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春が訪れそうな気配 そんな時に 浮かんでくる 本 レコード 映画 part1

春と冬の間を彷徨って 時間が止まっているような感覚に
そんな感じの季節に 必ず自分の中に浮かんでくるイメージに近い
そんな作品があるから 紹介してみます。

まず本から
トマス ピンチョンスローラナー って短編集に入っている
エントロピーと言う作品

タイトルどうりに
エントロピーについて ピンチョンらしい感覚でストーリーが語られる

それは…

春 まだ 寒いほとんど冬って呼んでいい季節
でも春の予感がする そんな午後 
外には雨が降っていて アパートの部屋の中で二つの物語が進行する

ひとつは大学生のパーティー っていうか 今なら友達が集まって飲み会してる話と、上の階 部屋の中で過ごす男女の話

飲み会は何日か続いていて もう酒でへべれけな奴もいれば
マリファナやってはまった 専門用語ではストーンして
スピーカーに落としたタバコの灰を取り囲んでみている連中もいる

もうひとつの部屋は ジャングルみたいな温室なっていて
その中で 体温が下がって死にそうな小鳥を 自分の胸に抱いてあたためて助けようとしてる、男と女がいて セックスしたり あれこれ試しているんだけど、
でも やっぱり温もりは、熱はもう伝わらないっね て… 

そんなストーリー

エントロピーが増大して ヒートデスへ向かいつつある中での
人間達が描かれている短編

これ好きなんだな

何がテーマで、何のメッセージを伝えようとしたのかなんて言う説明や解説は、俺にはどうでもいい
読んだ人それぞれが感じたものが全てだから

それより この話が持っている 情景 独特の雰囲気が
全てを物語っている と思う


エントロピー
 Entropy  無秩序な状態の度合い(=乱雑さ)

不可逆性や不規則性を含む、特殊な状態を表すときに用いられる概念
簡単にいうと、「混沌」を意味する (熱力学の法則の ‘すべての熱をともなう物体は、高い方から低い方へと流れる) から発生した概念

ざっくり言うと
物事は放っておくと乱雑・無秩序・複雑な方向に向かい、自発的に元に戻ることはない  っていう自然界の概念 (…だと思う 多分 )

そして、エントロピーは外界と熱のやりとりがない環境で増大するらしい
無秩序なほど高い値、秩序が保たれているほど低い値になる


           このストーリーは、まさにエントロピーの話だと思う

この スローラナーって短編集
トマス ピンチョンの作品としては、読みやすいほうなので
ぜひ読んでみてくださいね

                  春が訪れそうな気配  Part-2へ続く

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