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【ライブ感想文①】JOIN ALIVE2024@岩見沢 2024.7.13(土)




 こんにちは。シリアスファイターです。




 今回は、北海道で毎年恒例の夏フェスの1つ、JOIN ALIVE(1日目)のライブ感想文①です。



 敷地内にある遊園地で遊べたり、メインステージ前方に広がる広大な芝生エリアにレジャーシートを敷いてのんびりしつつ、時にその場で流れる音楽に浸れたり、会場全体もコンパクトで端から端まで移動してもおよそ30分前後しかかからなかったり(私調べ)etc…、フェス初心者や家族連れでも気軽に参加しやすいことが魅力のフェス。




 中心にあるのは音楽ですが、ロックバンドに偏らず、J-POPやアイドル、売り出し中のアーティストまで、ジャンルレスなラインナップになることも、また魅力の1つであるJOIN ALIVE。



 昨年は初日のみの参加でしたが、今年は8月のライジングサン同様、参加アーティスト発表前に2日間参加を決め、いざ蓋を開けてみれば、今年も豪華絢爛なアーティストとタイムテーブルに見事、頭を悩ませることとなった私。


 かくして7月。
 この日の天気は快晴。
 着いた直後は涼しく、北海道らしい初夏の気候でしたが、みるみる気温が上がり、ライブが始まる前には気付けば汗ばむ暑さに💦
 そんな岩見沢の地に降り立った私を待っていたライブのうち、フル尺で見たものの記録ですが、年々文章がコンパクトにまとまるどころか、なぜか長くなり続ける私。



 1日目に(フル尺で)見たのは7組のライブですが、そのまま一本の記事にしても、もう誰も読んでくれないかもしれない分量とデータ容量の重さを誇る記事になることは、書き始めてすぐに明らかになったため、今回は細かく分けていきます。
 楽しみは、細めに訪れる方が嬉しいということで!


 おそらく2日間全部通して、5〜6回分の記事になるでしょう。
 もうたまたまあなたの目に入ってしまったのであれば、興味がある部分だけでも是非お付き合いください。


 今回は前置きもあったので、最初のこの2組のみについてです。
 それでは。



① にしな(11:45~)


 このイベントの主催者であるマウントアライブの山本さんにとっても、主催する音楽イベントの開催は実に25回目となるらしい節目であることが告げられた、ローズステージでの山本さんご本人による恒例の前説を経て、トップバッターとして登場したのはORANGE RANGE。


 一曲目から「以心電信」で、前方エリアでまさかのダイバーさんも出たり、ジャンプしたり、私がいた芝生エリアで近くにいたお子さんは、「こんな感じ?」と後ろにいたお母さんを何度も振り返りながら手を挙げノリノリで、お母さんも相槌を打ちながら手を挙げノリノリで聞いている光景etc...、微笑ましいほど多様なフェスの始まりを見届けて、私のJOIN ALIVEは始まりました。、


 そうしてのんびりFUTURE FLOWERSに向かっていると、バンドの演奏とともに声が聞こえる…!?
 思わず早歩きしてステージに着くと、既にステージにはバンドメンバーとご本人の姿があり、「真白」を演奏しているではありませんか…!




 その後、今日のサポートドラムの方は知らない曲だったらしいですが、キーボードの方の指示(「適当にジャムって!そういう曲だから!笑」)を受け、自然と流れるような「It's a piece of cake」のセッションへ。
 野外というよりは、屋内のイメージが強いにしなさんの音楽ですが、この自然の中で、リラックスしたフィーリングが外に放たれていく感覚…とてもよい!




 そうしてリハを終えてしばらくしてから、SEなしで淡々と登場するバンドメンバーが準備を整えると、エレキギターから強烈なノイズが…!




 溢れるノイズとともに、にしなさんがオンステージ。
 こんな可愛らしい見た目の人から何が出てくるんだ…!?と面食らった様子の人もいる中、開け放たれるのは「クランベリージャムをかけて」で、にしなさんはいつものようにフラフラとステージを歩き回り、飄々と安定した歌声を響かせます。



にしなさん
「塩!分!チャージ!欲しい人っ!♪」




 サビの始まりとともに、まさぐっていたズボンのポケットから塩分チャージタブレットを客席方々に放り投げるにしなさん!





