プールで誰も泳がない、マレーシア住編
純白のメルセデス、プール付きのマンション
最高の女とベッドでドンペリ二ヨ~~~ン♪
(by浜田省吾・money)
バブル世代なら知らない人はいないだろう、ハマショーの歌。
日本でプール付きのマンションは、金持ちの象徴な時代があった。
コンドミニアムにプールやジムやテニスコートが付いているのが当たり前のマレーシアは、まさに庶民が金持ち感を味わえる。
だけど、現地でコンドミニアムを3~4箇所見学したが、泳いでいる人は皆無。ちなみに、ハワイでもプールとジャグジー付きのコンドミニアムに2ヶ月間ホームステイしていたが、昼も夜も私以外は誰も泳いでいなかった。。。
泳ぎたくても泳げない気候事情
マレーシアは赤道近く。日中の日差しはSPF50でも通す紫外線量らしい。思うに、外のプールで泳ぐのは、日焼けを通り越してヤケド必死の覚悟がいるかも。屋根ひとつない屋外プールで昼間っから泳ぐ人がいないのもうなずける。かと言って、夜は平均24℃で風が吹くと肌寒く感じることもあるため、泳ぐのに適した時間帯がいつなのか????
嬉しげに、マレーシアのアパートメントホテルのプールで夕方に泳いだが、水から上がった時点で寒くて風邪引くかと思った。
プールあっても、ね。。な気がする。
1/3の家賃は東京23区との比較!クオリティに難あり物件多数
https://www.propertyguru.com.my/
上記は、マレーシアでの物件探しで最も使われているサイト。住むエリアによって金額はかなり差がある。これは、主な居住者が外国人か現地人かの差。マレーシアの首都クアラルンプールで日本人が多いエリアは、タマンデサとモントキアラになる。
(出典:YahooMAP)
マレーシアの位置関係をおさらいすると、石垣からさらに斜め下方向。関空から約7時間のフライトでクアラルンプール国際空港に到着する。時差は約1時間。
上の地図で青のチェックがある辺りが首都クアラルンプールになる。
汚いメモ書きでごめんなさい。。上が北で見ると、クアラルンプールの中は、こんな感じ。現地の日本人エージェントによると、移住1年目は家賃が高くとも日本人が多いエリア(モントキアラ、タマンデサ)が利便性でも治安面でもおすすめと言われた。
タマンデサとモントキアラの違いは高級度。モントキアラの方が新しく開発された住宅エリアゆえに、モールやスポーツジムなど、高級路線の施設が揃うのだとか。
ただし、公共交通機関は発達しておらず、ペトロナス・ツインタワーがあるKLCC といった中心部へ行くには車かバスになる。
この2件は見学した物件と同等のコンドミニアム。写真で見ると、上のヴァーブスイーツはスカイプールが4つもあって、小洒落たフルファニチャーの物件。家賃はワンルームだが1ヶ月2400リンギ(6万4800円)。日本でいうと世田谷にあたる高級エリアなので、かなりお得に感じるだろう。
しか~し、
写真に偽りはないが、部屋に入ってみるとカビと古い油の匂いと、薄汚れたカーテンやファブリックが気になった。後から思い返してみると、キッチンが部屋の真ん中にあって換気扇が弱いか、位置が悪いため、料理の油が回っているのだと気づく。
雅子調べだが、マレーシアの建物は一見オシャレだけど曲者な物件が多い。使い勝手まで計算されているようには思えない造りだった。
例えば、このアパートメントホテル。パット見は日本のホテルと変わらず、airbnbで1泊2400円程度だが、ツッコミどころ満載。
天井までの高さのあるクローゼットの扉は、縦幅も横幅も広く重すぎて開ける度に蝶番が外れんばかりにギシギシ。
同じくトイレとシャワールームの扉も重くギシギシ。加えてコの字になっているのでめっちゃ扉同士がぶつかる。
さらに、
両開きなので内側に開いた時に換気口にあたる。。。
水のボトルと比べると一目瞭然。コンセントパネルが平行ではない。
など、大雑把である。
実は
サイトの物件写真には要注意で、実際に見ると、古かったり家具が汚れていたりと、がっかりするケースが多い。
