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【ライブ感想文】NO MATTER LIVE@ Zepp Sapporo 2024.1.13(土)


 こんばんは。シリアスファイターです。


 今回は、(主に)北海道で毎年冬恒例のライブイベント、NO MATTER LIVE1日目のライブ感想文です。


 このイベントは、北海道でこの時期の深夜に放送されている「NO MATTER BOARD」という(主に)スノーボードに関わる情報を発信している番組発信のライブイベントとして、毎年開催されているものです。
 出演するのはラウドで激しいロックバンドが中心で、あまりに寒すぎるこの時期の北海道を、ロックンロールの熱量で灼熱の大地に変えてくれるこのイベント。


 ライブの模様が後日、深夜に北海道のローカルTV局で放送されていた時期(おそらくいつからか無くなった?私が知らないだけでまだ放送してる?)は、それを録画して見ていた私ですが、実際に現地で体感するのは今回が初めて。


 初日のラインナップが、どう頑張っても直近のアルバムツアーに参加できなかったSiM、1年振りにタイミングが合った大好きなALI、ライブを見たくて仕方なかったサバシスターなど非常に魅力的だったことや、前日に重めの仕事を一つ終えた私にとって、今年のライブ始めにはもってこいということで参加を決めました。


 完全に初見のWHISPER OUT LOUDとサバプロも勿論楽しみな中、今年初のZepp Sapporoへ、ロック初詣に繰り出しました。



①WHISPER OUT LOUD


 ゆったり浮遊感のあるSEがフェードインするように鳴り出す会場が静かに暗転すると、まもなくギター、ベース、ドラムの3人の楽器隊が登場し、会場に拍手と歓声が響きます。



 「この音楽を、魂に刻みつけるためにやってきました。」



 間もなく中央に姿を現し、凛とした真っ直ぐな姿勢で宣言したMotokichiさん(ボーカル)。


 そこから始まる20分間、繰り出されるバンドサウンドはとにかく雄大で美しい…!


 北海道に住んでいる身としては、景色が広がり続ける、長く真っ直ぐな道を車で駆け抜けていくことに慣れすぎて、なんなら退屈さえ覚える感覚が塗り替えられていくようなラウドサウンド…!


 そこに乗るMotokichiさんのボーカルは、伸びやかな裏声と、力強いロングトーンを巧みに使い分け、聞いていてとにかく心地良い…!


 それに似た雰囲気が会場に伝わったのか、曲が進むに連れて挙がるお客さんの手は増える一方。
 最後の「Memories」が演奏される頃に上がっていた手の数を見れば、会場の空気を十分に暖めていたのは確かです。


「今日、初めて飛行機で北海道来て、こういうイベントで、またの次のバンドにも音楽が繋がっていけば良いと思います。
 ありがとうございました!」


 この曲の間奏部、ライブ中ほぼ唯一のMCでそんなようなことを言っていたMotokichiさん。
 最後には、伸びるだけでなく、どんどんと音階を上げていく圧巻のロングトーン!!

 ほぼMCなしでシームレスに5曲を刻みつけた20分。
 いよいよ、私にとっての今年のライブハウスの幕が切って落とされました。

セットリスト(公式Xから拝借しました。)
1. Face My Fate
2. Magic
3. Never Grow Up
4. AsUrA
5. Memories


②サバシスター

 トレーナーやデニムのつなぎを見に纏った、自然体すぎるこの3人のロックバンドは、昨年からずーっと気になっていたものの、中々ライブを見る機会にあずかれず…。


 本日目の前に現れた3人は、YouTubeや先日のバズリズムで見ていた姿そのまま!
 なちさん(ボーカルギター)と、るみなすさん(ギター)がそれぞれ、元気いっぱいお立ち台に登ってお辞儀すると、愛らしくてハートフルな雰囲気に会場が包まれます。



 ところが、ギターを構え音を鳴らし出した瞬間空気が一変。
 溢れ出した骨太なロックンロールは、まさかの新曲(聞き取れたサビの歌詞から推測するに、3月リリースのアルバムの表題曲「覚悟を決めろ!」)…!
 このバンドを初めて見る人がほとんどに違いないこの場で、まさしく自分がやりたいロックを貫くための覚悟を決めるような攻めの姿勢に驚きつつ、それ以上に驚いたのは、全く飾らずに、純粋な私のロックンロール大好き魂を瞬時にフル回転させる会心の演奏!!



