化学の教育の現場が助かる!〜ChatGPTによる化学式の活用テクニック〜
現代の教育現場では、テクノロジーの導入が急速に進んでいます。特に生成AIは、教材作成から授業の実施に至るまで、教師の負担を軽減し、生徒の学習体験を豊かにする可能性を持っています。
そこで、生成AIの一つであるChatGPTの活用方法を高校の化学の元教師の方に伝えたところ、「化学式をどうやって表現すれば良いかわからない」と質問を受けました。そこで、この記事では、化学式の表記に活用できる表記法について紹介します。
生成AIを教育に導入するメリット
生成AIを教育に導入することで、教師はカスタマイズされた教材や問題を素早く作成でき、生徒の理解度に合わせた指導が可能になります。そうすることで、教師でしかできない仕事に注力し、全体の教育の質を上げることができると考えています。そのために、教育現場で利用できるような勉強会も開催しております。
しかし、具体的に教育現場で授業準備として使い始めるためには、科目ごとの特徴をより詳細に考慮する必要があります。
化学式の記載の選択肢
今回は、化学の授業で必要不可欠な化学式について触れていきます。化学式を記載するには「テキスト形式」、「LaTeX形式」、「HTML形式」の3つがあります。ここでは、グルコースの化学式を例に挙げながら説明していきます。
①テキスト形式
シンプルで直接的な表現方法です。特別なフォーマットやタグを必要とせず、テキストエディターや簡易なメッセージングプラットフォームでも使用可能です。
C6H12O6
メリット
- デバイスやプラットフォームでも表示可能
- 簡単な入力
デメリット
- 視覚的な明瞭さに欠け、原子数が元素記号の直後に続くため、時には読みにくくなることが挙げられます。
②LaTeX形式
数式や科学文書に適した表現力を持つマークアップ言語。下付き文字や上付き文字を精密に制御できます。
C_6H_{12}O_6
メリット
- 数式や化学式が専門的に正確で、美しく表示される
- 学術文書や研究論文で広く使われている
デメリット
- LaTeXの記法を学ぶ必要があり、初学者には敷居が高い
- 正しく表示するためにはLaTeX対応のエディタやビューアが必要である
③HTML形式
ウェブページやHTMLをサポートするプラットフォームでの使用に最適。<sub>と<sup>タグを用いて下付き文字や上付き文字を表現できます。
C<sub>6</sub>H<sub>12</sub>O<sub>6</sub>
メリット
- ウェブブラウザで直接正確に表示され、ウェブページに簡単に組み込むことができる
デメリット
- コードが煩雑になることがある
- 異なるブラウザやデバイスで見た目が変わることがあります。
化学反応式の場合の記載
次に、化学反応式の記載について触れていきます。
上記の化学反応式は、グルコースの完全燃焼を表しています。ここでの問題は、炭素のCの右下にある6の添え字をどのように記載するかということについて悩むはずです。その場合に、記載方法は下記の3つの方法があります。
①テキスト形式
C6H12O6 + 6O2 → 6CO2 + 6H2O
②LaTeX形式
C_6H_{12}O_6 + 6O_2 \rightarrow 6CO_2 + 6H_2O
③HTML形式
C<sub>6</sub>H<sub>12</sub>O<sub>6</sub> + 6O<sub>2</sub> → 6CO<sub>2</sub> + 6H<sub>2</sub>O
イオン式の記載方法
次に水素イオンと硫酸イオンのイオン式について触れていきます。イオンの電荷である「2-」の記載が入るため、表現が少し複雑になります。
①テキスト形式
2H+ + SO4^2-
②LaTeX形式
2\text{H}^+ + \text{SO}_4^{2-}
③HTML形式
2H<sup>+</sup> + SO<sub>4</sub><sup>2-</sup>
どの記載形式が良い?
学校の先生に化学式を教えるための各形式を推薦する際には、使用のしやすさ、視覚的な明瞭さ、および学習環境への適合性を考慮する必要があります。
LaTeXをすでに知っている方や、使いこなしたい方は「LaTeX形式」、LaTeXを学習する時間がない、またはそこまで使う必要がない方は「テキスト形式」の2択になるかと思います
ただし、テキスト形式の場合は、化学式を書いていて正しくChatGPTに伝わっているのかが曖昧になる可能性があります。また、HTML形式は元々HTMLのサイトを記載するために開発されたものであるため、あまりお勧めしていません。
生成AIを利用した化学教材の作成
ChatGPTなどの生成AIを教育現場で利用することで、カスタマイズされた教材や問題集を効率的に作成することができます。そのために、必要な知識として化学の化学式の記載について触れました。
これらの技術を活用して教育現場での教材作成や授業の質を向上させ、良い学習環境を提供することの助力になれば幸いです。
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