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【妊娠が発覚したあの日】リケジョの一大実験手記1

「ハイ。赤ちゃん。」

たった1cm、1g程度のお豆さんのような命を鮮明に写し取ったツルツルで白黒の小さな紙を渡す先生は

どこか嬉し気で、その笑顔の目線の先にある1gの重さは急にお腹で存在を主張しその瞬間母としての愛と感動と重責とかつて経験したことのない大きなワクワクを頂いたことを今でもよく覚えています。

そんな”1g”の貴方に会えた瞬間私の研究者人生をかけた壮大な『脳力最大化子育て実験』(仮)が始まりました。

20年後にエルメスが返ってくるまでの私の試行錯誤の実験レポートを聞いてください。


【まさこ博士の実験レポート①】


被験者:胎芽(名前はまだない)
実験装置:経膣エコー
実験目的:脳と心臓の存在確認

実験手記

健康優良児だった私は、婦人科検診を怠っていたためアトラクションのような初診察台にやや興奮気味だったことを覚えています。

愛息(当時の被験者)がお腹にやってくる少し前まで、私は国立循環器病センターの人工臓器部というところで人工心臓の研究開発に携わっており、検査も手術も命も私にとっては、とても身近な存在でした。

ですから、診察台で”まな板の鯉”の間はついつい、(これどこのメーカーの装置だろう)とか(このプローブの解像度って・・・)とか(先生のご専門何だっけなぁ・・先生の論文読んでくればよかった)とか

今考えると「え?そこ?」※完全職業病(笑)と、母親の自覚ゼロでした😅

そんなアホな私の心の声とは裏腹に先生は超淡々とプローブを動かし時折”ポチっ”と、スクショ作業に忙しい。

ジジジーーーーーっ

妙に長いプリントアウト音をBGMに私の診察台がスタート地点に戻り、私は黒い丸の普通椅子に着席。

「ハイ。赤ちゃん」

今ではリアルな3D画像が見れる装置で赤ちゃんの記念撮影ができる施設もあるようですが(羨ましい~🥰)

私の頃は「感熱印画紙」一択、ツルツルで白黒の画像の中で小さく白く映る物体を指さし「これが赤ちゃん」(By先生)

おおぅ!見えたぞ!!

たった1cm、たった1g。

でも、細胞1個から1日1回の分裂を繰り返し・・よくぞここまで大きくなってくれました😭

これからも元気に大きくなってね。ずっとずっと貴方の成長を全力で応援するから。(それは被験者の体重が60,000倍になった今でも同じ気持ちです😘) 

思えばその瞬間が私の壮大な子育て実験の始まりでした。

まだ、“リケジョ”という言葉もなかった時代。男性の中に1人でいることを気にしたことはなかったけれどさすがに妊娠は女性特有のもの。

当たり前すぎてワンオペなんて言葉もない時代。男性が当たり前の世界で仕事をしている私にとってこの妊娠による人生の決断はとてつもなく大きい。

そんな考えが一瞬よぎったことは紛れもない事実。

でもダメだーっ、抗いがたい好奇心!!生き物がお腹の中で大きくなる?!

ダメだーぁっ、面白すぎる!!!

一体この豆粒ちゃんは、今何をしているの?脳と心臓、お互いに連携しているの?そもそも母体である私を何だと思っているのーっ?

ねえ、これってもしかして、今から貴方の脳の発達に合わせて”何か”すれば脳を最大限活用できるようになるの?それは貴方の人生を豊かで楽しいものにするお手伝いになる?“

先生にお礼を告げ、大興奮の帰り道、新米妊婦さんらしく(笑)

本屋さんで「たまごクラブ」を立ち読み。フムフム妊娠中の母体はニオイに敏感でうんぬん赤ちゃんはこのころから首ができて3頭身の身体になってきます。うんぬんかんぬんうーむ。何かが・・ちがうちがう、そうじゃ、そうじゃないのぉ~🎤

私が知りたいのは細胞分裂・発達の過程で、どの時点で何を認識し、何が出来るようになっているのか。・・・そして、

私が一番知りたいのは

どうやったら胎児とコミュニケーションをとれるのかなのぉーー

だって、早く貴方と話して意見を聞いてみたいじゃない!!ということで、残念ながらたまごクラブ🐣の購入は断念し、

帰宅後すぐさまパソコンでPubMed様(医学系科学雑誌検索)で最新の情報を調べはじめたのが私の実験・・いえ、私の子育ての始まりでした(笑)

これ以降、我が家の書棚に育児書が仲間入りすることはなく、分からないことは学術論文を参考にしつつかくして、私は「とにかく仮説を立てて実験してみよう」のマインドセットの母親になりました。

妊娠発覚初日

科学論文を読んで感じたことは私の愛する1g胎芽ちゃんの成長は1秒たりとも待ってくれない。

試してみたい実験は山ほどあるということ。
これは本気で取り組まねば😍(ぜひとも取り組みたい!!)

うん。

仕事は辞めよう!

実験レポート②へつづく・・


ここまでの実験結果:8週目ぐらいまでの胎芽は二頭身ドラえもん体形。

実験装置の都合上、脳波は計測不可ですが、心拍は観測できました💛

考察: 脳の発達過程に合わせて機能強化できる刺激にはどんなものがあるかについて検討し、実験する💛必要がある

※話長いよぉ~😆とツッコミをいただきそうですが、名門サセックス大学(イギリス)の研究結果では、なんと『6分間の読書でストレスが68%も減少する』とのことですので、”敢えての”長文です。これからも6分かけて楽しく読んで下さいね。

(Lewis, D. (2009), Galaxy Stress Research. Mindlab International, Sussex University, UK.)


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