ソフトバンクのグローバルデータ帝国戦略のピースが埋まりつつある

保険におけるプラットフォームは再保険。再保険会社を持っていればテックドリブンな小回りの良い元受保険会社が各国で販売する保険からデータを吸い取って効率よく世界中のデータを集めることができる。

もちろん「今の」再保険会社の実務ではそんなに再保険会社は元受のデータを持っていない。けどこれからの再保険実務は違う。Lemonadeでは元受とデータを共有しており、狙っているのはこのモデルであるのは明らかだ。

狙いはもちろん第一にはモビリティ分野だろうが、他のシェアエコ分野を広くターゲットにしているのだろう。世界中にばら撒かれるARMのチップが吐き出すデータを、再保険で回収していくことになる。今の実務でいうところのモノ保険は確実にターゲットされているし、逆にこのデータ回収モデルを作ってしまえば実のところ保険の種類など何でも良い。ヘルスケアもターゲットになるだろう。バークシャーに続いて動いたのはソフトバンク、というわけだ。

分かりやすく、かつシュアな戦略と言える。

今後確認が必要なのはこのモデルでGDPRや中国インターネット安全法(中国サイバーセキュリティ 法)のデータ移転規制を突破できるのかどうか。日本の個人情報保護法は再保険会社に対するデータ移転について特別なルールを持っていないので、個別に同意をとって移転している。他の国では制度によってはサーバを各国・地域に置いてそこでデータ分析、ということになる可能性がある。いずれにしてもデータ帝国の野望を挫くほどの障害とは思えない。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26667170Y8A200C1000000

https://r.nikkei.com/article/DGXMZO26667170Y8A200C1000000

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