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台湾問題

今、私が「気になっていること」が世界中にたくさんあります。
「台湾問題」もその一つです。

先日の台湾総統選挙で、中国(中華人民共和国)と距離をおく候補者が当選しました。
これに対して中国は猛反発しています。
この先、何が起こるか、不安でなりません。

台湾の正式名称は「中華民国」といい、独自の国旗もあります。
しかし、オリンピックなどの国際舞台ではその国名も国旗も使うことは許されておらず、「中華台北」「Chinese Taipei」という名称を使っています。
それは、日本を含む、世界の大部分の国が「中華民国」を国として承認していないからです。
今のところ、国際的には中国でも、独立国でもない「地域」という扱いです。

これを、中国は「祖国統一」として、台湾を正式に中国の一部にしようとしています。
そして、アメリカなどの国はそれを阻止しようとしています。
これに対して中国は「これは中国国内の問題だから、他国がとやかくいうことではない」としています。

台湾内にも「現状のままがいい」という考えと、「元は同じなのだから正式に中国の一部になった方がいい」という考えがあります。

余談ですが、台湾人は中国に自由に行き来でき、中国内で産業活動をすることもできます。
台湾企業の工場がたくさんあるし、台湾製品も流通しています。
中国にすれば、台湾は中国なのだから、それはごく当然のことです。
一方、中国人は自由に台湾に行くことはできません。
台湾側が中国を警戒し、入国や活動を制限しているからです。

中国は言論や行動の自由がない共産国家。
台湾は自由主義の「地域」。

では、台湾が「祖国統一」のもとに中国の一部になったらどうなるでしょう。
中国は「一国二制度」という形にすると言っています。
つまり、中国という一つの国の中に、共産主義と自由主義の二つの制度を持つ、ということです。

この中国による「一国二制度」という言葉は過去にも使われたことがあります。
1997年。
アヘン戦争以来、イギリスの植民地だった香港が中国に返還されました。
それまでの香港は自由な地域でした。
返還に際して、中国は「一国二制度」のもとに50年間は自由を保障すると約束しました。
しかし、実際はどうでしょう。
中国政府による言論弾圧がなされ、今や新聞などに反政府的なことを書くことは許されません。
毎年6月4日に開かれていた天安門事件の追悼集会はもう開くことができません。
国家の安全」に反する行為をした者は逮捕されます。

ですから、今また台湾に対して「一国二制度」と言われても、「信用できない」とする声は多いでしょう。

では、何故、小さな地域である台湾がこれほど世界の注目を浴びているのか。
何故、アメリカが「祖国統一」を阻止しようとするのか。

軍事的な理由がその一つです。
そして、もう一つの大きな理由は半導体です。
半導体製造は台湾企業が世界の9割を占めています。
それも最先端の半導体です。
数年前に半導体の供給不足でiPhoneが生産できなくなったのをご記憶の方もいらっしゃるでしょう。
今、iPhoneだけでなく、自動車にも家電製品にも半導体は欠かせないものとなっています。
ありとあらゆるものに使われていると言っても良いでしょう。

その半導体を中国が牛耳ることになったら…

以前、トランプ氏は「台湾に興味(思い入れ、だったかな)はない」と言っていたことがあります。
アメリカが台湾問題から手を引いたら、どうなるでしょう。

中国が世界を支配する?
考えただけで、ゾッとします。

さっさとこの世から消えた方が良いかな。(笑