幸福な食卓ってどんな食卓〜
6月17日(月)
(敬称略)
「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」
瀬尾まいこ著「幸福な食卓」は、この言葉から始まった。
主人公佐和子は、両親と兄の直ちゃんの4人家族の末っ子だった。
過去形なのは、現在母さんは家を出て一人暮らしをしているからだ。
母さんは3件のバイトを掛け持ちしているが、それなりに楽しく
人生を謳歌している。
父さんは父さんを辞めて中学の教師も辞めてしまう。
兄の直ちゃんは、トップクラスの頭脳を持っているが大学には行かず、
農業に従事している。
大学に行って、無駄な時間を過ごすより何かをしたって言う毎日を
送りたいそうだ。
今の所私(佐和子)は、普通の中学生活を送っている。
ところで、何故母さんは別居する様になったのかは5年前の梅雨、
父さんは自殺を図るが奇跡的に死ななかった。
母さんは、父さんの自殺にショックを受け、父さんと同じ空間に
いると苦しいと家を出ていった。
ここまでくると、既に家庭は崩壊しているでしょう。
しかし、この家族はそれぞれがバラバラな生活をしているにも
関わらず、朝食は全員揃って食べると言う決まりがあります。
母さんがいなくなってからも、それは守られています。
当人不在の「母の日」にも、みんなで持ち寄った料理で豪華な
朝食を摂っています。
ここで、作者の言う「幸福な食卓」ってどんな食卓なんだろうか
考えました。一般的には家族が全員揃って、言いたいことがなんでも
言える楽しい食卓で美味しい料理を食べる事でしょうか。
今ひとつ見えてこないのは、私に読解力が無いからでしょうか。
佐和子にも、恋人の死と言う耐えがたい出来事があります。
人生にはいろいろな事が起きますが、それでも必ず朝はやって来ます。
また、いつもと変わりなく食卓を囲んで朝食を摂る生活が始まります。
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