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AIR SPICEの撮影と挑戦すること 05

水野さんが考えたAIR SPICE12ヶ月分のカレーの撮影がどんどん進んでいきます。
それにしても調理スピードが速い!

一種類づつ作るのではなく、4月分を作りながら隣で次の5月や6月分を、、といった具合にラインが同時に走っていて、よく頭が混乱しないものだなあ。。

集中力MAXで調理を進める水野さんの背後には、調理アシスタントのKさんの姿が。黙々と野菜を切ったり、スパイスを正確に測って調理がスムーズに進むように手際よく準備をしていました。

こんなハイスピードの作業の中、プレッシャーは無いのでしょうか。私だったらヘマをやらかして作業や撮影の手を止めてしまいそうで怖すぎます。。
そんな疑問を持ち、こっそりKさんにインタビューしてみました。

KさんのAIR SPICEのウェブ制作に関わっていて本業が調理の方ではありません。
なので例えば、お肉の一口大とは水野さんにとってどのくらいなのだろうか?ニンニク一片って個体によってサイズ違うのでは?などなど疑問が湧いてくるのだけど、集中して調理している水野さんの流れを止める訳にはいきません。

そこで色々考慮した上で推測って自分で決めるか、頃合いを見てサッと短めに聞いていたのだそうです。黙々作業の裏にそんな葛藤と気遣いがあったなんて…!

しかしです。そもそも、プロの現場にカレーの学校の生徒さんを招いて、調理アシスタンやレポート作成をしませんか?と呼びかけてしまえる水野さんのオープンマインドって一体なんなんでしょうか。

この撮影が、水野さんにとり大事で神聖なものあることがわかるのに、そこに色んな人を呼び込めるなんて。もしかしたら偶発的なトラブルが起こるとも限らないじゃ無いですか。

しかし調理している水野さんは途方もない緊張感を維持しながら、いつも見ている姿からは計り知れないくらいの集中力を持って、時には険しく鬼のような形相で…(笑)調理し続けていたのですが、もしかしてこの現場感のある場で最善を尽くす緊張感こそが、、とんでもなく楽しかったということなのかもしれません。

後で聞いてみると自分はカレーの撮影というものが、とても好きなんだと言っていました。

自分の今の活動は、これまでの活動でもあるライブクッキングが考え方の土台になっている。ライブクッキングではお客さんに「今鍋の中はどんな状態なの?この後どうなっていくの?」と言ったワクワク感を伝えられる。それがとても楽しい。

AIR SPICEでは、そういったライブクッキングで伝えていた、スパイスを使うワクワク感・発見・驚きを、レシピを通して伝えたいのだそうです。

なんとなくわかってきたような気がします。撮影前には一人でひたすら孤独に考えていた考察やアイデアを、撮影の場所、言い換えるとすればオーディエンスやチームがいる舞台上で花開かせる行為。

創作には大きなエネルギーが必要です。こんなやり方をしているクリエイターをあまり他には知りませんが、やはりこの撮影方法にも、水野さんの創作の秘密が隠されているような気がしてなりません。

(つづく)

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