 何の混じり気もなく、自分たちが楽しくて、やりたくてやってることだけが伝わってくる音に、ワクワクが止まりません…!


 その勢いのまま「ナイスなガール」まで駆け抜けたところで、なちさんのMC。



「初めまして!サバシスターです!
 最初は何かの間違いで呼ばれたかと思いましたが笑、北海道の皆さんに暖かく迎えていただいて嬉しいです。」


 初々しすぎる挨拶に、会場の方々から「かわいい〜」と吐息まじりの声も聞こえる中、最初の2曲で既に、この場に呼ばれるに相応しすぎるバンドの力を存分に味わってしまった私は、心から拍手を送らざるを得ませんでした…!


「まだまだ寒いですけど、真夏にスケボーを盗まれた時の歌です。」



 「スケボー泥棒」では、Bメロでギターのネックを上下に揺らす動きを揃える、なちさんとるみなすさんの挙動は確かに可愛らしい一方、何度もお立ち台に登って、スケボーを盗まれた悲しみと怒りを携えたような哀愁のメロディを奏でる、るみなすさんのギターソロに歓声が上がり続けます…!


 ごうけさん(ドラムス)による小刻みなスネアのリズムも、力強く、心地良くグルーヴを引っ張る様がたまりません…!


「北海道でのライブは2回目です!
 昨日の夜は、ラジオの生放送に3本も出させていただいてありがとうございます!」


 「アイリー」演奏後、るみなすさんによる初々しすぎる(2回目)MCを挟み、


「メルカリでジャージを取られた時の歌です。」


 なちさんのMCから歓声があがっていた「ジャージ」は、原曲では確かに可愛らしさが先行している印象でしたが、歌い出しから怒りすら感じられるギターストロークと力強いボーカルは、真っ赤な照明も相まって、攻撃力抜群のパワフルなサウンドにびっくり…!!!

 嘘つきはどっかで死ぬから

ジャージ


 巻き舌混じりで吐き捨てるような、なちさんの渋い歌い回しにしびれつつ、曲終わりには真っ赤だった照明が、取られてしまったジャージの色と同じく緑色の照明に包まれるという展開…!
 ジャージと、それを巡る人への想いが昇華されるような展開に、不思議と心が洗われるようでした…!




 イントロから、なちさんとるみなすさんがお立ち台で背中合わせになってギターを弾き倒していた「タイムセール逃してくれ」



 分かりやすく曲が転調したり、突飛なアレンジが登場するでもないシンプルなロックンロールに搭載された力強いギターリフとリズムに、曲が進むに連れて勝手に心臓が跳ね上がって、心がグワグワグワー!ッと駆け上がる感覚…!


 私が本当にこういうロックンロールが好きだという実感に基づいた、本能的な確信だったに違いありません…!!


 なちさんによるメンバー紹介と、「後一曲やって帰ります!」の宣言から、ハンドマイクでお立ち台に立ってなちさんが歌い出したのは「サバシスター's THEME」。



 曲途中で、メンバー全員がステージ中央に向き合って、くるっと客席に振り返ってギターとベース鳴らす様はかわいい一方、ここまでのロックンロールに高まり続けていたお客さんも多く、サビではとうとう、本日初のダイバーが出る高まり振り…!
 最後はお立ち台に立ったなちさんを筆頭に、メンバー全員による大ジャンプでフィニッシュ!


 なちさん「また会いましょう!」


 もちろんです!
 アルバムツアー…ありますよね!?
 北海道…ありますよね!!??


 期待しかしてません!!!

