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実家、地元、仕事、を手放して、遠く離れて気付いたこと

ふとクアラルンプールの自宅から外を眺めて

私、何でここにいるのだろう?

と、疑問に思ってます。

50歳の時に、
たった一人の家族である父が亡くなり
父が一人で住んでいた実家を片付けて
フリーランスでやっていた
編集ライターの仕事をフェードアウト。

父も実家もないのなら
地元愛媛で暮らし続ける理由もなくて

いきなり思いついた海外移住を実行し
猫2匹を連れてマレーシアへ来て早一年。

マレーシアの首都クアラルンプールを象徴するペトロナスツインタワー。隣接するKLCC公園から観た風景です。

 その一年のうち3ヶ月は、世界的なコロナ渦でマレーシアはロックダウン。日本の自粛とはレベルが違って、買い物以外の外出は認められない自宅軟禁状態(複数人で自宅周辺をジョギングしていた日本人が逮捕されるレベルの制限令)でした。

 5月12日から厳しい制限は徐々に解除されてはいるけれど、6月24日現在も国境は閉じたまま。私が持っている長期滞在ビザ(MM2H)で、日本へ帰ったとしても、日本で2週間、マレーシアで2週間の自宅かホテルでの外出禁止期間があるので、おいそれと一時帰国できない状況です。

 身寄りがなくて、帰る家もなくて、外にすら出られないロックダウン中のマレーシアにいる今の私の状況を、はた、と客観視すると

「何やってるんだろう???」

てな、感じで自問自答してみたり。

 シングルで働き詰めだったせいか、
 何が何でも働いてお金を稼がないといけない状況から余裕ができて、
 逆に働きがいを見失って、
 「好きにやっていい」が何か謎で、
 家事だけはルーティンでするけど、何して生きていいのか、何が楽しいのか、いまいちわからん的な感じです。

毎日、一人分の手抜き飯を作ったり作らなかったり

本屋さんへ行って立ち読みしたりしなかったり

公園を散歩したりしなかったり。

何してんのか、よくわからない時間を過ごしながら生きています。

ダラダラ生きてるだけの自分に価値があるのか
もういっそ死んだほうがいいのかも、なんて

ロックダウンで家に閉じこもりっきりで暇すぎて
ネガティブに考えたりしましたけれども、

無理やり連れてきた猫たちが寿命をまっとうするまでは、
生きようと思ったり。。。

流れるように移り変わる思考に揺られながらも

マレーシアへ来てハッキリしたのは
これが、私の「住みたい場所であり、何もしないがやりたいこと」だという事実です。

やってみてわかる、むしろ、やってみないとわからない
頭でばかり考える私にとって、人生はそんな連続だったかもしれません。

正直、地元愛媛はめちゃくちゃ住みやすい場所でした。

気候は温暖、人は穏やか、物価は安くて、
夜中に女ひとり歩いていても問題なし
車で10分走れば、キレイな海も山もある
医療や教育や文化施設も充実していて
私のようなパソコンひとつで仕事ができる身分だと
都会や海外に暮らす理由がない。
刺激的な場所は旅行でいいから。

特に、これからコロナと付き合っていくと考えると、
何はともあれ、国内に住んでいれば10万円も支給してくれて
医療も保障もしっかりした日本にいる方が安心だと思います。

それでも、私が日本に帰らず
マレーシアに住み続ける理由は
ここに私の自由があるからです。

私が地元で自由を感じられなかった理由のひとつは、
この記事に詳しく書きましたが、

ひとまとめにすると私は、


人からどう見えるか
それと
心地よさではなくてコスパで

仕事も住む場所も付き合う人も着るものも食べるものも

決めていたように思います。

ホントはウナギ食べたいけど
給料前だからワンコインランチにしよう
とか
お昼が遅くて胃が重いけど
みんなが食べているからコースにしよう
とか
寝不足で肌がピリピリするけど
仕事で人に会うからちゃんと化粧しなきゃ
とか

まわりに合わせる一つ一つは取るに足りないことでも
毎日毎日少しずつ、自分を後回しにしてきたツケは
けっこう溜まっていたのだなぁ、と振り返って思います。

そして、人に合わせるのが普通になると
自分のやりたいことが見えなくなります。

だから、自由になりたかった。

私のことを誰も知らない場所で
何をやってもやらなくても文句や陰口を言われなくて
道端にしゃがみこんで鼻くそほじっていても、誰も私にかまったり変な目で見ない(もっと変な人いっぱいいますから)この国で。

動くにしても動かないにしても
まずは、自分と向き合って
私が何を心地いいと思うか
感じたことをそのまま表現できる
自由な時間と空間にいることが大切でした。

これは、マレーシアへ実際に来て気づいたことです。
でも、また
コロナ渦による
外からの停滞に心をつかまれて

あやうく何が私の真実か
見失うところでした。

家から一歩も出ずに、猫と遊んでいるだけで日が暮れる毎日。掃除して食べて本読んで猫と遊んで、その一つひとつをなんとなく無意識でやるのではなくて、「今、掃除したいか?」「今、本当にお腹が空いているか、何が食べたいか」体と心と相談しながら決めています。そうすることで、少しずつ自分が戻ってくる感じです。

今は不安を感じるかもしれないし
環境がすっかり変わってしまったかもしれないけれど、
自分とちゃんと向き合ってみることで
それは、もう古くなって
手放すタイミングが来ていたと気づくかもしれません。

私も頭で考えたら、今の不安定でやる気もない状況が怖い。
だけど、心では
これが完全で、私はちゃんといるべき場所にいて
これから待ち望んだ未来への道の途中だと知っています。

もしかしたら、
何度も何度も振り返ってしまうかもしれないし
何回も何回も自分を責めるかもしれない

けれど

今まで生き抜いてきた自分を信じて。

わけわからなくても大丈夫だから。

心と体に意識を戻すには
深く呼吸してみてくださいね。
意識が今ここに戻れば
不安は遠くへ行ってしまいます。

私も書きたい!と心が感じたタイミングで
ゆっくりとコツコツと誰かに届くよう
自分にとって大切だったことを伝えられたら、と思います。

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