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そない安くないぞ、マレーシア食編

 海外移住先をマレーシアにした理由は、結果的に選択肢がなかったからだ。
 例えば留学であれば、アメリカとかヨーロッパとか、日本人好みのシャレオツな国を選べるだろうが、移住となると話は別。現地人と結婚でもしない限り、ビザなど取れないのが現状である。しかも、私は猫を2匹連れて現地での採用があるわけではない。長期のビザを発行してくれて猫の輸入が認められる国は限られる。 

 つい最近、マレーシア在住のGACKT様がバラエティにて「なぜ、マレーシアを選んだのか?」との問に

●暖かい
●適度に湿度がある
●多国籍国家
●食事がおいしい

と言っていたが、見事に在日本人がマレーシアを選ぶ基準と合致。
GACKT様ほどの財力のある人なら関係ないだろうが、
庶民が付け足すなら

●比較的、物価が安い
●比較的、治安がよい
●外国人との会話が英語

の3つだろうか。

 ただし私の主観では、衣食住ともそない安くない。

 まず、食で比較してみよう。

 私が住んでいる四国は日本のアジアと言われる(勝手に言っているだけだけど。。)ほど物価が安い。
 地元の産直市では、ほうれん草、小松菜などの青菜系は1束100~150円、じゃがいもなども1袋100~150円あたり、県産の豚肉は100gあたり150円ぐらいではなかろうか、しかも農家直送だから、品質も良い。これは愛媛あるあるだが、冬になるとみかんをお店で買うことはなく、どこかしらかもらえる。他にも愛媛は他品目を作っているため、やたら野菜(ときにはタオルも)をもらえるので、自炊中心なら食費はかなり抑えられる。

一方、マレーシアのスーパーの青菜。
マレーシアでは農耕があまり盛んではなく、ほとんどがインドネシアからの輸入らしい。さすがに、ネギ的な消費期限の短い青菜は自国で生産しているらしいが、写真の商品で2.9リンギ(1リンギ26円・約78円)なので、びっくりするほど安いというわけではなさそうだ。

インドネシアの定番であるドラゴンフルーツは13.9リンギ(約361円)、アボカド14,9リンギ(約387円)なので、ものによっては割高になる。

 マレーシアではポピュラーな屋台メシ・海鮮麺は10.3リンギ(約280円)だから「安い!」と思うかもしれない。味も確かにおいしい、けれど、盛り付けのビジュアルは雑。悪いが、丸亀製麺の釜揚げ並290円と比べると残念感は否めない。

 食事の面で比較したが、衣食住すべてにおいて、日本よりもマレーシアが優れているとは感じなかった。
 これは私が四国のような地方都市に住んでいるからかもしれない。今回、視察したクアラルンプールような首都で比較すると、東京や大阪に住む人は多少なりともバリューを感じるかも、とは思う。

 また現地で聞いた話だが、マレーシアを取り上げたバラエティ「ボ●ビー●ール」の紹介内容について、嘘ではないがかなり極端な例を取り上げているそう。
 番組内ではプール付きのコンドミニアムの3LDKがあたかも一人に支給されるかのような紹介だったが、実は3人部屋でたまたまその時は一人で使っていたらしい。また、英語がまったく話せなくても現地では問題なく採用されるかのように伝えているが、それもかなりなレアケース。
 実際、買い物するにもタクシーに乗るにも、せめて日常会話レベルは理解できないと意思疎通ができないから、それも納得する次第。
 日本の3分の1の物価で生活できるほど、甘くはないのが現実である。さらに、東南アジアの中では比較的に物価上昇が緩やかとはいえ、年3%以上もインフレが進んでいるので、いつまで安さを享受できるかは未知数だと言える。

 余談だが、マレーシアの消費税は2018年マハティール政権になった時、撤廃になった。公約を果たしたともいえるが、これにはカラクリがあって、実質は物品税が上乗せされることになり、消費者価格は変わっていない。詐欺じゃーん、とならないところが、呑気で可愛い気もするけど、これがまかり通って誰も公に突っ込まないってどーよとも思う。

 食だけで結構話が長くなってしまったので、衣と住については次の回にて書くとして、物価が安く環境が良い場所で余生を過ごしたいのが移住の目的なら、愛媛を激推ししたいのがホンネ。
 私も移住を考えたとき、国内であれば愛媛ほど自然豊かで食がおいしく安全で気候が温暖であり、暮らしやすい場所は思いつかなかった。

 なのでマレーシアの魅力を語るとき、物価の安さ以外の魅力は、多国籍国家であることの多様性と大らかさだと感じる。

つづく。

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