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クロスバイクで、初めてのツール・ド・東北を走ってきた(2019)

Masakiです。
ゆる〜く自転車に乗っていて、クロスバイクしか持っていないのですが、このたび、2019年9月15日に東北を舞台に開催された自転車のロングライド・イベント「ツール・ド・東北2019」に参加して、無事に100km(気仙沼ワンフェイフォンド)を完走してきました!
自ら記録と記憶を残すとともに、世の中にいるぼくのようなゆるい自転車乗りの人に役に立てばと思って、参加の経緯からライドの様子までをざっとnoteにまとめます。

ちなみにこんなクロスバイクに乗っています。重さ13kgくらいのGIANTのモデルです。タイヤは27.5*1.5インチということでやや太め、完全に日常乗り用です。

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普段の練習量は…0です。特に自転車チームに所属もしていません。また、これまでに自転車の部活などの経験があるわけでもありません。もちろん、レースやロングライドに出場したことは過去には1回もないです。
月平均の走行距離は、最近はめっきり減って20〜30kmくらいしかないと思います(汗)。
年齢は34歳の男性。この数ヶ月、あんまり運動もしていません…。
住んでるのは東京都内です。
弱虫ペダルはアニメは全部観ています!ケイデンス30回転上げる小野田坂道が怪物だということはなんとなく分かります(笑)。

ということでどんな自転車に乗っているかと、どれくらいの能力を持っているかとを紹介しましたので、こっからは、申込みのきっかけ、途中の選択、そしてライド当日の出来事といった順番で書いていきます。

ツールド東北との出会い

詳細は忘れちゃったのですが、昨年、2018年の9月頃に知人からツールド東北の存在を教えてもらい、「よかったら来年出てみては?」とオススメされました。その時点でだいぶ興味は持ったものの、実際に2019年のツールド東北に申し込むかどうかは正直その時点では、五分五分か、それより低い確率だろうと思っていました。だって、ロードバイクを持っていなかったから…(今も持っていないわけですが)。

申し込むきっかけ

ということで、頭の中になんとなくツールド東北の認識はあったのですが、果たして自分が申し込めるのかどうかと迷っていた今年の3月。たまたま、「イベント企画者のための勉強会」みたいな趣旨のイベントにて出会った方(Sさん)と雑談をしていたときに、そのSさんがなんとヤフー社員で、ツールド東北の企画運営チームの方だと分かりました!
「いやー、すごく興味はあるんですよね。でもド素人が出ていいのかどうか迷っていて。」みたいなことを話したら「大丈夫ですよ、いろんな長さや特徴のコースがありますし。」みたいなことを言っていただいて、そんならちょっとイベントのWebサイトを見てみようと思って家に帰りました。
で、色々と調べてみたら、なるほど、どのコースも1日(朝6時ごろから夕方まで)完結だけど、長さや特徴がたしかに多様だと分かり。これならぼくでも出れるかもと思い、だいぶ参加に前向きになりました。
ヤフーのSさん、ありがとうございました!

どのコースに応募する?

調べてわかったことは、ひとまず10〜11時間程度の制限時間の中で、210km、170km、100km、65kmのコースにおおよそ分類できるということ。
仮に10時間として、平均時速をどれくらい出せば完走できるか考えると、それぞれ21km/h、17km/h、10km/h、6.5km/hとなります。
さすがに最後のやつはクロスバイクで練習全然してないぽくでも余裕すぎるのではないかと思いましたが、一方で210kmのはたぶん無理だなと。高低差も相当あるみたいだし。ということで、出るならギリギリ可能かもしれない170kmか、たぶん大丈夫であろう100kmのどっちかにしようと思いました。

