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Sakura個展「Silent Vision 004」

昨日、ハイドランジアでSakuraさんの個展を見てきた。
自分の〆切があったので行けるかなと思っていたけど、最終日に行けてよかった。


人形は今は珍しい張子(和紙を重ねたもの)で、175cmほどもある大きな作品だった。
張子の繋ぎ目を紐で結んである理に適ったデザインが、とても良いなと思った。

写真ではクールでハードそうな印象だったけれど、和紙の質感などが柔らかくて、静かな大人しい動物のような印象だった。

存在感がすごくて、でも大きな「もの」ではなくて、なぜか動物みたいな「気配」を感じた。


人形の目は自作で、ガラスだった。
覗き込むと澄んだ目が、とても美しかった。

物言わない人形が「もの」でなく「気配を発する何者か」に感じられるのは、この目のせいもあるのかなと思った。
なんていうか、嘘のない、深い目をしているというか…。

人形を見ているというか、人形と対峙している時は、何かゾワゾワするような不思議な感覚だった。
何か見透かされているような、恥ずかしい感じもした。


帰り道で見たものを回想していると、だんだん自分の中で感じたものが形を変えて、まとまってくる。

理由がわからないのが不安だから、理由づけをしたいのかもしれない。
言葉にならない感覚を、言葉にしたくなる。


写真で想像していたイメージとは全く違っていた。見てる時と、見終わって回想してる時のイメージもまた違った。
なんか思い返すと泣きそうになる感じなのだ。
すごく感動したんだなと、そこでわかった。

純粋な想いのようなものに触れると、自分が浄化されていくようだ。
心が洗われる、とも言うのかも。
心が涙を流したあとに、綺麗になってる感じなのだった。癒される感覚。

佐藤さんのピアノソロを見た時も、似た感じかもしれない。
プラス、とても満たされて幸せなきもちになるのだが、ほかの何とも違うこの感覚がなんなのか、何で自分が佐藤さんの音楽を求めるのかやっとわかってすっきりした。

純度の高い作品ほど、鏡のような役割をするのかもしれない。
結晶みたいで何よりも美しくて、尊い。
そんなふうに自分もなりたいんだろうな。



良いものが見れてよかった。
ぼろぼろぼろ…と何か剥がれ落ちたような、大事なことを教えてもらったSakuraさんの個展でした。。!





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