セットリスト
1.覚悟を決めろ!(サビのフレーズからおそらくこの曲)
2.ナイスなガール
3.スケボー泥棒
4.アイリー
5.ジャージ
6.タイムセール逃してくれ
7.サバシスター's THEME


③Survive Said The Prophet


 狂気のデスボイスも含めたマイクチェックやサウンドチェックをしながら、ライブで北海道に帰ってきた喜びを爆発させる気合いの入れっぷりで、早くも期待が高まるサバプロ。



 1曲目が始まると同時に、Yoshさん(ボーカル)の轟くデスボイズとラウドな音像に、頭を振り乱す人が続出する様に、このイベントがラウドロックバンド中心のものであることを思い出すと同時に、ほとんどこのバンドの音楽に触れたことがなかった私も、その迫力に圧倒されてしまいます…!


 2曲目「MUKANJYO」で、イントロから2人のダイバーが飛び出してくるとYoshさんが、

「2人だけか!?
 そんなもんか!?北海道!!!」


 と煽ると、途端にニョキニョキと増え続けるダイバーさんは、サビとともに勢いよくステージに向かって転がっていきます…!


 2バンドを経てすっかり暖まったフロアの天候は瞬時に大荒れ模様!!
 まさしく肉体派ラウドバンドによるライブハウスの光景です…!!



「たくさん出させていただいているノーマターライブ。
 出るたびに、心の距離が近づく奇跡を体現させていただいています。
 本当にありがとうございます!」


 YoshさんのこのMCがとても印象に残っています。


 Yoshさんが、転がってきたダイバーと握り拳を合わせるたび、音に乗って心から飛び跳ねたり、歌ったり、じっと心で受け止めたりするたびに、ステージと客席の境目が無くなって、どこか一部分でも共鳴し合えるような感覚があったサバプロのライブとこの言葉に、改めてライブの醍醐味を再認識させられたような気がします。



 特に、私がサバプロで知っていた数少ない曲の一つ、「Right and Left」での、流麗なギターリフとボーカルがキラキラと飛び交う、サビでの光景は忘れられません。


 会場を巡る音とお客さんが、気持ちよく心を通わせるように飛び跳ねる様は、見ていて、踊っていて、本当に心地よかったです…!


 また武道館でライブをやりたい!と宣言していたサバプロの皆さん。


 終盤に再び畳みかけられる濃厚なラウドナンバーにフロアはもみくちゃで、最後「Network System」では、「これで最後だぞ!」の煽りとともに、益々ヒートアップ…!


 2曲目の時の比ではない、ステージほぼ一直線に平行に埋め尽くされたダイバーの皆さんが一斉に飛んでいき、サビのコーラスではたくさんのシンガロングがステージ目掛けて飛んでいき、もうどこまで飛んでいけば気が済むんですか…!?
 もう!どこまでも飛んでいっちゃえ!!



 最後には、音が鳴り止むと同時に、ステージが完全に暗転して終了するというかっこいい演出まで…!


 文字通り、「心の距離が近づく奇跡」を体現するラウドロックバンドの生き様を見ました…!

※セットリストは不明のため割愛です。


④ALI


 リハで演奏された「Wild Side」。
 初めてライブを見るであろう人から、「かっこいい!」「ヤバイ!」と期待が一気に高まるような声が方々から聞こえてきていた時点で、ラウドロックが主体のこのイベントでも、アウェイ感が全くなかったALI。


 ドラムに何らかの機材トラブルがあったらしく、少々予定時刻を押していた様子ですが、いざバンドメンバーが揃い、仁義なき戦いのテーマからライブが始まると、バンドサウンドとホーン、キーボード、コーラス、と華やかすぎる「Dance You, Matilda」で、一斉にフロアを踊らせにかかるのは、私がライブを見た昨年2月と同様でしたが、奏でるグルーヴはその時よりも強靭…!!


 腰も腕も心も動かすのを止められなくなる中、フロアに指差ししながら登場したLEOさん。
 一瞬の静寂から、


「札幌おおおおお!」


 繰り出されたシャウトは尋常じゃない気合いの入り振りで、そのままスタンドマイクを両手に持ち、グッと身をかかげて歌いあげる姿はワイルドな色気ムンムンの様相です…!!