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Facebookでの知恵募集

自分に知識と経験がまったくない領域で意思決定するには、そりゃ詳しい人に聞くべき!と思いました。が、そもそも自分の友人の中で誰が自転車に詳しいのか分からない(笑)。
ということで、募集開始の5月に、自分のFacebookのタイムラインに投稿してみました。
「クロスバイクしか持ってない人なんですけど、どのコースだったらちょうどいいチャレンジになるでしょうか?」
「何か気をつけることや、知っておくべきことがあったら教えてください。」
と。
そうしたら、親切な友人の方々が、実にいろいろとアドバイスをしてくれました!この場を借りて改めてお礼申し上げます。
「この人、自転車めっちゃ詳しいんだ!」という発見があったことも、個人的にはとてもおもしろかったです。
あとは、友人のなかで2人「自分も出たい!」という方が名乗り出てくれまして。じゃあ一緒に出ますか!となりました。

コースを決めて申し込む、そして抽選へ

結論としては、100kmライドに申し込みました。参加したいと他に行ってくれた友人2人とともに。
ツールド東北2019では、100kmライドは2種類ありました。スタートとゴールが同じ石巻である「北上フォンド」と、気仙沼スタートで石巻ゴールの「気仙沼ワンウェイ(OW)フォンド」。
せっかくならスタートとゴールが違うほうが旅を楽しめるかな?ということで、気仙沼OWを選びました。
しかし、ツールド東北は抽選制!当たらないと出走できません。過去の参加者の方のブログとかを読んでみると、落選した方もいるらしい…。もちろん、東京マラソンの10倍とか、そんな鬼の倍率では全然なさそうだなとは思いましたが。
3人揃って当たることを信じて、結果発表日(6月)を待ちました。
結果は、無事に3人とも当選!よかったよかった。

自転車をどこまでカスタマイズするか

ということで出走が決まり、あとはFacebookでもらったアドバイスを基に、どこまで自転車をカスタマイズするかというのを考えることにしました。
なお、ロードバイクを買う、は一応今年の選択肢からは外しました。買ってからしょっちゅう乗って練習し続ける自分の姿が想像できなかったので…(汗)。
ということでクロスバイクのカスタマイズですが、大きく分けて以下の3点が候補かなと思いました。
①ホイール&タイヤ
②ハンドル
③ペダル(ビンディング)
自転車に詳しい方にとっては当たり前すぎる話だと思いますが、いちおうこのnoteは自転車詳しくないぼくみたいな人に向けて書いているので、補足を書きます。
結局のところ、自転車を速く進ませるには「抵抗をなくす」「力を効率よく伝えて速度に変換する」という2点が本質だということを教えてもらいました。
抵抗は、おもに2つあって、空気抵抗と摩擦抵抗。
①のタイヤは、路面との接地面にあたるので、摩擦抵抗に関わってきます。細いタイヤのほうが摩擦抵抗が少なく、逆にマウンテンバイクの太いタイヤだと安定するし乗り心地は良くなるものの抵抗が増えてしまいます。ちなみにぼくのタイヤは3年前に買ったときと同じ、1.5インチという街乗り用のちょっと太めのタイヤでした。
ホイール、タイヤ、でもって中のチューブを換えて、と考えると、費用としてはゆうに1万円以上かかってきます。しかも前後輪なので2倍…。お値段も悩ましいところです。
②のハンドルは、付け替えることでフォームが大きく変わってきます。それによって、空気抵抗が大きく変わります。これに関しては、とはいえ、ハンドルを変えただけで劇的に速くなるわけではなくて。筋力をつけたり、練習したりすることで、空気抵抗の少ないフォームをあまり疲れずに維持できるようになることが本質です。ちなみにぼくのハンドルは買った時のままのフラットバーと呼ばれるものがついていました。
これを換えると、工賃などを含めて1-2万円はかかるのではないかと思います。
③のペダルは、これを交換して、ビンディングという、専用のシューズを履くことでがっちりはめることができるパーツがついたペダルにすることが可能です。これによって、自転車のペダルを踏み込むときだけでなく、引き上げるときにも力を伝えることができるようになります。ネットで色々調べるところでは、これがあるとないとでは天地の差だそうで。ビンディングを使ったことのない僕でも想像がつきました。
ただし、これを着けると、日常の街乗りではやや不便になるというトレードオフもあります。シューズも専用のシューズをつけて乗ることになりますが、そのシューズは街を歩くには向いていません。また、シューズを買う費用も10,000円以上かかってきます。

