NAGGSについて

今回は福岡で活動しているNAGGSというバンドについて書きます。彼らが初のCDを出したので、それにかこつけて何か書こうというわけです。

これがNAGGSが今年出したファースト・アルバム。

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NAGGSは2016年に結成ということなんだけど、リーダーの佐藤くんを認識したのはtv.orphansのベーシストとしてであった。tv.orphansに関してはまた別の機会に書きたいけど、今の福岡を象徴するバンドだと勝手に思っている。地元の人に言わせればまた別の意見があるとは思うけど、僕にとってはそうである。

佐藤くんが、そのtv.orphansと並行して始めたのがNAGGSで、いまはtv.orphansを脱退してこちらに一本化している。tv.orphansがハードめのロックンロール・パンクであるのに対し、NAGGSはポップさのあるバンドである。どういう経緯なのかよくよく話を聞いてみると、実は佐藤くんは元Plastic Macだったんだよね。

Plastic Macとは90年代に福岡にて活動していたバンドで、同時代を感じさせるガレージ・パンクも内包するようなパワーポップを指向していた。僕はCDRを入手してその存在を知っていたのだが、ほんとに盤だけのCDRだったのでメンバー構成などは知らなかったわけだ。そのベースが佐藤くんだったとは!

でも、NAGGSのドラムのドイマンは元Plastic Macってのは知ってて。だから、NAGGS初期ギター、サトシも含めてPlastic Macの進化形と言えるバンドだったんだ。まえにブログでそんな感想を書いたが、それはサウンドを継承しているということ以前に、同じ人がやってたということだった笑。

前後関係忘れてしまったが、NAGGSからたびたびデモCDRが届くようになった。自分のインスタとかでもアップした記憶があるが、僕がこれらの曲を聴いて思い浮かべたのは90年代シアトルのポップ寄りのバンドであった。たとえばFlopとかBest Kissers In The WorldとかFastbacksを頂点とするような音。モダンな仕上げなんだけど、パワーポップやパンクのルーツにも思いを馳せているような。本人たちはどうか?と訊いたらバズコックスなどを意識しつつも90sの流れも当然好きだということだった。まあ、Plastic Macだったんだから、当たり前か。

2018年の1月に僕の写真展+Rulerのライブということで福岡に行く機会があり、そこで初めてNAGGSを観た。キース・フラックね。これがその時の写真。

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そのときのブログがこちら(時間ある方はどうぞ)

このときは佐藤くんがPlastic Macだったの知らなかったけど、その系譜にあるというようなことを書いている。

時は流れて、今年に入って彼らは突如ファースト・フル・アルバムを出した。自主製作で。コンセプトがあるというよりは今までの曲を集大成したものだと言えるだろう。

まず、曲が16曲も入ってて、いままでのものをすべて詰め込みました、という雰囲気があるのだが、まあレーベルやってる僕なんかからすると、「曲多すぎだよ」って思っちゃうんだよね。10曲くらいに絞った方がインパクトあるよ、とか。つい商売目線で見てしまうところがある。いっぱい入っていればお得な時代はパンク・オ・ラマとかFAT WRECKコンピの時代で終わり、現代人は時間がないので、アルバム通して聴くのは大変なんじゃないか?という考えを持っていたわけです。(余談ですが曲入れすぎCDの代表はCryptのPagans。なかなか最後まで行けない)

しかしながら、このコロナ禍にあり、自宅仕事になった僕にとってはいろんなCDをがっつりと聴く時間ができ、このアルバムも何度も通して聴くことになったわけです。結果、長くも感じないしこれはいいアルバムだな、と思うようになった。上に書いたような90sシアトルの匂いもあるんだけど、もっと広くポップパンク系の人にも聴いてもらえれたら嬉しいかなと思って、こんな文を書いている。もし、7インチだったらどうなのかな?とか考えたりして。

どこにも試聴がないので、メンバーの許可をとってyoutubeに上げたので、聴いてみて。これは一面であって、もっといろんな曲がある。

これ聴いて気になった人は一応こちらで売ってます。自主制作ゆえのややチープなジャケの作りも含めて500円だぞ!


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