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映画感想文:嵐の中で

記事前半はネタバレなし。ネタバレは中盤以降、見出しにて事前にお知らせします。

 ネトフリオリジナル作品。
 少し知った風な口をきくと、初期のネトフリオリジナル作品って「売れ筋を真似してお金かけて作った映画」という印象が強く、それ自体は言葉の意味通り、良くも悪くも受け取っていないながらもそれ以上でもそれ以下でもない感想を持ってしまう作品が多かったように感じていた。もちろんネトフリオリジナルに抱くネガティブな印象は単に私個人がそう感じているだけで、私個人との相性の問題である。単に私の好みと少し違っていただけの話だ。
 映画鑑賞に何を求めるかは人によって違うけど、私は単に娯楽として鑑賞すると同時に、何年に1回かは人生そのものを変えてしまうエネルギーを持った映画に出会うことを楽しみとしている。あの映画に出会ったから考え方が変わった、考え方が変わったから行動が変わった、行動が変わったから環境が変わった、環境が変わったから人生が変わった、そんなきっかけを与えてくれる映画というのは確かに存在する。いつか出会うその映画との巡り合わせを夢見て、今日見る映画を探している、そんな側面もある。

 いつからか、おそらく結構早くから、ネトフリオリジナル作品もそんなパワーを持ち始めた。私が最初に抱いていた「資本力を活かしてただ売れ筋を真似ただけの作品」という印象は早々に払拭されていた。そんな中で出会った作品。

 あらすじはリンク先の紹介文をみてもらえばいいとして、この映画に対して最初はあまり期待していなかった。消去法で仕方なくその時観れる映画がこれだった、といってもいいくらい、この映画を期待して観たわけではなかった。まずぱっとしないタイトル。タイトルだけ見れば災害ものかなという印象をもつ。なにしろ「嵐の中で」である。「嵐の中で」なので嵐の中の話なんだろうと思うし、それ以上の期待も抱かない。次にあらすじを読んでみると、どうもタイムパラドックスものである印象を受ける。嵐という災害の中でパラドックスに立ち向かう話なのかな?娘がどうのと書いてあるので、ミスト系なのかしら、と深く考えずに見始めた。

「タイムパラドックスものなのになぜミストだと思った?ミストはタイムパラドックスではない」というお叱りを受けるかもしれないが、深く考えずにと私は書いた。ミストがタイムパラドックスではないのは百も承知の上で、つまりタイムパラドックスかどうかとかミストがどうかとか深く考えず、ただ消去法でこれしか観るものがなかったので見始めた、ということが言いたい。映画サムネで映ってる複数の人たちが嵐の中で孤立して取り残されてわちゃわちゃするところがミストっぽい感じかな?それにあらすじにあるようなタイムパラドックスが加わった感じなのかな?と深く考えずに印象を持ったということである。

 映画の内容についての感想は、面白かった。嵐きっかけでおこるタイムパラドックスものには違いないんだけど、良い意味で展開が読みにくいのが良かった。普通のタイムパラドックスものの展開が読めてしまう人ほど気づきにくいかもしれない。もちろん展開が読めたからといって偉いわけではないが、物語が情報開示する前に私は謎は気づけたのだがそれでも展開は読めなくて最後まで楽しめた。

ここからネタバレ

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 ラストについては賛否あると思うが、私はちょっとどうかと思った。娘も手に入れる、父親は娘から引き離す、恋人は手に入れる、その妥当性をしっかり描いているのだけれど、まだ出来すぎに感じた。そもそも恋人はその時間軸から主人公に好意を持つとは限らないし。その自信は何?っていう違和感。
 とはいえ、じゃあその自信に至る結果をもっと描けばよかったのかというとそれは絶対に蛇足だし、かといってあれ以外の終わり方であれくらいの良い読後感(映画鑑賞が終わった後の満足感)が得られたかというとそうも思えないので、つまり最後もあれはあれで良かったのだとは思う。そこは間違いない。つまりラストに少し引っかかりを感じたが映画全体の面白さに変わりは無い、面白かったという感想だ。

 あと私の感想文自体の蛇足ながらも、映画が終わって最後に流れる曲。あれは絶対Time After Timeだろ!と思ったら違った。最後絶対Time After Timeが流れるぞーここからくるぞーほーら流れるぞー…………からの流れないんかいー!への落差が大きかった。蛇足なんだけど(笑)


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