ということで、結論ですが、ここまでいろいろ書いたのにぼくは①〜③のどれも変えませんでした!
理由のひとつは費用面。3つ全部取り替えると、なんならエントリーモデルのロードバイク(10万円弱)が買える金額に近づきます(笑)。それだったら、もうロードバイク買おうよ、って話かと思いました。
もうひとつは、カスタマイズをしてしまうと普段乗りにくくなりそうだなーと。
ぼくはほんとに普段の交通手段として自転車を使ってる人なので、そこを引き換えてまでカスタマイズしなくていいかなと思いました。

気づいてしまった輸送と移動の問題、その解決

ということで、クロスバイクでツールド東北100km気仙沼OWに出ることになったのですが…そこではたと問題に気付きました。
というのは、スタート地点とゴール地点が違うということは、「ツールド東北参加メンバーで車に乗ってスタート地点に行く」というやり方が使えない!ということです。
そりゃそうですよね。気仙沼に車を置いて出走したら、ゴールした石巻に車はない。その間100km。バスも走ってないし、戻ることができない。
もちろん、主催者側からは色々な方法がちゃんとWebサイトで提示されてまして。わかりやすいのは電車などの公共交通機関を使うこと。それであれば、スタート地点に身体と自転車を持っていけますからもちろん問題ない。あとは、宅配便業者さんが提供する「自転車輸送専用便」を使うことで、自転車を輪行する手間もなくなります。
ただこの方法、費用がかかるんですよねやはり。新幹線+在来線で東京からスタート地点の気仙沼まで行くと、10,000円以上かかります。そして輪行する場合には、当たり前ですが輪行ができなくてはいけません。要するに、自転車から前後輪を外して、フレームと一緒に縛って専用の輪行袋に入れて、担いで持っていく。
ぼくは、どうにもこれが苦手なのです。練習不足だと言われたらそれまでなんですが、これまで書いてきたように、普段街乗りをちょっとしてるだけのゆるい人なので、輪行作業だけでめちゃくちゃ時間と労力を使ってしまいます。できたら完成車のまま持っていきたい。しかし、完成車のまま電車に乗せることはもちろんNGですし、かといって自転車輸送便を使うとそれはそれで10,000円近くの追加出費(往復したら20,000円近く)になるので、それもちょっと懐具合からしてキツイ。

と思っていた時に、天啓が。要するに、出走しないで車を運転してくれる人の助けが借りられたらば、車に完成車ごと積んでスタートの気仙沼に行き、我々3人は出走し、そのあいだに車をゴール地点に運んでもらえば、無事にゴールでまた自転車を積んで帰れるわけです。
が、こんなお願いを受けてくれる人はそうそういない、というか申し訳なくて頼めないよなぁそんなこと、と思っておりました時に、最後に頼んだのはうちの両親でした。
この場を借りて、行き帰りの運転をしてくれた父と、一緒に来てくれた母に改めて感謝します。

宿をとろう

ツールド東北は、午前6時ごろからがスタート時刻です。ということで、前日にはスタート地点の近くに泊まることがほぼ必須です(中にはもしかしたら夜行バスとかでやってきたツワモノの方もいるのかもですが)。
ということで気仙沼近くの宿を探したのですが、僕が探した価格帯(ひとり3,000円くらい…)のところは全然見つけられませんでした。いやほんと、泊まるだけでいいんですと思っていたんですが、行楽シーズンの3連休初日の土曜日夜ということもあってか、じゃらんや楽天トラベルやらを見ても、求める価格帯と場所の宿はなく。
そんなときに見つけたのが、「気仙沼大島休暇村のキャンプ場」でした。常設テントに3人で泊まったのですが、だいたい1人1,800円の計算になりました。スタート地点までは10kmくらい離れているのですが、それもまあ準備運動になるだろうということで、宿はここに決めました。

