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[サンプル有り]日次資金繰り表の必要性 あれっ、今月お金足りないかも。。


あれっ、今月お金足りないかも。。

中小企業・スタートアップ企業の会社経営者や経理・財務担当は、このように思ったことがある人もいることでしょう。
月末の資金が足りないと報告を受けて、ドキドキした経営者も多いのではないでしょうか。

一方、上場企業や優良中堅企業ではキャッシュポジションが高く、資金繰りの心配をほとんどしたことがない経理・財務担当もいると思います。

資金繰り表の概要や必要性については別な記事にまとめていますので、そちらを参照いただければ!

日次資金繰り表が必要な場合

①キャッシュポジションが低い場合

キャッシュポジションが低い場合は、月中のどこかで資金ショートする可能性があります。
そのため、月次資金繰り表ではなく日次資金繰り表を作成した方がいい場合が多いです。

日次資金繰り表を作成した方がいいキャッシュポジションの目安は以下の通りです。

日次資金繰り表作成の目安


②金融機関の預金口座数が多い場合

企業経営をしていると、資金調達のための借入(少ロット×地銀等の複数行借入)や金融機関とのコネクション強化のために、金融機関の預金口座が増加することがあります。

このような場合、預金口座全体では資金が足りていても、とある金融機関の預金口座の残高が足りないなどの状態になることがあります。
そのため、預金口座別の資金残高管理(情報整理)が必要になってきます。

その際に役立つのが、日次資金繰り表です。
日次資金繰り表では、日次の預金口座別の資金残高見込みが管理できるため、
「どのタイミング」で
「どこからどこに資金移動(資金補充)すればいいか」
が見えます。

日次資金繰り表の「作り方」

日次資金繰り表のサンプル

日次資金繰り表のサンプルフォーマットを、Googleスプレッドシートで公開しています。Googleアカウントがあれば、スプレッドシートをコピーできますので、コピーして活用可能です。

日次資金繰り表の「使い方」

具体的な使い方(運用方法)は上記サンプルフォーマットに記載してありますので参考にしていただけますと幸いです。
使い方がわからない場合は、当社WEBページなどからお問い合わせいただければ、簡単にレクチャーすることもできますので、気軽に相談ください。
ここでは、簡単な流れについて説明します。

①預金口座情報を登録する

  • 日次資金繰り表で管理する預金口座名を登録します。

  • 同じ銀行で複数の預金口座ある場合は、それぞれ別に登録します。

②日々の「収入」「支出」取引を登録する

  • 預金口座の動きを、取引日や取引金額などに分類・登録します。

  • 分類・登録の際は、過去3カ月程度の預金元帳(補助元帳)を参考に作成すると抜け漏れが少なくなります。

  • 一番最初の登録が大変ですが、一度登録すると翌月以降は、大きな変動が見込まれる項目だけの登録で済むので、最初だけ頑張りましょうー。

③総合収支を確認する

  • 当月の総合収支が、プラスなのかマイナスなのかの全体感をつかんで、大きな間違いや抜け漏れがないかを感覚的に把握します。

  • 該当箇所:サンプルフォーマットの32行目(セル:AM32)

④預金口座全体の残高を確認する

  • 預金口座全体の残高を確認し、そもそも今月は全体でお金が足りるのか足りないのかを把握します。足りないと見込まれる場合は、早急に対応が必要になります。

  • ちなみに、こうならないためにも月次資金繰り表と財務計画の予実を作成し財務管理するのが望ましいです。

  • サンプルフォーマットの場合、月末見込み残高は6,000千円です。月末時点では資金が足りますが、翌月早々に資金ショートすることになるでしょう。

  • 該当箇所:サンプルフォーマットの41行目(セル:AM41)

⑤各金融機関の預金口座残高を確認する

  • 各金融機関の預金口座残高を確認し、資金移動(資金補充)のタイミングを把握します。

  • サンプルフォーマットの場合、

    • 「信金Bが25日以降マイナス」「地銀Aが30日以降マイナス」のように、預金残高がマイナスになるタイミングがあります。

  • マイナスになる前に、必要資金を他金融機関から資金移動(資金補充)しましょう。

財務管理に必要なこと

日次資金繰り表を作成して運用することは大切ですが、日次資金繰り表のみでは視野が狭くなります(翌月や数か月先が見えにく)。
確実な財務管理をするためには、次のような体制を整えることが重要であると考えています。

  1. 将来のお金の動きがどうなるのかの月次財務計画を作成する。

    • これは収支のみならず、損益把握という意味でも必要。

  2. 作成した月次財務計画と月次実績がどうなったかを把握する(月次予実管理)。

    • こちらも、収支と損益の両方の予実を見る。

  3. 上記2と並行して、日次資金繰り表を作成・運用する。




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