 2月ののツアーでは飴玉だったような気がしますが、今日は夏フェス仕様。
 体調を気遣う優しさすら感じられます…!




にしなさん
「私がワン!ツー!って言ったら、ワンツースリーフォー!って返してくれますか?
 そこから曲を始めましょう…!」




 おそらく、にしなさんの音楽に初めて触れる人が大半だったであろうこの日のステージで、しっかりお客さんを巻き込みながらステージを作り上げるにしなさん。





 そんなにしなさんに乗ったお客さんのカウントから、初夏の匂いにふわっと包まれる「東京マーブル」へ。



 相変わらずステージを動き回るにしなさんでしたが、2番のサビに入る前にモニターに躓きよろめいてしまい、恥ずかしそうにズボンの裾をキュッと握る仕草に、方々から「かわいい…」の声が漏れ出していましたが、そのサビの歌唱がブレることはありません…!





 何があってもとにかく楽しく、気楽にやろうといういつものにしなさんのフィーリングが会場に充満する中、ベースの方がクラップを大きく煽るイントロは「U+」ですが、生のドラムが生み出す、地面を奮い立たせるようなグルーヴは、やはり原曲とは完全な異次元物。
 この日は野外だからこそ、地面そのものが鳴っていることをより強く感じました…!

 お客さんの手が上がる量も段々と増え始め、にしなさんが曲を歌い上げる頃には、大きな歓声が。
 もうアウェイ感を感じさせる要素はありません…!




にしなさん
「水飲んでくださいね…!
 みんなフェス楽しめてますか?
 せっかくの夏なので、夏の曲をやっていいですか?
 自分の曲じゃないんですけど、知ってたら一緒に歌ってください。
 あれもそれも全部夏のせいにして…。」




 アコギを構えてリラックスした様子のにしなさん…まさかな…と思いつつ、にしなさんが弾き語り始めたのはその「まさか」を現実にするクリープハイプの「ラブホテル」のカバー…!





 き!、貴重すぎるにしなさんのカバーソング…!




 アコギの爽やかな音色と中性的な歌声が際立つバンドアレンジのせいで、赤裸々な思いが夏の風にサッッッと舞い上がります…自分の曲か思う馴染み具合と完成度にも驚き…!


 尻尾をふりふりするお馴染みの「ケダモノのフレンズ」では、グッズの尻尾を持ってるお客さんがほとんどいないことから、にしなさんの「せーの!」のかけ声で、サビとともに左右にゆらゆらと腕を振るお客さん。

 「いい感じ!」と言わんばかりにグーサインを出したり、2番途中にはステージ上に「ごろり〜ん」という擬音が聞こえそうな様子で座って転がりながら歌い始めたりと、どんどん住み慣れた実家のような開放感が増してくるにしなさん笑。





 それでもその歌声のブレなさは健在で、あくまでこちらにそのフィーリングが伝わる根底にあるのは自由な音楽。
 ここまでほぼMCなしでノンストップなことも、流石の力量としか言えません…!




にしなさん
「…ちょっと疲れたので、サビの入り、「シュガー♪」って歌ってもらっていいですか?」




 ナイスなかっちょいいギターが遊び回るイントロが流れる中、曲を知らないお客さんを含めてサビの入りを練習なしで全て託した「シュガースポット」は、1番こそぎこちなかったものの、曲の進行に連れて大きくなる声…!



 ちょっとだけ入りが違う最後のサビだけ、「難しいよっ!」といっておどける姿と戸惑うお客さんとのやり取りも、グダグダするどころかバンドの頼もしいサウンドの支えもあり、「楽しさ」が一人歩きし続けます…!


シュガースポット
約束なしでもまた出会える
誰にも言えぬ言葉を交わしてきたんだろう

シュガースポット



 「大丈夫だよ〜何とかなるよ〜。」ってフィーリングが、野外で無邪気に開放される感覚…本っ当に嬉しいなぁ…!





 無論MCを挟むことなく、立て続けに演奏される「bugs」では、より自由にステージ上を飛び回り、踊り回りながら歌う様に、こちらも心地良く揺れます。




 いかにもフェス向きな身体が揺れる選曲が続きましたが、ここでアコギを構えたにしなさんが歌い始めるのは「青藍遊泳」

 夜の闇を必死で泳ぐ様を静かに見守ってくれるような歌声と深い青の照明に、再び訪れる一人の夜に向かう不安や、祈りや、決意が込められている曲ですが、この日に開放できたフィーリングのおかげもあり、祈りや決意に似た部分の解像度がグッと上がったような歌を届けてくれました。




にしなさん
「ありがとうございました、にしなでした!」 最後まで楽しんでください!!