いよいよ前日!東北に出発

というようなところで、前準備はだいたい整い、いざイベント前日の9/14(土)になりました。
予約していたハイエースを借りて、荷物を積み込んで、ぼく含めて参加者3人と、うちの両親の5人で東京を出発しました。
東北道と常磐道、どっちで行ってもだいたい同じ時間くらいということで、今回は常磐道を選択。8時過ぎに都内を出て、とくに渋滞もなく、適度に休憩して食事しつつ、17時頃にキャンプ場に着きました。
この日は若干の雨模様でしたが、翌日のイベントの日はきれいに晴れていたのは幸運でした。

イベント当日は超早起き

キャンプ場で22時ごろに寝て、当日の起床は4時すぎ!そんなに早起きしたのは、いつ以来だろう。
支度をして、5時頃に出発。外はまだ暗いです。
10kmほどを安全に走って、6時前には気仙沼のpier7という場所に着きました。ここがスタート地点。
すでに大勢のライダーたちが集まっていました。
準備が整った人から、スタートゲートのほうに移動していきます。
我々は移動せず、のんびり写真などを撮っていました。

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開会の一言を話すヤフーの川邊社長。遠くて見えないけど...。

スタートは、午後6時半から、20人ずつを4分ごとに出走する、という形でおこなわれていきます。ということを、スタートゲートの列にようやくに並んでから、初めて知る我々でした(笑)。
どうにで、みんな早く会場入りするわけです。
スタートゲート前に行く前に、ぶらぶら過ごしていた我々。スタート列に並んだときには、すでに数百名が列をなしていました(笑)。結局、ぼくら3人がスタートしたのは、第16組。すなわち、6時半の最初のスタートから、4分*15組=60分が過ぎた、7時半でした。
脚力にも車体スペックにもまったく自信がないぼくみたいな人は、間違いなくもっと早くスタート地点について、スタート列に並んだほうが良かったなと思いました。
しかも、ゴールの制限時間は、スタートできる時間に関わらず一緒(17時30分)なので…。スタート待ちもけっこう疲れますし、制限時間に対する猶予も減っていくということで、精神的にキツイです(笑)。
もちろん、安全のためを考えたら、分けてスタートしていく仕組みは正しいです。なので、早くスタートしたければ早くスタートに行くべし!という学びでした。

あれ…みんなロードバイクじゃん

スタートの前、列の相当後方に並んだ結果、ほかの参加者たちの姿や乗っている自転車をたくさん観察することはできました。その結果わかったことは、ほとんど全員、ロードバイクだった、ということでした。
ロードバイク以外の人は少数派だろうと思っていましたがまさかここまで少数だったとは。ちゃんと数えたわけではないんですが、気仙沼OWの約400人の参加者のうち、ロードバイク以外に乗っていたひとは、2〜3%しかいなのではないかと思いました。10台以下。
ちなみに我々3人はというと、Aさんがロードバイク、ぼくがクロスバイク、そしてもう1人の友人のNさんはなんとマウンテンバイクでした(笑)。さすがに彼もタイヤは舗装路用に交換していましたが…!
彼も、ぼくと同じく自転車は普段街乗りしているだけで、ロードバイクは持っていないのでした。
このバイク選択(って選んでないけど)が、あとで効いてくる…。ことをこの時点ではまだ知らないのでした。

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いざスタート!

ということで、前15組が行ってから、ようやっと7時30分にスタートできました。最初は、平地が続きます。
ようやくこの時点でちゃんと気づいたのですが、ツールド東北では、完全に公道を走ること、そして交通規制などは一切行われていないこと、がルートの仕様です。これも、自転車のロングライドイベントにたくさん参加する方からすると常識なのかもですが、ぼくはあまり理解していませんでした。
ということで、車道の左端を1列になって走行します。この時点では、正直全然速度は速いわけではなくて、ロードバイクの参加者とほとんど同じ速度で順調に走ることができました。
12kmほどして、最初のエイドステーション。最初の食事はコッペパンとフローズン苺!美味でした。