「お前ら、音楽は好きかあああ!!??」


 前方フロアは既に、抑えきれない音楽好きによるモッシュで大変なことになっています…!




 そんなフロアの空気に益々高まったのか、「FEVER」で連発される、「Lalalala....」のLEOさんのシャウトはとてもしゃがれていて、色気よりも情熱が先行した獰猛な獣が吠えているかのよう…!
 ラウドな音楽主体のイベントだからこその、フィジカルな暑さを如実に感じられるALIのライブ…これはとても貴重!!



LEOさん
「音楽でバカになってくれますかー!?」


 からの「GABBA GABBA HEY HEY」は、曲を知らずともすぐに参加できるタイトル通りのコールアンドレスポンスと、意味のある言葉がいらない、ラテンを主体とした血湧き肉躍る音楽のおかげで、音楽バカ大量発生の狂乱の宴へ…!
 終盤には楽器隊総出で前に出て音を奏で倒す、今日のイベントを代表する名シーンが誕生する高揚っぷりで、LUTHFIさん(ベース)や
CÉSARさん(ギター)からも、溢れる笑顔が止まりません…!!


LEOさん
「札幌!帰ってきましたー!
 やっぱり北海道、音楽好きだなー!
 今日は俺らも、お前らに混ぜてもらっていい
 ですか!?
 じゃあ、お前らの歌を…!」


 「NEVER SAY GOODBYE feat. Mummy D」は、北海道を舞台にしたアニメの主題歌を意識した選曲だった様子…!


 サビでは終始、力強い拳を掲げ続け、溢れる魂を凝縮させたような歌を届けるLEOさんの気合いはここでも健在!
 曲自体のスケールの大きさは、Zepp規模の会場でも存分に映えています…!



LEOさん
「お前らの好きなバンドのタオルを見せてくれ!」


 自身はALIのバンドタオル掲げながら、イベントならではの様々なタオルがサビで振り回された「FIGHT DUB CLUB」。


 イントロのホーン隊が奏でるフレーズの無邪気な凶暴さは、本能レベルで興奮を喚起する危険極まりないもの(もちろん褒めてます)で、この日もそんなフレーズに喚起された心のままに、サビに入る頃には思いっ切りコーラス部分で声を上げてしまいました…!


 CÉSARさんによるムーディなイントロのギターリフから歓声が上がった「LOST IN PARADISE」。


 間奏は完全にライブアレンジで、サックスやトランペットのソロ、はたまたコーラスの方の力強く伸びるロングトーンまで、いくら歓声をあげても足りない、見所、聞きどころ、心の燃やしどころの一大パレード…!
 サビでたくさんの手が波のように揺れる様を見ながら、どんどん大きくなるバンドの姿がこんなに逞しく見えた時間は他にありませんでした…!




 最後の「Funky Naussau」でも、BOBOさんのドラムソロや、メインメンバー3人が前方に出て踊り!弾き!歌う!場面で大いに盛り上げつつ、何度も会場に響き渡る「ALI!」コール…!



「音楽…万歳!!」


 ピースを掲げてやり切った表情のLEOさん。


「またすぐ来るからなあ!」


 「音楽が大好き!」が溢れて止まらなかった時間。 
 もちろん!お待ちしてますよ!!

セットリスト(不完全)
リハーサル
1.Wild Side

本番
1.Dance You, Matilda
2.(忘れてしまいました…)
3.FEVER
4.GABBA GABBA HEY HEY
5.NEVER SAY GOODBYE feat. Mummy D
6.FIGHT DUB CLUB
7.LOST IN PARADISE
8.Funky Naussau


⑤SiM


 MAHさん
「今日はモッシュあり!?ダイブあり!?
 (今日のこれまでのライブを見て)あれはもモッシュダイブじゃないだろ…!!??
 じゃあ…○ねえええ!!!!」


 登場早々捲し立てるMAHさんの煽りに、もうイベント開始から4時間以上経過して、ヘロヘロでもおかしくないフロアは、「KiLLiNG ME」で瞬時に大沸騰!モッシュダイブ頻発!サビでは大合唱!
 たった3分で、このイベントのラスボスであり、大トリである意味をこれでもかと見せつける圧巻の幕開け…!


