ジャージの神はジッパーに宿るか?
前回は「神は細部に宿る」というドイツの有名な名言から、「言葉の端々」へと筆が進みました。
今回は、ジャージへと筆を進めていきます。
ジャージの神はジッパーに宿るか?
「神は細部に宿る」というのは、応用が効き易い名言なので、ありとあらゆる分野で見られます。
元々は、ドイツの美術や建築の話だったものが、サッカー日本代表にも応用できたように。
(詳細は上掲の前回拙稿を御高覧ください。)
これはジャージにも言える話なのです。
ウインドブレーカーにおいてもそうです。
スポーツメーカーはジッパースライダーの引手にメーカーのロゴを入れることが多いです。
よく見ないとわからない、細部ですね。
実例を見ていく
以下に実例を見ていきます。
どちらも筆者私物です。
実例としてpumaとATHLETAを挙げてみました。
pumaのような大手メーカーに限った話でなく、ATHLETAのような中堅メーカーにも見られると、示しておきたかったからです。
上記の写真にあるように、どちらもYKKです。
ジッパーの引手のみはpumaやATHLETAの工場でつくっている、ということを意味しません。
メーカーがYKKに発注したものと理解するのが、通常の思考であろうと思います。
何を意味するか
では、本題に入ります。
こういったメーカーのロゴが入ったジッパーは、何を意味するか。
メーカーの自信作であるということです。
ジッパーを一定程度のロットで発注したとして、採算が取れそうだとメーカーが思えたぐらいにはジャージが自信作であるということです。
普通のジッパーの場合には自信作ではないのか、ということを意味してはいません。
普通のジッパーの場合でも自信作はあり得ます。
しかしながら、メーカーのロゴ入りのジッパーを予め発注出来るほどではなかったのでは、という予測が成り立ちます。
メーカーのロゴ入りのジッパーがあった場合に、メーカーの自信作である、と私が判断するのは、そういう理屈なのです。
予測できない場合は別
少しだけ、普通のジッパーを擁護しておきます。
予測できない場合は別です。
予測できない場合は予めの発注が出来ないので、普通のジッパーになることがあります。
典型的事例がアンセムジャケットです。
アンセムジャケットは試合決定まで発注しにくいものですし、また、売れ行きも不透明です。
厳冬期の防寒着が該当することもあるでしょう。
天候の変化や在庫の状況によって、かなり大きく左右されますからね。
あくまでも「メーカーが売れそうだと見込んだ」自信作であるということです。
ゆえに、厳冬期以外のもの(暖冬でも着るもの)に、メーカーのロゴ入りのジッパーがある傾向があるということなんです。
ジャージの神はジッパーに宿る
とは言え、「神は細部に宿る」なんです。
ジャージにおいてもそう主張したいと思います。
また、ジャージの細部とはメーカーのロゴ入りのジッパーである、と主張したいとも思います。
少なくとも、メーカーのロゴ入りのジッパーを、「発注出来るぐらいには」自信作なのですから。
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