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笑顔でエイドで補給いただけるうれしさ。

楽勝じゃんと思っていたら…

なんだ、みんながロードバイクだからちょっと萎縮しちゃってたけど全然楽勝でいけますよこれは。と思っていたら、はい、ここからが大変でした。
起伏です。坂です。容赦なく、坂が現れてきました。
気仙沼OWは、ほとんど海沿いの公道を行くルートですが、海沿いといっても完全に沿岸ではなく、ある程度内陸の道路もたくさんあるわけです。そして、そこにはたくさんの起伏がありました。
我々3人、基本的には一緒に走っていたのですが、基本的にはロードバイクのAさんは楽勝そうでした。もちろんバイクのスペックもあるけど、彼自身かなり脚力が強いので。ぼくはというと、まあちょっと大変だけど、走れないことはないなという印象。一番たいへんだったのがマウンテンバイクのNさん。車体が重いのもあるし、彼自身の脚力が若干自転車を坂で持ち上げるのに足りていないのと、あとはギアの切り替えがあまりスムーズでないのがつらそうでした…。ということで、ぼくらの中では一番自転車に詳しいAさんがレクチャーしつつ、励ましつつ、なんとか高低差を乗り越えて進んでいきました。

一番大変だった26kmから51km

26kmのエイドを越えて、51km、ちょうど中間くらいにあるホテル観洋までの区間が一番たいへんだったような気がします。がんばってもまだ半分も来ていないんだ…ということでメンタルが削られる。逆に半分を過ぎてからは、「残り半分以下だ!」と思えばわりと元気が出てきます。人間、不思議なものです。

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なぜか巨大なラプラスがいたので思わず記念撮影。

エイドが温かい、メシが美味い

このあと、エイドは63km、72kmにあるのですが、結論、すべてのエイドの満足度がとっても高い!提供してもらえる食べ物は身体に染み渡る美味しさだし、そこにいる運営やボランティアの皆さんがとっても温かい。水やスポーツドリンク類、塩もたっぷりと補給させてもらえるのも非常に助かります。この日は最高気温が28度くらいあったのかな?9月の東北としては異例なほどの暑さでしたが、無事に熱中症にもならず、ハンガーノック(糖分が切れて動けなくなる現象)も起こさず、進んでいけました。

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エイドのみなさまに、本当に感謝!

沿道の応援がうれしい

気仙沼OWの場合は、特にこれは前半がそうですが、沿道に地元の方が出て、応援の声をかけてくれます。これが力になる。テレビで見るマラソンなどのようにぎっしりというわけではなく、むしろ相当に距離は空いていますが、だからこそ応援されてる皆さんの姿をはっきり見ることができて良いなぁと思いました。
あとは沿道ではないけど、道路の反対車線をやってくるライダーたちにも次々とすれ違います。気仙沼OWではなくて、おそらくもっと長い距離のライダーたちだと思いますが、こっちが緩やかな上り坂のときには、あちらから「がんばれ!」と言ってもらえます。なので逆にこっちがゆるい下りで、あちらがゆるい上りのときには、こちらから「ファイト!」と声を掛ける。これは、起伏がたくさんあるコースならではの特徴だろうなと思いました。

ラスト28kmは気持ちよく疾走

なんとかかんとか72kmまでやってきました。ここからあとはほぼ平地、ということをエイドステーションにいた人に教えてもらい、テンションが上がりました。最後は平地だし、もう各人好きに走ろうよ、ということで我々3人もチームを解散(笑)。各自勝手にゴールまで向かいました。
最後の区間の途中には、震災遺構である大川小学校がありました。震災の時に80名を越える児童や教師が亡くなったことで知られています。足を止めて、少し時間をとってみようと思っていたら、気がついたら横を過ぎ去ってしまっていました…。
大川小学校に限らず、ツールド東北は、震災の津波の被害を受けたエリアがコースに多く含まれています。それを見て、感じて、考えることもこのイベントの1つ大きな意味だと思います。途中、新しく盛り土をして、造り直した道路や土手をいくつも見ました。

