただ好きだった曲について、思いのままにつらつら書いてもよかったのですが、それだとキリがなくなってしまうのが私の常。


「曲単体だけでなく、このバンドについて言及しておきたい!」
「キリのいい数字で読み易い!」
等の観点も考慮し、今回も10曲に絞りました。


 以下掲載順は、リリース日の古いものから並べています(間違ってたらすいません。)。
 ベスト10ではなく、全てオンリーワンな一面がある10曲。


 わざわざ私の記事を開いて読んでいるそこのあなたなら、どこか1つでも引っかかるポイントがあるのではないかと思います。
 お時間あればこの半年、あなたの音楽事情を振り返りながら読んでいただけると幸いです。


 それでは。


SUPER BEAVER「切望」


 …えっ!?
 ビーバーって、まだまだこんなにもドキドキさせてくれるんですか…!?


 イントロから飾り気ゼロで疾走するベース、ドラム、ギター、ロックバンド剥き出しのサウンドに否が応でも気持ちを掻き立てられ拳を掲げつつ、ただ疾走するだけでなく、渋谷さんの歌唱に込められるたくさんの「人」の想いに想像が巡ることで、目の前のロックバンドと最高の時間を共有したいという想いが溢れ出します。


 2番まで王道展開で進むロックンロールが、更なるドキドキを呼び起こすのはCメロ。


似て非なる僕らよ 別々で構わないよ
言葉ばかり増やして 肩書きと話すのかい
個性だ 多様だ それもまた枠だった
だからずっと言ってるんだ
初めから 僕で あなたで 人だって 
らしさってなんだったっけ

切望


 これだけ強い「言葉」で歌われるのは、「言葉」だけじゃ足りないという想い。


 初めから、「僕」であり、「私」であり、「あなた」であり、「人」である、絶対的に1人の存在でしかない一人一人と「音楽」をやりにきていることを、途方もない回数を重ね続けるライブ活動で得た実感とともに改めて宣誓するようなパート。


 「言葉」だけが一人歩きしているなら、改めて!はっきりと!「言葉」と「音」にしてやるという決意を載せるように駆け出す柳沢さんの高速ギターソロと、Cメロラストで渋谷さんが叫ぶフレーズは、同バンドの楽曲、「らしさ」のフレーズの引用…!


 遊び心に溢れつつも、しつこいほど、ビーバーとしてロックの体現…!
 言葉やフレーズは少し違えど、同じことしか言っていない=ブレないからこそ、より強い音で、言葉で、何度でも進撃し続けるパワーアップしたバンドの音と言葉の説得力…こんなにドキドキした瞬間はありません…!


 再メジャーデビュー後も、音源リリースやライブ活動のペースは追い切れないほど怒涛のもので、その勢いのまま産み落とされたこの曲でも、2月発売のアルバム「音楽」でも、とことん「人」の匂いしか感じ取れませんでした。


 まだまだこの4人が鳴らす音とともに、自分も楽しみたいし、何度でも聞くたびに自分であるためのブレない意志を取り戻し続けたいのです(去年の上半期まとめの記事でも、同じようなこと言ってなかったっけ?)。

サバシスター「覚悟を決めろ!」



 1月のライブで得た「これだー!!!」という確信を見事手中に収めるに至った3月発売のファーストアルバム、「覚悟を決めろ!」


 何がそんなに好きかって、私は結局どこまでいってもシンプルかつ豪快に鳴り響くストレートなロックンロールに飢え続ける獣である故に、このイントロから溢れ出す、極太ギターストロークと的確かつ力強いドラムのビートで、既にノックアウトなのです。
(サブスクで聞いている人には、できる限り大きな音で体感してほしい。)



 イントロパートで物足りないというそこのあなたは、是非中盤のヘヴィなヘドバンパートまでお聞きください。
 これで自然と頭が前後に振られるようであれば、ようこそ、あなたも共犯です。


 見た目の飾らなさと若さの印象もあって、「かわいらしさ」のイメージが先行しがちなバンド(事実、1月に見たライブでもそういう声が飛び交ってたし、初々しいという意味で私もそう感じた部分もある)ですが、それ以上に、音を聞けば自分たちのやりたいことを頑固に貫くかっこよさが際立つことが伝わってくる…はずです!


