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1年の締めくくりに

フランス料理レストランを舞台にした、あるテレビドラマを見ました。

三流だったレストランを一流にすべく奮闘するギャルソン(ウェイター)。
その結果、料理はもちろん、接客なども一流になったもののデザートだけは今ひとつ。
そのギャルソンはオーナーに迫る。
「このレストランを一流にするためには一流のデザート職人(パティシエ)を雇うべきだ」と。
これに対してオーナーは、
「このレストランほど全従業員が一致団結しているところはない」
「腕が今ひとつだからといって、パティシエを解雇するつもりはない」
「人を不幸にするくらいなら、一流の店にならなくてもいい」
と主張する。

その数日後、ギャルソンは黙って店を去った。
しかし、それは店を一流にすることができなくなったからではなかった。
かつて、自分が働いたレストランでの出来事を思い出したからだった。
そのレストランのオーナーは店を一流にするために容赦なく料理職人の首を切っていた。
そのやり方に対してこのギャルソンは「人の気持ちを理解できないオーナーの下では働けない」と言って、その店を辞めたのだった。
今回、そのときの自分を思い出し、今の自分に嫌気が差して店を去ったのだった。

目標を高く掲げすぎたために、せっかく長いこと続けてきたものを手放した私自身をこのギャルソンに重ね合わせて見ていました。

1年の締めくくりに良いドラマを見ることができました。

皆さま、良いお年をお迎えください。