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土手に並んで写真を撮ったりするのもツールド東北の楽しさ。

そしてゴールへ

最後の区間は、実は距離の違う各コースの参加者たちがどんどん合流してきます。というのも、ほとんどのコースのゴールは同じ石巻専修大学になっているので、ちょうどそれが最後に皆集まってくるのです。ぼくたち気仙沼OWの参加者は6000番台のゼッケンですが、1000番台や8000番台といった違うコースの人たちとどんどん合流していくと、一体感が出てきます。みんなで、ツールド東北を作っている、そんな気持ちになります。
速度も本当にバラバラで、速い人は信じられないくらいに速いです。あとでわかった所、ゼッケン1000番台の参加者は210kmコースだということ。つまりぼくの2倍の距離を走っている人が、ほぼ同じ時間にゴールに来るわけですから、どれだけ速いかというともう驚くべきです。
追い抜くときには「抜きます〜」とわかりやすく声がけをするのが安全に抜くのに望ましいマナー。速い人ほど、そのマナーが徹底されているというか、周りが見えていて気遣う余裕があるのかなと思いました。ぼくも、ちょろっとだけ抜く機会があったので、積極的に声と、手のサインを出すようにしてみました。こういう自転車ならではのコミュニケーション方法を学んで実践することも、初心者にはやりがい、手応えがあることです。
最後、気持ちよく駆け抜けて、無事にゴール!

ゴールの石巻専修大学に、数千台ならぶ自転車が壮観。みんな、駆け抜けた。

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ゴールの後、現場運営に当たっておられたヤフーのSさんに連絡して、数ヶ月ぶりに再会もできました!

記録

Stravaという自転車やランニングで使える、GPS対応のルート記録アプリを使っていたので、所要時間がわかりました。
スタートが7時30分で、ゴールしたのがちょうど15時。ということで、ライドの全体時間は7時間30分でした。Stravaのすごいところは、実際に走行していた時間と、休憩していた時間を分けて測定して記録してくれているところ。実際に移動走行していた時間は6時間ちょうどくらいでした。ということで、休憩を除いた平均速度は17km/h、休憩込みでの平均速度は14km/h程度ということがわかりました。
このペースだと、170kmに出場していたら、17時半のゴール関門時刻どころか、その手前のエイドで制限時間に引っかかってしまっていたでしょう。ということで、100kmライドという選択はちょうど良かったなとわかりました。
ちなみにロードバイクのAさんはぼくより30分くらい早くゴールしていて、マウンテンバイクのNさんはぼくより30分くらい遅いゴールでした。脚力、技術、そして車体性能の違いって、平地でも顕著だなぁと実感しました。
弱虫ペダルの初期に、ママチャリの小野田坂道くんがロードバイクの今泉くんと上り坂で張り合えていたのは、マジで小野田くんがバケモノすぎるということがよく分かりました…。どう考えても天才です。

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こちら、StravaがGPSデータを基に作画してくれる移動ルート。いろんなところを通ったなぁとしみじみ。

総じての感想

いやもう本当に、出てよかった!完走できてよかった!
自分の体力、技術、そして車体性能を考えて、無理せずにちょうどよいコースを選べたことが結果的にこの充実感に繋がったかなと思います。
これがタイムを競うレースだったら、さすがに出場はしなかったと思います。タイムではなく、震災の被害を受け、そこからの復興を進める街と、そこに住む皆さん、そしてイベントの企画運営やボランティアを通じてそこに集まった皆さんと、交流し、美味しい地元の食べ物を食べながら、競争ではなくて共創&協奏で場を作り上げていくことが最大の目的であるイベント。それがツールド東北なんだ、ということが、出場してみてよくわかりました!
スタート地点で出走前に挨拶していたヤフーの川邊社長は「10年続けたい」と言っていました。ツールド東北が始まったのが2013年とのことなので、今年が7回目。少なくとも、あと3回は開催されることが期待されるのではないかと思います。
ロードバイクを持っている人はもちろんのこと、ぼくのようにロードバイクは持っていないという人も、きっと充実感を味わえるのではと思いますので、興味があればぜひ来年の出場を考えてみてください〜!

