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うつ状態のきっかけ

「心が雨漏りする日には」(中島らも著P.40)にこんな一説があります。

「おれのようなタイプの人間が、やる気はあるのにやることがないという状況に置かれると、当然の帰結としてうつ症状になる。」

20年前、うつ状態になったときの私が正にそうでした。

日付が変わり、終電を逃すまで働き続け、タクシーで帰宅する毎日。
そんな生活を続けた後の海外赴任。
ここでも担当する国や地域への出張の連続。
出張から戻れば、処理すべき業務が山ほど待っていて、職場の窓から見える夜景を眺めながら夜遅くまで働いていました。
営業、広告宣伝などの販売促進、売り上げや経費の管理、自部門の人事管理、事業計画の策定などなど、すべて私の仕事。

そんな生活を6年半続けて、本社へ帰任したところ、業務の範囲は極端に狭まり、毎日定時に退勤できるようになりました。
これが正常で理想的な状態なのかもしれませんが、それまでの激務との落差に、物足りなさを感じ、いわゆる「燃え尽き症候群」「空(から)の巣症候群」になってしまったのでした。

「企業戦士」という言葉は好きではありませんが、「戦士」が戦う相手を失ったときがこの種の病気のきっかけになり得るのかもしれません。