 エレキギターに持ち替え、最後は「ヘビースモーク」


 2月にワンマンで見た時以上に歪んだ音像はロックそのもので、やるせないけどどうしようもない思いは、空にふわりと、でも力強く舞い上がって、どこまでも空に溶けていきました。




 深い余韻を残して、ステージを後にした5人。




 「フェス」で「野外」のにしなさん、想像以上にナイスなフィーリングでした。

セットリスト
リハーサル
1.真白
2.It's a piece of cake

本番
1.クランベリージャムをかけて
2.東京マーブル
3.U+
4.ラブホテル(クリープハイプcover.)
5.ケダモノのフレンズ
6.シュガースポット
7.bugs
8.青藍遊泳
9.ヘビースモーク

② ヤバイTシャツ屋さん(12:30~)


こやまさん(Vo&Gt.)
「ジョインアライブといえばー!!??」



 登場早々、自分から宣言するこやまさんですが、あまりにもこのフェスの常連すぎて、毎年開催発表とともに出演発表していいバンドの一組だと勝手に思っているヤバT。



 しかもそれが惰性ではなく、あくまで本人たちの実力…いや…「ライブ力」ゆえであることは、一曲目の「ハッピーウェディング前ソング」での演奏力や、お客さんの手拍子、コールの量、前に押し寄せるお客さんの勢いでとてつもない砂煙が巻き起こるフロアの様子を見れば一目瞭然…とにかく楽しい!!




 そのままライザップ叩き上げ!…じゃなくて「ライブハウス」叩き上げの筋肉質でヘヴィなグルーヴを振り回す「Tank-top of the world」がくれば、頭を振りたくなる気持ちも必然…!



こやまさん
「よく分かんなくてもいい!
適当でいいから歌って!!」



 知らない人も何とか聞き取れる「タンクトップ」という単語を頼りに声を出すアウトロ部。



こまやさん
「曲知らなくても飛べー!」



 知らない人もジャンプの嵐に乗っかるうちそのビートの虜になる通称「メロ3」では、途中「10-FEETやロットンがやるやつ!」と言ってローズステージ中のお客さんを座らせて一斉ジャンプするのですが、私の近くでは微笑ましい光景が☺️




 この曲の少し前、近くでスマホの落とし物があり、持ち主が見つからず掲げ続けている方がいたのですが、全員座らせる過程で後ろに下がってきたお客さんの中にスマホの持ち主がいて、「良かったー!」「ありがとうございます!」という優しすぎるフェスの交流が…!


 本当に良かったと思いつつ、ヤバTの意図せぬファインプレーに、思わずいつもの2倍以上の力でジャンプしてしまいました…!




 そのまま「Blooming the Tank-top」で、知らない人はポップなサビで手を挙げたくなり、知ってる人はヘビーな展開でヘドバンが止まらなくなり、忙しなくポップとヘビーの往復運転を繰り返したところで、タイトルコールで大歓声の「あつまれ!パーティーピーポー」




 フロアに巻き起こり続ける砂煙フェスは勢いを増すばかりです!!




