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#38 カタリン・カリコ博士:心に響く言葉

1.mRNAワクチン開発者 「日本国際賞」受賞

新型コロナウイルス向けメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン開発に偉大な貢献をした独ビオンテック社のカタリン・カリコ上級副社長(Katalin Kariko, PhD)が、米ペンシルべニア大学のドリュー・ワイスマン教授と共に、国際科学技術財団の「日本国際賞」を受賞することになりました。

授賞式は、天皇皇后両陛下も臨席され、2020年・2021年、延期になった2年分と併せて、4月13日(水)に開催されます。

今週、私は3回目のワクチン接種を終えました。ワクチン接種が進み、一日も早いコロナの収束を願う一方、新型ワクチンの開発・実用化がこれまでにない速さで実現したことに驚きます。そして、「がんのワクチンや心臓病、肝臓病の治療薬等」、mRNAの将来の可能性にも期待が膨らみます。

2.心に響くカタリン・カリコ氏のメッセージ

昨年来、カタリン・カリコ氏は、様々なところで、開発に関わる苦労やエピソードを語っています。波乱万丈とも言えるキャリアの変遷を語るカリコ氏の姿には、誠実で謙虚ながら強い意志を持った人間像が浮かび上がります。

インタビューのいくつかを動画で視聴しましたが、カタリン・カリコ氏の思いを最も端的に伝えていると感じたのが、昨年12月にロレアル財団が企画したインタビューでした。
9分弱のインタビューを、カリコ氏は次の言葉で締めくくっています。
 記憶に刻んでおきたいメッセージとして書き留めました。
   "Life is not fair,but you have to make the best of it."
人生は公平ではないが、それを最大限に活用する必要がある。
(日本語訳がこなれていませんが、英語の方がニュアンスが伝わります)
https://www.youtube.com/watch?v=l3-LXD3Icz0

カタリン・カリコ氏の言葉(2121年12月 ロレアル財団のインタビューから)

3.「その幸運は偶然ではないんです!」

計画された偶発性理論」(Planned Happensutance Theory)は、米国のクランボルツ博士によって提唱されたキャリア論ですが、「キャリアの8割は偶然によって決まるが、良い偶然をもたらす5つの要素がある」とするものです。
①好奇心(Curiosity)
②持続性(Persistence)
③柔軟性(Flexibility)
④楽観性(Optimism)
⑤冒険心(Risk-taking)
 偶然を必然に変える5つの要素と言い換えても良いと思います。

クランボルツ博士の著書(共著)「その幸運は偶然ではないんです!」(花田光世他訳:原題”Luck is No accident”)にも、人生に幸運を作りだすヒントがちりばめられています。今回、久しぶりに同書を読み直してみました。

「その幸運は偶然ではないんです!」主な内容

これまで、キャリアコンサルタントとして、色々な方にお会いしてきましたが、5つの要素が行動習慣となっている人は、キャリアの転機をしっかりと乗り越えてきていると感じます。カタリン・カリコ氏は、正にそれを体現した方だと思います。

真に称えられるべきは、新型コロナウイルスと最前線で向き合っている医療従事者や、エッセンシャルワーカーと呼ばれる人たちである。私は、好きな研究や実験に没頭して来ただけ…。
発言の随所に見られる謙虚な感謝の心も、偶然を必然に変えた力であったと考えます。感染者数の増減に一喜一憂するのではなく、見えない所で尽力する人たちの存在に思いを致すーこういった姿勢を見習いたいと思います。

コロナは、完全な『終息』は難しいと感じますが、今改めてその研究に光が当てられたmRNAワクチンの研究には、雪解けと共に到来する春の息吹を感じます。
mRNAの柔軟性と可能性に、ポスト(ウイズ)コロナを生きる希望を託しながら、今は、「感染しない・させない」との思いで、昨日もコンサルタント仲間で、Zoomでつながりました。
コロナ禍でこの2年間一度も対面では集まっていませんが、月1回、Zoomで顔を合わます。弱いつながり”Weak Ties”の強さと有難さを思います。


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