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[ライブ感想文①】COUNTDOWN JAPAN22/23@幕張メッセ 2022.12.30(金)


 おはようございます、あけましておめでとうございます。シリアスファイターです。


 今回は、年末に千葉県、幕張メッセで行われたCOUNTDOWN JAPAN(以下、CDJ)のライブ感想文です。


 私は4日間開催された内の、後2日間に参加しました。


 今回は12月30日分、フル尺で見たライブの感想をまとめます。


 私自身、CDJに参加するのはこれで5回目、コロナ渦以降はこれが初めての参加となりました。


 屋内で1日3万人を集める(これでも例年の6割近くに入場者数を制限)大規模なフェスでありながら、確実に私の趣味に近い、大好きな音楽で今年を振り返りながら、そして目一杯浴びながら年を越せるこのフェスは本当に貴重で、参加できる年は本当に、お年玉のようにありがたいものです。


 久しぶりに遠征して満喫させていただいた2日間、まずはその1日目です。

①yama(11:00〜)


 GALAXY STAGEではお馴染みの、ロッキンオンの山崎さんによる前説で、「この歌声に心動かされてください!」と力強く紹介され登場したyamaさん。


 パンパンに埋まったフロアで、4年振りに参加できる興奮やら期待やらで心臓破裂しそうな中、沈黙を破った「色彩」の軽やかな第一声で、涙腺と緊張の糸がするすると解かれていきます。


 デビュー当時のyamaさんは、作品の世界観を忠実に届けるために、ライブもMCなしでストイックなイメージでしたが、昨年からはMCにも挑戦し始め、良い意味で開放されたというか、より人間味が伝わってくる印象がありました。


 この日初めて見た生のライブ。

 一曲目から表情はとても柔らかく、ゆらゆらと身体でリズムを取りながら歌い、「春を告げる」のような初期の曲でも、とてもリラックスして演奏を、歌唱を、楽しんでいる様子が印象的でした。


「朝からありがとうございます。
 こんなに声を聞けてびっくりしました!」


 一時的な大声だけは大丈夫とされていたCDJ。
 とてつもなく野太い声の持ち主の男性か、「yamaあああ!」と叫ばれると、yamaさんをはじめとして会場中から思わず笑いが溢れる場面も笑


「私は暗い人間だけど、今日みなさんの声を聞けて、大切なカケラみたいなものをもらいました。
 今日一日、音楽を通して、ふと思い出した時に自分を肯定してくれるような、大切なカケラを持って帰ってください。」


 yamaさんの口から聞けるものとしても、このステージのトップバッターとしても、これ以上ないMCからラストは「世界は美しいはずなんだ」。


 青の照明が、サビの進行に連れてゆっくりと輝きを増す中、どこまでも遠くに伸びていくyamaさんの歌声と演奏は、世界が美しいはずと信じている人たちによる、これ以上ない美しい光景でした。

セットリスト
1.色彩
2.あるいは映画のような
3.a.m.3:21
4.春を告げる
5.麻痺
6.くびったけ
7.世界は美しいはずなんだ


②石崎ひゅーい(13:00〜)


 フレデリックとKANA-BOONを少しつまみ食いした後、時間も短いので是非フルで目に焼きつけたかったひゅーいさんのステージへ。


 リハから大好きな「あなたはどこにいるの」で郷愁たっぷりのエモい雰囲気を存分に味わいつつ本番。


「石崎ひゅーいです。よろしくお願いします。」


 ゆったりとしたピアノから一曲目は「花瓶の花」。


 たくさん人を傷つけて、人に謝って、感謝して、繰り返す日々でようやく大切な存在に出会えたことを、訴えかけるような切実な声で歌い上げるひゅーいさんの姿に、この1年の辛いこと、嬉しかったことを瞬間でフラッシュバックさせられ、またも涙腺が…。


 胸いっぱいに広がるポップスの世界に浸っていると、今年デビュー10周年で1番印象的な出来事があったというひゅーいさん。


 なんでも次にやる曲紹介の発声が、千鳥のノブさんにそっくりとの情報がノブさん本人の耳に入り、その後お会いした時に、今度ライブで言いに来てくださいとお願いしたとのこと。


 …えっ…まさか…?とザワザワし始めた客席の期待を受け、スーツ姿のノブさんがまさかのサプライズ登場で、フロアも大盛り上がり笑


 ひゅーいさんが満面の笑みで見守る中、昨日ゴチをクビになり、これが仕事納めというノブさんによる勇ましいコールと共に雪崩れる「さよならエレジー」が更に盛り上がらない訳はありませんでした!