 間奏で、「座れ!」とMAHさんがフロアに指示すると、いつもならフロアがギチギチなので全員が座るまで時間がかかるところですが、この日の1階フロアは6割程度しか埋まっておらず、瞬時に全員座れるという展開に、思わず演奏を止めるMAHさん。


「(客席)スカスカじゃねえか!笑
 タクシーの運転手も、「こんな寒い中元気だねえ」とか言ってたけど笑。
 お前らはこんなクソ天気悪い中、来てくれたんだろ!?
 ありがとう!!」


 たくさんのヘイトとリスペクトを込めたSiMそのものでしかない愛を受け取り、客席が埋まっていないことなどお構いなしに、大好きなSiMの音楽で、サビで大ジャンプして沸騰するフロアの興奮は、まさしく天井知らずです…!



 続く「TxHxC」では、前方2箇所に大きなサークルが!!
 以前SiMのライブを見た際はまだコロナによる規制化だったので、コロナ明けに見るのはこれが久しぶりでしたが…やはり…肉体と声を取り戻したSiMのライブの凄まじさたるや…!
 凄い勢いで渦を巻くフロアを2階席から見て、私も勝手に大いに興奮を掻き立てられます…ちょっと怖いけど…凄い…!!



 そのまま続くは「KiSS OF DEATH」
 新しいアルバムの曲だ!やった!

 凶悪なパンクや、ダブやレゲエのノリも存分に堪能できるSiMそのもののような曲で、改めて音楽的な振り幅を存分に味わいます。

 サビでのコールアンドレスポンスに見事に応えるお客さんに、MAHさんは相変わらず笑顔で小さく親指を立てて応えてくれます。
 どれだけ悪態を付こうとも、根っこに愛が溢れていることを何度でも実感する、SiMのライブで特に好きな瞬間をこの日も見ることができました…!


MAHさん
「SiMです。よろしくお願いします。
 今年もライブ初めはこのイベントです。
 今年もよろしくお願いします!

 (フロアから拍手)

 …えっ?
 ここのお客さんは、「今年もよろしくお願いします。」に、拍手で返すんですか!?
 「こちらこそよろしくお願いします!」だろ!?
 今年もよろしくお願いします!

 (フロア中から「こちらこそよろしくお願いします!!」)

 うるさい!!笑 
 ライブします!」


 とっても理不尽な新年のご挨拶を挟み笑、鳴らされたのは「MAKE ME DEAD!」。


 怪しげな夜に、嫌いすぎる自分自身と文字通りさよならしたくなって仕方ない時に聞くこの曲ですが、直前までの仕事の上手くいかなさにへこみがちだったこともあったため、この選曲はかなり効きました…。


 そんな自分の側面と適宜おさらばしながら、また1日を始めようと考えた時、何となく、なぜかは分かりませんが、この流れであの曲が聞けたら嬉しいと私の無意識が囁いていたところで、MAHさんが指に手を当てて囁くようにアナウンスした次曲は「Amy」…!



 サビでは大部分をお客さんにマイクを振り、私も心の銃を暗闇に思いっ切り突き立て、振り抜くように拳と歌にエネルギーを込めます…! 
 どんな暗闇にいても、明るくなってほしい明日に向かって…!!!



 そこから今度は、暗闇と怪しく楽しく遊ぶ「Devil in Your Heart」。



 SHOW-HATEさんの小刻みに暴れる悪戯っ子ギターがたまりません…!
 たくさんの悪魔さんが、ライブハウスの暗闇でわちゃわちゃとはしゃぐ様がみえるようで、なんだか可愛らしさすら感じる光景でも、間奏と終盤のMAHさんによる、地獄の底から這い出るようなデスボイスに、可愛い小悪魔は粉々に踏み潰されてしまいそう…。
 そんな残酷な比喩すら出てくるほど、その声と挙動に、目と心を奪われてしまいました。



