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小学生の矯正治療、9割はいらない!

人間は「早い思考=直観」と「遅い思考=問題についてゆっくり考える」を使い分けて生きているそうです。

しかし日々の生活では、99%は「早い思考=直観」だけで済ませているようで、1%の「遅い思考」は負荷が高いので、無意識のうちに避けようとするそうです。

チンパンジーと袂を分かち、
森林から草原に出た我々の祖先には危険がいっぱい。
早く危険を察知するには「早い思考」が必要だったとか。
待って状況の変化を見ていると食われてしまうからです。
その遺伝子が我々に組み込まれている故、
「遅い思考」より「早い思考=直観」で即決するほうが得意だそうです。

小学生の場合、矯正治療を受けるかどうかは親が決めます。
しかし、受けるのは小学生自身です。
即決はやめてゆっくり考えましょう。

 矯正治療を受けさせると決める理由はこんなところでしょう。
① 早く始めないと、もっとひどくなると言われた
② 若いほど安いと言われた
③ 早く始めたほうが治りやすいと言われた

何でこういうことが言えるかというと、昔の偉い人が言ったからです。
でも、ホントでしょうか?〇×△で判定してみました。

① 早く始めないと、もっとひどくなるはホント?

「早く始めないと歯を抜かなければいけなくなる」の
フレーズに代表される説です。
将来〇〇になるかもしれないから、やっておきましょう!
おや?これ保険の勧誘と同じでは?
「何かした」という事実があると人間は安心するものです。
医療保険だって、お世話になることはほぼないが、入っておくと安心する
という心理と同じですね。
治療効果を買うのではなく、安心を買うとも取れます。
ひどくなる徴候があるものは、残念ながら、早く始めてもひどくなります。
ほんの一部、早く始めないと後が大変というケースはありますので、
判定は ✕寄りの 

② 若いほど安いはホント?

「現在生えている歯だけを動かすなら」という条件がつきます。
しかし、将来生えてくる歯への保証はしていないので、
中学生になったら、もう1回治療するか、
次々と生え変わる歯をちょこちょこ治しているうちに
期間が延びる=お金がかさむパターンかのどちらかになります。
安くはあがらない。だから判定は ✕
それに自分の子供に安いものって失礼ですよね。

③ 早く始めたほうが治りやすいはホント?

矯正治療の原理は
外から力をかけて、歯を支えている骨を溶かして造り、
溶かしてはまた造り、を繰り返して歯を動かしていくというものです。
骨の再生は若いほど活発なので動きやすい 
ということがこの説明の根拠です。
そして親としては、治療後1ミリたりとも動かないことを期待しますが、
無理です。
小学生には顎の成長もあるし、歯の生え変わりもあります。
動きやすいということは、終わった後も動きやすいということです。
簡単に言うと再発するということです。
ですから、この理由で治療を受けさせるのは ✕

といったことで筆者の見解としては、
小学生の矯正治療の9割は必要ない。

直観はダメです。ゆっくり考えましょう。

#歯列矯正 #歯科 #エッセイ #忖度  

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