 その後は、「夜間飛行」「ファンタジックレディオ」は、音楽の宇宙をコンセプトにしたこのフェスにぴったりの選曲。


 たとえ1人でも、頭の中で、今この現実で、音楽でどこまでだっていけるかもってロマンチストにならざるを得ないエモーションを爆発させるような演奏に胸を熱くさせながら、来年もそのメロディで、歌で、ドキドキさせてくださいって…もう既にドキドキしてました。

セットリスト
リハ
あなたはどこにいるの
本番
1.花瓶の花
2.カカオ
3.さよならエレジー
4.夜間飛行
5.ファンタジックレディオ

③amazarashi(14:15〜)


 幕を張った映像演出を用いて、基本顔が見えないという特殊な状態で行うライブだからこそ、フェスで見れることが本当に貴重なamazarashi。


 もちろんこの時間だけ、GALAXY STAGEの正面には大きな幕が張られ、リハから今年のツアーで培った重厚なグルーヴを爆音で響かせ、会場には緊張感が漂います。


 CDJ共通の出囃子SEが鳴り止むと同時に、「感情道路七号線」からライブはスタート。

「COUNTDOWNJAPAN!2022!
 GALAXY STAGE!
 青森から来ました!
 amazarashiです!!」


 秋田さんによる宣誓から、「火種」「境界線」と、化け物級のグルーヴで会場を圧倒していきます。


 不特定多数の人が集まるフェスであれ、今の自分たちのモードで、やりたい曲を誠実に鳴らすamazarashiは、そのまま昨年4月リリースのアルバムから「アオモリオルタナティブ」を披露。


 秋田さんの地元の風景、それにまつわる想いを込めた曲を聴きながら、自分自身のそういったものにも自然と想いを馳せてしまいます…。


 このままロストボーイズモードでライブが進行すると思っていたら…続くはまさかの「命にふさわしい」。

心さえ 心さえ 心さえ なかったなら
光と陰…
命にふさわしい


 今年のツアーでも披露されていなかったため、私にとっては完全な不意打ち。


 人形が心なく破壊されていくようなイメージの映像とともに、逆光に包まれるステージで絶唱する秋田さん。


 猛烈に生きている実感を感じる光景と音に、込み上げるものを止めることができませんでした。


「この形態でライブをやっている僕らを呼んでくれる貴重なフェス。
 この調子でやっていれば、10年後くらいにはトリができるんじゃないかと思ってます。」


 と密かな野望も覗かせた秋田さんですが、実際GALAXY STAGEは入場規制で満員御礼だったらしいので、充分現実味を帯びてると感じられたところからの「空に歌えば」。


 フェスでしか見られない、サビで手を挙がる光景も目の当たりにしながら、今日初めてamazarashiのライブを見た人にも、しっかりと届いて、また広がっていくんだろうなと思いながら、自分もこのフェスでamazarashiがトリをやるまで、足掻いて生きていきたいと決意する思いも重なってまた涙が…。


 持ち時間的にここで終わりでもおかしくないという体感でしたが、続けざまに鳴り響く重苦しく一体となったバンドサウンド。


 ラストは「独白」

 奪われた言葉が やむにやまれぬ言葉が
 私自身が手を下し息絶えた言葉が
 この先の行く末を決定づけるとするなら
 その言葉を 再び私たちの手の中に

 言葉を取り戻せ
独白

 前半のロストボーイズモードを踏まえ、私の地元での苦しくて、言葉になりきれなかった辛いことも充分に想起させられた上で鳴らされるこの曲に込められた力はとてつもなく重く、深く響きました。


 最後はもう視界が霞んでほぼ何も見えてませんでしたが、言葉から逃げずに、また生きていくために本当に必要なロックバンドがここにいると確信すると同時に、あまり普段そういうことを考えることはないのですが、間違いなくこの日のベストアクトでした。

セットリスト
リハ
夏を待っていました
本番
1.感情道路七号線
2.火種
3.境界線
4.アオモリオルタナティブ
5.命にふさわしい
6.空に歌えば
7.独白

④9mm Parabellum Bullet(15:20〜)


 amazarashiで身体中の水分を失ってしまい、ほぼ放心状態となった私。


 中々切り替えられませんでしたが、このままだとこれでフェスが終わってしまいそうな勢いだったため、地を這いながら再びGALAXY STAGEへ。


 いつもの爆音SEではなく、ゆらゆらと揺れ動くような音が流れる中登場したメンバーがまず鳴らしたのは、昨年出たアルバムの一曲目「Hourglass」


 美しい歌謡曲のメロを活かしたまま、ロックやメタルのエッセンスをふんだんに盛り込むのは、間違いなく9mmの発明したロックバンドの形で、かつ唯一無二であることを一曲の間で提示してみせます。


 激しくもどこか懐かしさする覚える演奏に息を呑みます…


 9mmのライブを見るのも久々でしたが、何より嬉しかったのは久しぶりにステージ上で暴れ狂うギターの滝さんを見れたこと…!


