人生を変えた島国ミクロネシア連邦を訪ねて⑥/ヤップ島の石貨を読み解いて見習う
石貨という貨幣の持つ意味
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ミクロネシア連邦ポンペイの西端に位置するヤップ島には石貨が存在しています。さらに今でも使われています。
石貨は島のシンボルであって、自動車のナンバーにもイラストが描かれています。
そして以下の写真は石貨の銀行と呼ばれている場所で、驚くことにこの石貨それぞれに所有者がいるのです。
この石貨の利用法は我々が使っているお金とは大きく異なります。
我々が使っているお金は値段が付いている物を手に入れる時に、その値段相応の量のお金を相手に差し出します。それによって手に入れることができるようになっています。
例えば150円のドリンクを手に入れる為にコンビニに行きました。コンビニで150円さえ差し出せば、誰でもそのドリンクを手に入れることができるのです。
3,000万円のフェラーリが売られていたら、3,000万円さえディーラーに差し出せば誰でもフェラーリは手に入れることができるのです。
たとえフェラーリに乗るにふさわしくない人物像であっても、それ相応のお金を持っていれば交換できるようになっています。
しかしヤップ島では石貨を差し出すと言う行為はちょっと違います。
石貨を差し出すと言うことは誠意の表れ
ヤップ島では金額を付けられていない物を手に入れる時に、この石貨を相手に差し出します。物を手に入れると言う言い方もちょっと違うのだが、分かりやすくそう言っておくことにしましょう、とりあえず。
さて金額が付いていない物って何なんでしょうか?
それは謝罪とか依頼です。
「ウチの村の若い者のがおたくの村の人にケンカ売ってしまった。どうかこれで許して欲しい」
「今度こういう祭事をやるので、どうか人手が足りないので出して欲しい」
つまり石貨を相手に差し出すということは、そこに誠意が込められていないと相手は受け取らないのだ。「どうかお願いします」という気持ちが大切なのでしょう。
金さえあれば何でも出来る私たちの社会
しかし我々が使っているのお金は違うでしょう。誠意など関係なく、それ相応のお金さえ持っていれば何でも手に入れ、場合によっては世の中を操ることも出来てしまう・・・。
鉄道や飛行機の事故で家族が亡くなれば、会社は誠意込めて謝罪する以前に保険金いくら支払いますでお終い。
「ウチの父さんの命ってたった○○○万円なの?」と家族は愕然とするでしょう。
今、日本でも子供向けにお金や投資のセミナーがおこなわれています。「金さえあれば何でも出来る」という考えが起きてしまわないことを願うばかりですね。
なおこの石貨はヤップ島に行かなくても見ることができる。
それが下の写真の場所だ。
それはどこなのか?
以下の動画で私が石貨について解説していますので、どうぞご覧ください。
続きは以下。