もちろん私が見た数カ所のみの話。2LDK4000リンギ(約10万8000円)以上の超高級な物件であれば違うと思うけれど、日本よりも品質がいい物件がバカみたいに安く借りられるという訳ではなさそうだ。
テレビ番組の情報を信じて、当初の家賃の予算は2ベッドルーム2000リンギ(約5万4000円)。現地のエージェントにその金額を告げると、鼻で笑われた。。。挙げ句、紹介された物件は1件のみ。そこは、築20年ぐらいで中はボロボロ。2ベッドルームだが、1部屋6帖もなくて壁はハゲハゲ。家具入れなくてオッケーならオーナーと2000リンギで交渉可能と言われた。
つまり
日本人に適したモントキアラ、タマンデサでは部屋の広さに関わらず2500リンギ(約6万7500円)以上じゃないと、ロクな物件がないらしい。
現地のエージェントいわく某番組で紹介された4LDKメゾネット(家賃2500リンギ約6万7500円)に住む夫婦の場合は、自家用車がないと生活できないド田舎で人気のない物件とのことだった。
参考として愛媛の家賃は、県庁所在地の松山市内ですら全国的にみても相場が安く、プールこそないけれど2LDKの新築コーポで6~7万円。マンションでも7~8万円あたり。泳ぎたければ、プールも海も何なら天然温泉も混まずに車で行ける。
結論。
マレーシアの家賃が安いと言っても、広さとアミューズメント設備があるというだけで、日本と同等の物件が半額とか1/3な訳ではない。住環境も日本より治安面、交通インフラを含めた利便性に難あり(治安・利便性は次に書きます)だと感じた。
大手企業に勤める子供のいない日本人駐在員のカップルはモントキアラの超高級コンドミニアム在住だが、4LDKに加えてメイド部屋もあるため掃除がやたら大変だと聞いた。
昔はともかく今時、常駐のメイドを雇える日本人駐在員はほとんどいない。フィリピン人の通いの家政婦さんで、お掃除1回2000円程度で契約できるが、仕事の丁寧さは人それぞれ。日本の会社のように仕事のクオリティが一定とは限らず、保証もない。メンテナンスを考えると、部屋が広いからいいとも限らないのだ。
興味を引くための極端な編集で、本来の魅力が伝わらない違和感
ここまで書いてきて、アラ探しばかりして自分でも意地悪だな~~~と思う。
けれど、
「高級コンドミニアムが安い」「生活コストが日本の1/3である」というのは、マレーシアのスタンダードレベルではないのに、極端な例を取り上げて、そこだけを強調するテレビ番組の編集に違和感がある。
物の見方にはいろいろあるし、人の興味をひくには、そのぐらいの極端な誇張も必要かもしれない。
それを踏まえて
あくまでも私の見方として言うならば
その極端な誇張がマレーシアの本来の魅力を損なう。
私がマレーシアへ移住すると言うと、「日本語しか話せなくても仕事がいっぱいあって待遇もいいのよね」とか「プール付いているマンションが3万円ぐらいで借りられるのよね」とか「物価安いから食費が1万ぐらいで済むのじゃない」と言う人が多かった。
マレーシアへ一度も行っていなかったら、そう思っても仕方ない。私もテレビを観てそう思ったし。。。
嘘ではないけど、一部でしかない極端な例が全てに通じると思い込ませてしまうのってどうなのだろう。
余談だが、
広告の見せ方でクライアントが他と差別化できるメリットを探し出して、それを一発で伝わるように短く、よりよく見えるよう化粧をして強調するのは王道。私も広告や編集を生業としている訳だから、作り手の気持ちは理解できる。
ただし、本人ではあるが中身とかけ離れるほど厚化粧したら、興味関心を引けたとしても長続きはしない。飽きたら終わりで、再ブレイクしにくい。
広告の伝え方を決めるのは、作り手がちゃんと相手を見て知って考え抜いてからのこと。ウケを狙った手法や目立つことのみに気がいって、相手の本当の想いや特徴を無視すれば、すぐハゲる化粧にしかならないと、私は思ってきた(でも、疲れすぎて、そういう仕事を貫けなくなったから、ドロップアウトしたのだけど。。。)。
だから、
私が感じたことでしかないが、マレーシアの魅力は生活コスト以外のところにある。
つづく。
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