ゼロから始めるフリジア語(2日目)

創世記1:1 の続き!

フリジア語:Yn it begjin hat God de himel en de ierde skepen.
英語:In the beginning ….

ここまでは前回までに確認済み。
定冠詞は中性名詞単数にはitをつけるとのことだった。

せっかくなので冠詞に関係するところから攻めちゃおう!
もう一度対訳を見る。

フリジア語:Yn it begjin hat God de himel en de ierde skepen.
英語:In the beginning God created the heaven and the earth.

英語でtheがついているところに注目すると、どうやらフリジア語のde himel en de ierde=the heaven and the earthとなりそうだ。

つまりdeも冠詞っぽい。
フリジア語では、単数名詞に用いる定冠詞は、先ほど出たように中性名詞はit、そしてcommon(通性)はdeとなる。

de himel en de ierde
the heaven and the earth

するとenはandに対応することがわかる。
するとhimelはheavenに、ierdeはearthに対応していることがわかる。begjin(はじまり)は中性名詞なのでitを伴ったが、himel(天)とierde(大地)は中性ではなくcommonとなっている。
現代の我々からすると、天も大地も中性名詞に分類されてもよさそうだが、これらは中性ではないということになる。
そう言えば古英語はどうだっけ^^;

古英語辞書を引くと、heofon(PDE heaven)は男性名詞とわかる。語源欄にも目を通しておこう。

Etymology
[O. Sax. heƀan and himil: Icel. hifinn and himinn: Goth. himins: O. Frs. himul, himel: O. H. Ger. himil cælum, lacunar: Ger.himmel.]

https://bosworthtoller.com/18712

続いて、大地。

古英語では、eorþe(PDE earth)という女性名詞。
フリジア語の文法性は、
男性、女性→通性(common)
中性→中性
と簡略化されており、現代のフリジア語だけ見ると天も大地も同じ文法性(common)になってしまっていることがわかる。
現代英語では文法性は失われた英語だが、古英語は男性女性中性という文法性が保持されていたのでそれを見ると、元は天は男性名詞、大地は女性名詞というように違う文法性だったことがわかる。

ということで今日は、このあたりで。
フリジア語:Yn it begjin hat God de himel en de ierde skepen.
英語:In the beginning …  the heaven and the earth.

一文の構造が大分わかってきたぞ(^ω^)

今日のまとめ
・フリジア語の通性(common)名詞につける定冠詞はde。
・天と大地は元々は男性名詞と女性名詞だったことが推測されるが、現在は通性(common)に合一したので同じ文法性というくくりになっている。

ではまた次回!^_^

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