持ってて良かったもの、もらえて助かったもの

記録&記憶として。
ライドの観点では、何よりも良かったのはサイクルジャージでしょうか。ツールド東北は、ヘルメットと手袋を着用する義務はありますが、別に衣服の指定はありません。しかし、せっかくならと思ってサイクルジャージを購入して、ライド当日に初めて着てみたところ(完全にツッコミどころ)、お尻にパッドが入ってるおかげで長く漕いでも全然お尻が痛くなりません!これはとっても助かりました。

あとは、自転車のフレームにくっつけるドリンクホルダー。これもロードバイクに乗る人からしたら当たり前でしょうけど。ぼくはクロスバイクを買って3年間で、つけたことがありませんでした。今回、ロングライドに出るし、試しに付けてみようと思って取り付けみたら、なんとまあ役に立つ。もっと早くから付けてれば良かった!

あとはライドに直接役立ってはいませんが、ぼくはデータ集めが好きなので、スマホを持ってStravaアプリを起動してずっと速度を計測していたことで、ゴールしてから見てみた時に発見がたくさん得られて、満足しました。
これもロードバイク乗りならサイコン(サイクルコンピューター)を取り付けるのが王道だと思いますが、普段ちょろっと自転車に乗るだけの自分としてはStravaで充分に欲しい機能は足りました。

一緒に参加したメンバーがいる場合は、エイドステーションやゴール地点で姿が見えないときに連絡できるといいのでスマホを持っているのはマストかと思います。が、電池が切れたら役に立ちません!ということで、モバイルバッテリー(と充電ケーブルも)は2000mA程度のもので充分なので、1つは持っておくと安心だと思います。ぼくは今回自分は使わなかったけど、仲間に貸しました。

もらったもの、というと、エイドステーションでスポンサーさんが提供していた日焼け止めがありがたかったです。この日はすごい日差しだったので…。しかし日焼け止めたっぷり塗っても、肌が出ていた部分はかなり焼けました。

来年はどうしよう?

ということで総じてとても満足したイベントでした。ただ、来年もまた出場するか?というと、けっこう迷っています。
一番の理由は、また100kmに出場しても、問題なく完走できることが分かっているので、不安要素というかチャレンジ要素があまりないなーと自分のなかで感じていること。
とはいえ、1つ距離を上げて170kmにしたら、今度は時間内にゴールできないのでは…という気持ちもあります(クロスバイクなら)。
制限時間内にゴールするのに必死になって、エイドステーションや、遺構のところで時間を使わないのも、なんかツールド東北を満喫できない気もしていまして。
一番妥当な選択は、ロードバイクを入手して、ちゃんとビンディングをつけて専用シューズも買い、道具を整えたのちに、せっせと練習を重ね、あるいは他の人と一緒にロングライドの経験を積んで、フォームや走り方、隊列走行技術を高めていくことでしょう。実際の所、210kmコースなどを高速で駆け抜けるためには、チーム参加で、がっちりトレイン(1列走行で空気抵抗を抑えて、先頭を替わりながらチーム全体で高速走行する)を組まれる方も多いようです。
このへんは極めて妥当な選択であり、速くなりたいなら間違いなく目指すべきところかなと思います。
しかし、自分自身がそこまでハマって自転車にお金や時間を投資していくかというと、ちょっとわからないなーというのが本音。

といっても、もしかしたら半年後くらいには、思わぬきっかけで、もしかしたら普通にロードバイクを入手してしまっている、なんてこともあるかもですが(笑)。そしたら、出るでしょうね!

ツールド東北の情報はこちらのWebサイトから!

興味ある方はツイッターをフォローするのもいいと思います!

というところで、クロスバイクしか持っていないぼくのツールド東北初参加の記録を終わりにします。長い!(笑)

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