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(1分読み)ユニバーサルデザイン(UD)の教科書126 サイバネティックアバター共生社会:2030年と2050年の未来像

サイバネティックアバター共生社会:2030年と2050年の未来像

はじめに

内閣府は、2050年までの実現を目指した革新的な研究開発を推進するため、ムーンショット型研究開発制度を実施しています。サイバネティックアバター共生社会は、この制度の重点課題の一つであり、現在、活発な研究開発が進められています。

本コラムでは、サイバネティックアバター共生社会について、その概要と、実現に向けた課題を取り上げています。


サイバネティックアバターとは
身代わりとしてのロボットや、3D映像等を示すアバターに加えて、人の身体的能力、認知能力及び知覚能力を拡張するICT技術やロボット技術を含む概念。
Society 5.0(※)時代のサイバー・フィジカル空間で自由自在に活躍するものを目指しています。

(※)Society 5.0とは
サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)
狩猟社会(Society 1.0)
農耕社会(Society 2.0)
工業社会(Society 3.0)
情報社会(Society 4.0)に続く
新たな社会を指すもので、内閣府第5期科学技術基本計画(2016〜2020年度)において、我が国が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱されました。


サイバネティックアバター共生社会とは

サイバネティックアバター共生社会とは、遠隔操作ロボット「サイバネティックアバター」を活用することで、誰もが時間、空間、身体の制約から解放され、自由に活躍できる社会です。具体的には、以下のような社会像が想定されています。

高齢者や障がい者、病気療養中の人などが、アバターを通じて社会参加や経済活動を行うことができる

遠隔地や危険な場所での作業を、アバターを通じて安全に行うことができる

教育やエンターテイメントなど、さまざまな分野でアバターが活用される

2030年目標

2050年までの社会実現に向けて、2030年までに以下の目標を達成することを目指します。

❶アバター操作技術の高度化: 1人の操作者が複数の分身アバターを制御できる技術や、感覚フィードバックによるリアルな操作体験の提供など

❷アバター社会基盤の構築: アバター利用のための通信環境や法制度の整備、アバター同士の安全な相互作用を実現するための技術開発など

❸社会受容性の向上: アバターに対する社会の理解と受け入れを促進するための活動

2050年目標

2030年の目標達成を基盤として、2050年までに以下の社会像を実現します。

❶誰もがアバターを活用できる社会: 年齢、性別、身体能力、経済状況に関わらず、誰もがアバターを自由に利用できる環境

❷多様なアバターの活躍: さまざまな能力や役割を持つアバターが、社会のあらゆる分野で活躍する社会

❸人機一体の共生社会: 人間とアバターが共存し、互いに補完し合いながら発展していく社会

実現に向けた課題

サイバネティックアバター共生社会を実現するためには、以下のような課題を克服する必要があります。

①技術開発: アバターの操作性、機能性、リアルタイム性の向上、脳波インターフェースなどの先進技術の開発

②社会インフラの整備: アバター利用のための通信環境や法制度の整備、倫理的なガイドラインの策定

③社会受容性: アバターに対する社会の理解と受け入れを促進するための活動

まとめ

サイバネティックアバター共生社会は、時間、空間、身体の制約から解放された、誰もが自由に活躍できる社会です。

日本では、2030年までの目標達成に向けた取り組みを加速させ、2050年までの実現を目指し、誰もが多様な社会活動に参画できる、サイバネティックアバター基盤の構築を進めています。

A Japanese girl in a blue turtleneck and an avatar that looks exactly like her, looking at each other.

Think Universality.Think Difference.


m.m

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