こやまさん
「ジョインアライブー!
2017ー!」

ありぼぼさん(Ba.)
「7年前や。」

こやまさん
「計算早っ!」

ありぼぼさん
「文系なのにな。」



 脈絡なく始まった漫才に思わず笑いが止まらない会場笑




 ツッコミ役を担い続けると思われたありぼぼさんですが、ここからはまさかのボケ(?)役笑



こやまさん
「今日のライブの意気込みとか、どうですか?」

ありぼぼさん
「いやあ…もう(このライブの後のラジオの)公開収録が楽しみすぎて…!!」

こやまさん
「公開収録を軸に考えるのやめて。」

ありぼぼさん
「いやあ…ほんまに公開収録がな…!
もりもとが…まさかの…!?」

こやまさん
「結婚発表!?
 ジョインアライブの公開放送で!?」



 ないない!と全力で否定するもりもりさん(Dr.)に、おめでとう!の拍手と声が飛び交うフロアは、フェス常連のこのバンドにしか出せないアットホームな雰囲気です笑




こやまさん
「一年に一度ここに来れて嬉しいし、これだけ呼ばれるってことは、北海道の人!信用していいな?
ちょっと古い昔の曲やりまーす…!
「ネコ飼いたい」!」




 フロアを信頼して預けられ、大歓声で迎えられた「ネコ飼いたい」で巻き起こる、タイトルフレーズの一大シンガロングは、ヤバT流の感動的な(!?)フェスのハイライト…!
 ラストの力を込めるような裏声の余韻は、尺の関係もありいつもより短めでしたが、それでもしっかり笑いと思いを込めて届けてくれました…!



 そのままたくさんのピースに溢れた「ちらばれ!サマーピーポー」で思い起こすのは、昨年のジョインで取り戻した、ライブハウスのサークルモッシュの景色。



 昨年は雨…でも今年は歌詞に登場する「そこそこ普通に暑い」快晴で、こやまさんの扇動により発生する超巨大サークルは、昨年の比ではない大きさに…!!




 後ろからも、混ざりたい!とばかりにたくさんの人が笑顔でサークルに駆け出していく様や、それを「楽しそう!」と見守る人の暖かさ。




 このサークルモッシュは、去年以上にライブハウスの光景そのものでした…!




 ピースフルなライブが続く中、私が最も痺れたのは何も言わずに始まり、何も言わずに淡々と演奏された「Tank-top in your heart」



 何度も前に出て暴れ狂うようなギターやベースを必死に弾き倒すこやまさんとありぼぼさん、それを確実に下支えするもりもりさんのビートだけが鳴り響いたこの時間。
 タンクトップの力だけでパンクロックを超えるロックバンドとしての矜持がただただ溢れ出す…「ロックバンドはかっこいい」という感情の源泉…!



こやまさん
「ラスト3曲!
 「かわE」ー!!」



 止まることを知らないロックバンドに当てられて、「やんけ!」の声もどんどん大きくなります…!




こやまさん
「毎年7月に!一年に一度!!
 帰って来られてほんまに嬉しい!
 ありがとう!!」




 やり切ったような満面の笑みが溢れるこやまさんに思わずグッときつつ、本人はまだまだ足りないご様子…!




こやまさん
「でも!
 今日のセキュリティさん…めちゃめちゃ暇そうです…めちゃめちゃやってください…!」




 ヘヴィかつ急速に駆け出す「ヤバみ」からラストスパートに更なる拍車をかけ、再び巻き起こる砂煙の嵐…!




こやまさん
「そんなもんか!?…そんなもんか!!??
…もっとこいよ!!!!」




 最後のサビ直前、次々と準備を整えるダイバーさんと煽り立てるこやまさん…!
 ダムが決壊したようなカオスなフロアに、再びぐちゃぐちゃなライブハウス前方エリアの光景を見ました…!




こやまさん
「毎日、色々お疲れさま!
 日頃のあれこれを最後!
「イエー!!」に全部ぶつけてくれぇぇぇ!」




 先ほどのちらピポ以上に、たくさんの想いがこもった2本の指先が目の前のロックバンドが放つ音楽に託された「NO MONEY DANCE」




 今日も40分びっちりやり切ったと思ったら…!?



こやまさん
「時間余ったんでもう一曲やりまーす!
  USB!」



 超ファストパンクチューン「Universal Serial Bus」の投下で、本当の本当に時間びっちり、最後までヘヴィさは一切衰えず、クソ早く駆け抜けたヤバT…!



こやまさん
「ライブハウスにも来てね〜、ばいば〜い。」




 最後は緩く優しく。
 でも、なぜヤバTが毎年ジョインに呼ばれるのか、初めて見た人にももう…分かりましたよね…!?

セットリスト
1.ハッピーウェディング前ソング
2.Tank-top of the world
3. メロコアバンドのアルバムの3曲目ぐらいによく収録されている感じの曲
4.Blooming the Tank-top
5.あつまれ!パーティーピーポー
6.ネコ飼いたい
7.ちらばれ!サマーピーポー
8.Tank-top in your heart
9.かわE
10.ヤバみ
11. NO MONEY DANCE
12.Universal Serial Bus



 今回は以上です。
 続きはまた後ほど。



 ここまで読んでいただいたそこのあなた、本当にありがとうございました。

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