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北陸電力と東京電力の発表

地震で被災した皆様にお見舞い申し上げます。また、災害対応に尽力される皆様に敬意を表します。

既報したように、原子力規制庁は、志賀原発と柏崎刈羽原発について、他の原発と共に「電源は確保できている」とした上で、様々な問題を報告。(2023年1月2日20:52不正確な箇所につき<加筆>・削除をさせていただきます。申し訳ありませんそれは事業者の発表よりも細かった。事業者自身の発表についても記録をしておきたい。


<ホームページでは>定期検査で停止中<と>

北陸電力は<ホームページでは>「志賀原子力発電所については、1、2号機とも定期検査により停止中」とだけ発表した。実際には福島第一原発事故を経てできた新規制基準の審査について、1号機は未申請、2号機は申請中なので、「定期検査により」というだけの発表の仕方は、大丈夫だろうかと情報収集をする立場から見ると違和感がある。<しかし!>

北陸電力ホームページ 2024年1月2日現在

<北陸電力はXでポストしていた

Xを確認すると、1月1日(すでにリンク切れ)と1月2日11:15のリンクが貼ってあり(気づかず申し訳ありません)、後者は詳しい情報があった。

概略は以下の通り。

1号機では
・起動変圧器の絶縁油が約3,600リットル(推定)漏れていた。絶縁油は堰内に収まっている。
・起動変圧器の放圧板が動作、噴霧消火設備を手動起動。放圧板が動した原因等は調査中。火災発生は確認されていない。
・使用済燃料貯蔵プール水が約95リットル飛散。放射能量は約17,000Bq。
・タービン補機冷却水系サージタンクの水位が低下。

2号機では
・変圧器の絶縁油が約3,500リットル(推定)漏れていた。絶縁油は堰内に収まっている。
・噴霧消火設備が起動。放圧板が動作した原因等は調査中。火災の発生は確認されていない。
・使用済燃料貯蔵プール水が約326リットル飛散。放射能量は約4,600Bq。
・低圧タービンで「伸び差大」警報が発生。今後、タービン内部の異常の有無などを確認する予定。

令和6年能登半島地震による志賀原子力発電所の影響について
2024年1月2日 北陸電力株式会社

上記の関連図もリリースに添付してある。>

「異常なし」の2時間後に「プール溢水」発表

東京電力は「異常は現在確認されておりません」(1月1日18時45分時点)と発表。続報で「使用済燃料プールの水が地震の揺れにより溢れ出ていることを確認しましたが、使用済燃料プールの冷却は継続しております」(1月1日20時45分時点)」と発表。既視感のある発表の仕方だ(例1例2)。

東京電力 2024年1月2日現在

志賀原発と柏崎刈羽原発の審査状況

この間、産業界も経産省も再稼働に前のめりだったが、その姿勢がどう変わるのかを今後、注視したい。

以下は関係情報メモ。

緊急情報 (第5報)石川県能登地方で発生した地震の影響

志賀発電所(志賀町震度7)
柏崎刈羽発電所(柏崎市震度5強)
敦賀発電所(敦賀市震度4)
大飯発電所(大飯町震度4)
高浜発電所(高浜町震度4)
もんじゅ・ふげん(敦賀市震度4)
美浜発電所(美浜町震度3)

原子力規制委員会 [2024/01/01 20:12更新] より 
経産省原子力発電所の現状 志賀原発1号機(30歳)は未申請、2号機(17歳)は申請中

【タイトル写真】

令和6年能登半島地震による志賀原子力発電所の影響について
2024年1月2日 北陸電力株式会社 より


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