 ここまで王道ストレートなロックサウンドなのに、メロディがコテコテの昭和歌謡なのがまた面白くて好き!
 ゴリゴリのロック一辺倒で一見さんお断りにするのではなく、人懐っこさと哀愁すら感じられるメロディで自然と心に入ってきてしまったことを自覚したら、既に私もサバシスターとの共犯関係は成立。


どんなに強く握りしめても
いつかは手が離れて落ちる
君も乗るなら君も共犯
分かるか?今から覚悟を決めろ!

覚悟を決めろ!



 いつだって一期一会のロックバンド体験。


 共犯となった今、このバンドの音楽で楽しみ尽くす覚悟はとっくに決まっています。
(意訳:5月のツアーは行けなかったですが、札幌はソールドしてましたよね…ということで次、大いに期待しています!!)


a flood of circle「キャンドルソング」


 タイトルに違わず、一音目の揺らめく炎のような音像のギターの音色からして既に好きすぎたフラッドの新曲。


 昨年のストレイテナー、ホリエさんプロデュースの曲に続き、今回はASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤さんプロデュースということで、「私の好きなものかけ算選手権」において首位を独走し続けたことでも話題となったことは記憶に新しいところ(私の脳内調べ)。


 何がアジカンぽいかと言われると、曲はフラッドであり佐々木亮介でしかないミドルテンポのロックナンバーですが、音や歌唱における人の匂いや情緒たる部分がより如実に感じられるところが、近年音楽的な成熟を続けるアジカンと重なる部分があるように思います。


 サビでは熱く燃え上がるような音像と佐々木さんのシャウトが木霊する一方、その燃え上がり方はあくまで孤高であり、MVにもあるような寒く、凍えそうな寂しさも感じさせる一曲。


 最後の最後には、孤独を悟った佐々木さんが言いたいことを全て放つポエトリーパートに載せて、聞き手は自分の想いをゆらゆらとコーラスパートに託します。
 たとえ1人きりでも、悩み続けて消えたくなっても、これが好きで続けているだけ。
 だから、まだ、ゆれる。


 ゆらゆらと口ずさみ続ける限り、自分の中の大好きで大切なロックンロールの灯火は、消えることはありません。


リーガルリリー「キラキラの灰」


 去年も出す曲出す曲がいちいち私の中でスマッシュヒットだったリーガルリリーの勢いは今年も止まらず。


 それでも3月にゆきやまさんの脱退発表があった直後は、突然すぎて流石に動揺しましたが、そんな中でも久しぶりに嬉しいタイアップ発表とともにリリースされたこの曲は、あまりにもキラキラしすぎていました。


 自分の中に微かに灯る光をじっくりと暖めて、見守ってくれているようなギターストロークから始まるこの曲は、とにかく「広がり方」が秀逸。


 サビに入った瞬間に広がるアンサンブルは、決して希望一色のポップなものではなく(メロディ自体はポップですが、)、あくまで私が懐で暖めていた大事な大事な光の破片を、丁寧に育てていくようにじんわりと鳴らされるもの。


 うわあ…!
 私の宝箱、こんなに大事なものが沢山あったんだ…!と気付かせてくれるような、微かで確かな輝きを放つシンプルな演奏が、コーラスが、とにかくきれいで愛おしい。


 そんな音に浸ってる内に、スッと胸に染み入るような4分間はあっという間にすぎて、気付いたらもう一回…というのをリリース時から何度繰り返したことか…。


キラキラのハイになって踊った
重力に逆らえずに踊った
あの日を君を二度目はもう離さない

キラキラの灰


 重力に逆らえずに、何かと向き合ってしまう日々にきらきら光る、ロックバンドのやさしさに今日も救われます。

カネコアヤノ「さびしくない」


 正直発表当時は、サイケデリックな「ラッキー」も含めてあまりピンときていなかった曲でしたが、上のスタジオライブ版のMVが公開されたあたりからでしょうか、ガラッと印象が変わったのは。


 囁くような声でポツリポツリと、音の上を静かに揺蕩うカネコさんの歌声は、サビに入ると同時に、力強く伸びる声と繊細な裏声をぐるぐると行き来します。


 それは「器用」というよりは、こういう声しか出せない!という頑固な意志が込められているような歌声で、淡々とした曲展開も相まってバンドとしての一貫した直線的なエネルギーを如実に感じるものです。


 そんなエネルギーを込めて何度も繰り返される「さびしくない」のフレーズは、この音楽さえあれば大丈夫!という力強い宣誓のようでもあり、かたや、大丈夫…!と自分に言い聞かせ続けることで正気を保つのに必死で震えているようでもあり、聞いている時の自分の状況によって聞こえ方が幾通りにも変化します。