 音が無い状態でステージだけ見たら、あの人何やってんだ!?と思わざるを得ないにも関わらず、超絶技巧の演奏は一切ブレないという徹底ぶりで、ロックバンドってめちゃくちゃやってようがデタラメだろうが、めちゃくちゃカッコいいんだ…!と心の中の少年が蘇るステージ!

「今日だけここは夏だ!ロッキンジャパンだ!」


 まだ一緒に歌えないけど、「All We Need Is Summer Day」のグルーヴは文字通り灼熱地獄でステージ全体を支配します!あちいあちい!!


 個人的ハイライトは「The Revolutionary」。


 ハイテンションで輝き狂い続けるこの3分30秒で、本当に世界が塗り変わって覚醒する感覚を確かに覚えました…!


 何もかもいい意味でぶち壊してくれるラストの「Punishment」まで、劇的にかっこいいロックバンドの姿に、再び元気を貰いまくってしまいました。

セットリスト
1.Hourglass
2.One More Time
3.Black Market Blues
4.名もなきヒーロー
5.All We Need Is Summer Day
6.The Revolutionary
7.新しい光
8.Punishment


⑤マキシマム ザ ホルモン(17:40〜)


 大好きなんです。

 本当に大好きなバンドで、見る機会にも何かと恵まれていたはずなのに、色々が重なって見る機会を失い続け、気付けばまともにライブを見るのは9年ぶり…、と知った瞬間、急に緊張してきたホルモンのライブ数十分前。


 それでもお馴染みのSEが鳴り、4人がいつものように臨戦体制で現れると血が滾りに滾りまくり、亮君がギターをかき鳴らしながら、「鬱くしきOP~月の爆撃機~」を歌い、そのまま「鬱くしき人々のうた」が始まった途端、ホルモンのライブで初めて、涙が止まらなくなってしまいました。

膝蹴り KICK START MY傷
唾 みなぎらせ あんた色
鬱くしき人々のうた


 ホルモンの中でもここまでストレートに傷を抉りながら、前に進む力をくれるこの曲を、9年ぶりのライブ1発目で初めて聞くことができただけで、既に胸いっぱいお腹いっぱいでしたが、この後「F」以降は、ホルモンを聞き始めた中学生の時から変わらない、ドス黒くも純粋な底無しのパワーを振り絞ってこれでもかと飛び跳ねました。


 40分という短い時間で、ナヲさんとダイスケはんさんによるキレキレMCもたっぷりで、


 ナヲさん「わたすがAdoです。」
 ダイスケはんさん「うっせえ、うっせえ、うっせぇわ!!」

 ダイスケはんさん「アジカンの皆さんすいません。少し時間押します。皆さんの演奏時間リライトさせていただきます。」


 フェスお馴染み?の出演者いじりMCもバッチリ決めます(結果的に持ち時間ピッタリで納めるのも流石笑)笑。


 最後の「恋のスペルマ」では、まだサークルモッシュができない中、その場で1人で回ってみろー!と、会場中にコマのようにクルクルと回る人が続出するという、最高に楽しい瞬間もあり、少しずつ取り戻し始めているライブの空気を、お客さんも、何よりもステージ上の4人が、グッと噛み締めながらライブを楽しんでいるのが印象的でした。


 チケットは相変わらず取れないんですが泣、3月の札幌ワンマン…何とかして行きたいなあ!と強く祈ってます。

セットリスト
1. 鬱くしきOP~月の爆撃機~
2. 鬱くしき人々のうた
3. 「F」
4. maximum the hormone Ⅱ~これからの麺カタコッテリの話をしよう~
5. 中2 ザ ビーム
6. ロック番狂わせ
7. 糞ブレイキン脳ブレイキン・リリィー
8. メス豚のケツにビンタ(キックも)
9. 恋のスペルマ

⑥ASIAN KUNG-FU GENERATION(18:45〜)


 先ほどのホルモンと対照的に、もう数え切れないほどライブを見ているアジカンですが、今年のアジカン納めとあれば見ないわけにはいきません。


 いつもどおりSEなしで静かに登場したメンバーは、一音一音がゆっくりと重なるアルペジオの旋律からそのまま、一曲目の「Re:Re」へと繋げていきます。


 この日のアジカンは、初心者にも優しいフェス仕様の選曲+今の自分たちのモードを存分に表現する選曲で、Adoさん目当てでこの場にいるお客さんの心もバッチリと掴んでいたんじゃないでしょうか!?


