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インスピレーション 熱は消えていくZeitgeist

小学生の頃 友達と一緒に 夏休み箱根のコアキ園によく行った 
このホテル ボーリング場があったり
おもちゃ売り場が充実したりまるで子供天国

ある時(200年ぐらい前の話) おもちゃ売り場でプラモデル妖怪レーサーを発見!
(注意 チキチキマシーン猛レースと勘違いしないように)
ぬらりひょんがドライブする(電池無しゼンマイ仕掛けで走る)マシーンを買って 2人は部屋に戻りさっそく組み立て作業に…
俺はこいつがすごく気に入ったので 慎重に作ったのよ
友達のはかなり大雑把な仕上がりで 内心勝ったと思った

で完成して廊下で試運転 結果

丁寧に丁寧に作った 俺の妖怪レーサーは壁に激突してバラバラに
接着がはみ出した 友達の妖怪レーサーは軽い傷を負っただけで
アクシデントを跳ね返した

音楽作ってる時も同じ事が起こる
何気なくやった事が  考えて 慎重にやった結果を超えている
テイク ワンのもってる何か を上回るテイクは結局なかったり

オリジナルのマネーのイントロ レジスターのリズムは 
パーソンズがテープを継ぎ接ぎして 出来たループだから リズム
の仕上がりが完璧じゃない

一方で、ギルモアフロイドのバージョン
最近のロジャーのライブ?も
修正してきちんと合わせてある (そもそも合わせる必要ない気がするけど)

サンタナのキャラバンサライは アナログテープのマルチ
レコーディングで オーバーダビングのパンチイン アウトの
フェードがバッチリ残っている それが面白い

今のプラグインを駆使してサウンドを最適化したり
リズムをキッチリそろえた上で グルーブ感を出す為に
バックビートをグリッドから少し後ろにずらしたり、ピッチを補正したり
して マスターリングで完璧に仕上げたアルバムとは違って
ある意味ラフな仕上がりになっている

Xファクターが舞い降りていると感じられるのは
今から見れば 時代遅れのテクノロジーの頃 完成度より インスピレーションを優先させていたから?

感情突き動かすだけのクオリティのあるアルバムには
エンジニアの努力が録音されている
ミュージシャンの感情や気合いがそのまま記録されているから
そんな時代のアルバムの方がXファクター的なものを感じる
別にアナログ崇拝者ではないし 確かに今の方が音は良いと思う
音色の質感も含めて見事に構築されてるし

ただ一つ 人間達の努力でカバーしてた頃のレコーディングには
参加した人の熱や 勢い その時間が記録されている
それがXファクターを感じさせてくれるのかも知れない

綺麗にブラッシュアップすればそれが消えてしまう
音楽を演奏するモチベーション インスピレーションも 
その時に存在していた空気と共に…

レコーディングは音楽製品を作る為のプロセスじゃなく
アルバム作りに関わった人間達の記録でもあるべきだと思う
面白いのは音だけじゃなく その時の感情や勢いや熱狂 音楽家のスピリッツが
レコーディングメディア テープとかワイヤーとかHDDに記録されていて
それがリスナーに伝わってくること マジックのように

そして それは 現在のアルバムでは 時にピッチ補正やタイミング調整によって まるで製品の品質管理ように あたかも間違いのよう扱われて 
ちょとしたズレやノイズをも許せない ピリピリとしたパッケージ
間違い探しが大好きなマスカルチャーのトレンド 社会の意識 
によって消え去ろうとしている 

古いほぼライブ録音された チェスレーベルのレコーディング
(今、図書館でマデイのアルバムを借りて聞いているんです)
ダイヤル サボイのパーカーや
ブルーノート マイルス コルトレーンや モータウン スタックスなど
を聴くと 音楽は生きている アートフォームだと感じられる

音楽家は 製品化のプロセスで失われるものにもっと注意をするべきだと思う


まぁ ツァイトガイストと言ってしまえばそれかもしれないけど

時代精神(Zeitgeist、ツァイトガイスト)
とは、ある時代の哲学や文学、芸術における支配的な精神傾向のこと
歴史学においては、(多くの場合、後世の価値観では非合理的・虚構的な)ある時代の特徴や普遍的と思われていた価値観、もしくはそれらを作り出したていた暗黙の力を指す用途でも使われる 時の亡霊

(誤解されたくないからアンチテクノロジーじゃない ナインインチネイル Tool
古いけどクラフトワークあたりは大好きだから マシーンを使う事は全然オーケーと言っておきたい だから    
古いのが良いって言ってる訳じゃないよ NINは本当に凄い音楽をやってる!


ここ何年もデカいホールでのコンサートにはいっていない気がする
リップシンクのショウにガッカリしたくないから
残念ながら純粋なライブをやる大物はほぼゼロになった気がする

ライブがもたらすものを、最後まで大切に守り続けたのは
フランクザッパしかいないのかも知れない
あ 違ったキングクリムゾンも完全なるライブ演奏しているね
( だから 全員じゃないね まだ希望はあるのかも )

ショウに合わせて皆んなで手を振って盛り上がる予定調和的
お楽しみ音楽イベントには何も感じないし 興味もないウンザリするだけ 
もちろん、それが好きな人は楽しんで…

そんな訳で 最近はジャズのライブしか聴きに行かなくなった
その理由は簡単 音楽を聴きたいから

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