MAHさん
「元日から油断してる時に地震が起きて、そのことを考えると胸が苦しくなるけど、俺らまで暗くなってたら、被災してた人が帰ってきた時に「暗っ!」と思われる。
 募金とか物資とかでできることはやったら良いと思うけど、そうじゃない時は普通にっていうか、生活を過ごすしかないし、それがいいと思う。
 という話から、次は地鳴らしの曲だけど、これはアートの世界の話だから!!」



 意識せずにはいられない現状への想いも言葉にしてくれたMAHさん。
 少なくとも私は、ライブをする側の人が、目の前でハッキリと現状へのスタンスについて話してくれてある意味ホッとしたし、そういうことも一つ一つ丁寧に言葉にして伝えてくれるところが、MAHさんを、SiMを、ロックバンドとして信用できる大事な部分だと、改めて思います。


 そしてやはり何度聞いても、演奏の力強さとスケール感がZepp規模に収まっていない、「The Rumbling」。


 凄まじいヘドバンの嵐が起こる中、このまま演奏を続けていたら会場が壊れてしまうという妄想を本当に現実にしてしまうくらいの血気迫るパワーが、この曲に溢れていることを認識した私は、気付けば心の内側から燃えるように熱くなって頭を振っていました…!!!



MAHさん
「色々難しいこと言ったけど、こういうライブに来たんだったら、最後まで楽しんで行ってください!!」



 暗闇でカラフルな照明が光る中、頭を空っぽにして激しく踊り続けられるこの時間もかけがえのないものと認識した上で聞き、踊る「DO THE DANCE」の高揚感は、かけがえのないものでした。


 ほどなくして始まったアンコールでは、そんな想いも言葉にしてくれたMAHさん。




「俺らは海外でもライブやるようになって、このイベントには毎年呼んでもらってるけど、来年は海外とか行ってて出られないかもしれないし、呼ばれるとも限らない。
 だから、今この瞬間が当たり前じゃないと思って、一分一秒楽しんでってください!」


 そして、この後、今年でバンドが20周年を迎えるに当たり、「お客様あっての我々なので笑、リクエストを募ります!」と言って、アンコールの曲のリクエストをお客さんに求めたのですが…、


「Murderer」?…、
 SiMのファンじゃなきゃ分からないかもな…却下で!
「GUNSHOTS」?…、アンコールっぽくないから却下!
「CROWS」?…、却下!!

「Blah Blah Blah」やります!!!」



 どう考えても、初めから曲が決まってたとしか思えませんでしたが笑、 MAHさんなりに、イベントでの短い時間の中での、精一杯のお客さんとのコミュニケーションだったのだと思います!笑



 たくさんの「oh na na na na」が会場に響き渡り、興奮が大爆発するフロア…!


 最後にはMAHさんが、二手に分かれるよう手で合図すると、二つの壁ができるフロア、次の瞬間、「f.a.i.t.h」 で巻き起こるウォールオブデスと激しいモッシュで、フロアは混沌の坩堝へ…!!!


 もう上から見てたら何が何だか分からず、とてつもないBPMで叩きつけられる演奏もハチャメチャで、「カオス」という言葉の語源そのもののようなライブハウスの光景に愕然…!


「今年もよろしくお願いしまーす!!」


 最後には、胸の辺りに両手でハートを作り、それを自ら半分に割って食べる仕草を見せていたMAHさん。
 愛もヘイトも、どちら平等に溢れたレゲエパンクは今年も健在ということで、ある意味安心した気持ちで、イベントは幕を閉じました。


セットリスト
1.KiLLiNG ME
2.TxHxC
3.KiSS OF DEATH
4.MAKE ME DEAD!
5.Amy
6.Devil in Your Heart
7.The Rumbling
8.DO THE DANCE

アンコール
1.Blah Blah Blah
2.f.a.i.t.h


 今回は以上です。


 約5時間のボリュームもあっという間!
 ライブハウスの爆音に浸れる幸福を噛み締めることができた1日になりました。

 最後まで読んでいただいたそこのあなた、本当にありがとうございました。

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