 ださい帽子に隠して電車に乗った
 毎日毎晩
 別に遠くへ行けなくてもいい
 最近は
 さびしくない

さびしくない


 なーんで6月のワンマン行かなかったんだ…行けなかったんだ…。



 ランランラン、と気丈に、淡々と口ずさみ続けながら、今日も大好きな音楽の力を、粘り強く信じ続けます。

GLIM SPANKY「Fighter」



 メジャーデビュー10周年イヤーのグリム。


 私にとってメジャーデビュー以降のグリムは、自分たちのやりたいロックやブルース、ソウルミュージックといった音楽的な要素を軸にしながら、どこまでポップスとして聞かれる曲に落とし込むかというバランスと闘い続けているバンドというイメージがあります。



 その意味でこの曲、個人的には過去最高レベルでそのバランスが結実している一曲…!


 歌い出しから驚くほど耳に馴染むポップなサビのメロディとともに、イントロから耳をつんざくほど鋭くドライブするギターの音色。
 同時に胸に飛び込んできたなら、これはグリムスパンキーじゃなきゃあり得ない音楽であるという確信が溢れ出してもう止まりません…!


 このやり方ですっかりメジャーでも安定した活動を続けているように見える2人ですが、MVが示すように、歩み続けるその先は果てなく広がる音楽の荒野。

熱く燃え上がって 打ち抜けよ
君の理想も超えていけ
天と地を渡りあって
まだまだここから no try no life

Fighter


 10年経とうが常に挑戦者として、この青臭さ全開の歌詞をブルージーに熱く歌い上げるレミさん。


 いつまで経っても泥臭く実直に、音楽と向き合い続ける2人への信頼をさらに深める一曲になりました。

TK from 凛として時雨「誰我為」


 かつて「abnormalize」が深夜アニメの主題歌になると聞いた時には、この激しく、凍てつき、突き刺すようなバンドの曲が使われるなんて、どれだけ尖ったアニメなんだと身構えた(実際尖ってましたが)ものですが、いつから「TKさんがアニメ主題歌をやる」ことがある意味当たり前で、むしろアニソン界の重鎮のようなポジションとして、主題歌をやることがこんなに肯定的に受け入れられるようになったのでしょうか…?


 そうしてアニソンとして定着したことによる、ポップスとしてのメロの良さと美しさが抜群に生きたサビのメロディと、不安や怖さが溢れてたまらない想いも、それでも闘おうとする決意も、どちらも尊重して鼓舞してくれるようなストリングスを交えたアンサンブル…凄まじすぎます…!



 無論、完全無欠のポップスに寄りすぎることもなく、時雨が持つ過激な音像もしっかりと内包。
 特に間奏で登場する超絶ギターソロを皮切りとした音楽的爆発がたまらなく大好きで、これはアニメだと流れないんだよなあ…と思いながら、アニメを見て初めてTKさんの音楽に触れた人が、この曲をフルで聞いた時にここに遭遇する様を想像して…1人で震えている気持ち悪いオタクが、北海道の片隅でたまに爆誕しています。


 地上波のアニメで時雨が流れることが、いつの間にか普通に受け入れられるようになった今、アニソンとして定着したことで為せる技と、いつもの時雨が凝縮されたこの曲…そのバランス感覚の良さが相変わらず流石すぎるがゆえに、その凄まじさを改めて思い知ることになりました。


 主題歌であるアニメ(僕のヒーローアカデミア)のこの後の展開を知ってる身としても、握り拳に入る力がより一層強くなる一曲。

Cody•Lee(李)「生活」


 今年の5月までは、「我爱你」と「おどる ひかり」くらいしかよく知らないバンドだったのですが、ふとYouTubeのオススメに出てきたこのMV。


 病院の病室に置かれている心電図のリズムのように鼓動を刻むイントロから、優しく空を切るように入るピアノのフレーズと、すぐ側でそれとなく自然体で話しかけてくれているかのような高橋さんの歌。


 何だか安心する距離感だなと思って聞き進める中で溢れ出すフレーズは、くだらなくて、当たり前で、退屈で、でも確実に自分の側にあるような生活の風景。


 それがとんでもなく身近に、自分のこととして響くのは、その優しいメロディと歌と、随所随所で登場する、

 永遠がない事 僕たちは知ってる

生活


 という「当たり前」のフレーズのせいで、2番がこのフレーズで締めくくられるとともに、突如としてただの生活でしか得られないカタルシスがぶわぁっと溢れ出すようにバンドサウンドが覚醒します。