 2曲目の「リライト」間奏部で、後藤さんは、


「マスクしたまま、25%くらいの声は出していいみたいだから…、それ以上やると炎上しちゃうから笑」


 とユーモア?を交えながら、お客さんとの距離をグッと縮め、微かに聞こえるCメロを口ずさむたくさんの声に、「いい感じ。」と親指を立てます笑


 「リライト」「ソラニン」も、まだまだフェスのメインステージで堂々とアンセムとして鳴り響く力を見せつつ、そんな肉体的な部分と、重厚な演奏をがっちりと聞かせる今のアジカンのモードが重なり合った先にある「出町柳パラレルユニバース」が、このステージで堂々と演奏されている様は、本当に頼もしすぎて、強く勇気づけられました…!


「最後まで自由に、自分らしく、誰のマネもしなくていいから、自分らしく楽しんでください。」


 後藤さんがハンドマイクで、ステージの端から端まで軽やかに歩きながら歌う「Be Alright」を聞きながら、アジカンのロックが鳴り響いてる今この時だけは、人生大丈夫な気がして、たまりませんでした。

セットリスト
1. Re:Re:
2. リライト
3. ソラニン
4. You To You
5. 出町柳パラレルユニバース
6. 君という花
7. Be Alright

⑦Ado(19:50〜)


 悩みに悩んだ大トリですが…、もうこれを逃したら生の歌声を聞く機会は訪れないかもしれないと思い、そのままEARTH STAGEに。


 ステージにはamazarashiの時のような妙幕が張られた状態でサウンドチェック等の準備が進められ、これから何が始まるのかとドキドキしながら、間違いなく今日一の人口密集度になっているであろうフロアでその時を待ちます。


 そしていよいよ暗転、聞こえてきたキレッキレのギターフレーズからの一曲目は「逆光」


 とてつもない歓声が上がり、ジャンプの嵐で文字通り幕張が揺れました。


 そして歌い出しから、原曲以上に怒りを込めてがなりまくるAdoさんの堂々たる歌声に、思わず全身から鳥肌が立ちました。


 Adoさん本人の姿は、ステージ上の妙幕に囲まれた更衣室の用な箱の中で、私たちからは影だけ見えている状態(実際私からは、人が多すぎてそれすらほぼ見えてなかった)なのですが、曲に完全に憑依したその歌声を聞くだけで、どんな表情で、姿で歌っているかが私にはハッキリと見えました。


 続く「うっせぇわ」でも、がなりと裏声を行ったりきたりと変幻自在の表現を見せつけ、こんなに気合入れて喉の消耗とか大丈夫なのかな…?と考えていた私は相当愚か者で、そのまま「私は最強」を、高らかにどこまでも伸びる声で歌い上げるその様は、文字通り最強のシンガーでしかありませんでした。


 このライブを通して、曲の魅力を最大限に発揮する歌を、本人が全力で突き詰めて全力で表現していることが、如実に伝わってくることが私にとってのAdoさんの魅力だと感じました。


 曲を自分で書いているシンガーでなくとも、曲に込められた意図を自分の持てる力量と魂を込めて歌うことで、自然と人の心を動かしてしまうって、書いたら当たり前?のようだけど、とっっっても難しいことを、Adoさんはとてつもない次元でやっているし、この日生の歌声に触れた人は、そのことを否が応でも認識させられたのではないでしょうか。


「この国の音楽をもっと盛り上げていきたい。」


 最後の曲前のMC。一つひとつ言葉を選びながら、大きな目標も語ってくれたAdoさん。


 Adoさんの目指す新時代は、決して夢物語では無い気がしました。と同時に、二度と無いかもとか言ったけど、これはまたライブ見たいです…。


 とりあえず、ライブBD…とは言わずとも、ライブアルバムとか出したら今よりファン100億人増えると思いますけど、いかがですか?

セットリスト
1. 逆光
2. うっせぇわ
3. 私は最強
4. リベリオン
5. ウタカタララバイ
6. Tot Musica
7. 世界のつづき
8. 行方知れず
9. 千本桜
10. 踊
11. 新時代



 今回は以上です。


 相変わらず長くてすいません…。


 この調子で翌日の感想もまとめますので、気が向いたらお付き合いください!!


 最後まで読んでいただいたそこのあなた、本当にありがとうございました。

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