 どこまでいっても生活でしかないけど、「今を生きることで自分だけの生活になる。」という事実をこれでもかと真正面から突きつけられることで、当たり前のように何度も自覚する自分の当たり前で愛おしい生活。


 最後にはたくさんのコーラスと、演奏にかかった強烈なリバーブが、生活に染み付いたたくさんの余韻と実感を引き連れて襲いかかってきます。



 一聴して耳から、心から離れなくなった音の痕跡を頼りに、直近のシングル群も聞いてみたら、見事にハマってしまったCody•Lee(李)。


 なんとしても、今年中にライブを見たいバンドの1つになりました。

結束バンド「月並みに輝け」


 また結束バンド選んでる!とか思いませんでした!?


 選びましたよ!!
 だってだって!
 これだけアニメがヒットして、勢いに乗って何曲も新曲が発表されるたびにしっかりロックンロールが更新されていくんですもの!!
 そりゃ選びますよ!!

 天才だって信じてた バカみたいだ
 小さな自信 溢れ落ちて割れた
 偶然がなかったなら わたしはまだ
 孤独感と手を繋ぎ踊っていたかな

月並みに輝け


 曲の冒頭から、アニメ冒頭の主人公の心情を2行で端的に歌い上げてしまうこのフレーズだけで、映画館で泣きそうになっていた私。
 この「偶然」を「必然」だと信じて、「天才」じゃないかもしれないけど、自分はできるやつだとどこかで信じ続けてやり続ける中で産まれる、誰も聞いたことのない自分だけの旋律が鳴り止むことはないって…1人のロックバンドが大好きな人間としてもあまりに深く鼓舞されすぎる歌詞…!


 曲展開で大好物なのは、1番終わりに唐突に差し込まれるリョウ先輩による過去一にゴリゴリのベースソロ、及び、2番終わりで、月がゆらゆらとうごめきながら必死に輝き続けるようなギターソロを中心とした間奏。


 特に後者は、それまでの疾走感溢れる曲展開からは想像も付かなかったヘヴィな仕上がりに結束バンドの真骨頂を見ましたし、最後には微かに希望に手を伸ばすようなコード進行に自然と切り替わる展開も見事…!


 これだけ王道のギターロックに寄った曲を作りつづけても、まだまだ引き出しがありそうな予感を感じさせる一曲…これは…やっぱり期待してしまうアニメ第2期…!!


Chilli Beans.「Mum」



 昨年末は素敵な音楽のお城に私の心を閉じ込めてくれたチリビ御一行。



 そんなお城探索を終えた次なる一手は、イントロのギターが鳴り響いた途端、「ナイス!!ロック!!」と高らかに叫んでお城のドアを蹴破りたくなるような痛快なロックソングでした。


 そんなに見たこともないくせに、イメージは完全に「海外学園ものドラマのオープニングテーマ」なんですよね…なぜか目に浮かぶんです、一人一人好きな服を来て青春を謳歌するあの自由な校風(?)が。


 ここまでがっつりロックに寄った曲も初めてな気がします。
 音やグルーヴはキャリアを重ねるに連れて圧を増していることは、音源からも如実に感じられますが、その音楽的進化以上に、どこまでも一つの音楽に捉われない自由さはこの曲でも健在。



 かっこいいと同時に、随所随所の歌声とコーラスはとってもキュート。



 クレイジーなことばかりの世の中で、この歌は自分だけの秘密でもあり、夢のようでもあるけど、確かな自分だけの確信であることも揺るがない、チリビ流のクレイジーなロックンロール、最高です。



 今回は以上です。


 いよいよ始まる7月。
 夏も本格化してきて、楽しみなライブや夏フェス、音源など、音楽好きである限り、音楽的な楽しみが尽きることはなさそうです。


 暑さも本格化してきますので、体調には今一度お気を付けください。
 私も上半期でコロナへの一時的な耐性は付いた(?)かもしれませんが、今一度身体の調子とも向き合いつつ、また自分のペースで音楽を楽しんでいきます。


 ここまで読んでいただいたそこのあなた、本当にありがとうございました。
 引き続きあなたの生活にも、音楽が寄り添い続けますように。

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