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デジタルマーケターが押さえておきたい店頭の基本Vol.1(店頭棚割作成編)

みなさん、こんにちは。
ソーシャルメディアマーケティングに強い会社『トライバルメディアハウス』で主にtoC向け商品を扱っていらっしゃる企業様のマーケティング支援をさせていただいてる杉山です。

今回もデジタル・ソーシャルメディアマーケターがちょっと知っていると日々のクライアントとの打ち合わせにも役立つ情報をお届けしたいと思います。

前回の記事では現状の店頭におけるECとの購買比率をご紹介しましたが、今回からはより店頭にフォーカスしてお話をしていきたいと思います。
デジタルを担当している我々にとって、売場はなかなか遠い存在です。しかし、担当している商品がどういうカテゴリーの棚に置かれていて、その棚のどんな場所に展開されているのか、周りにはどんな商品が並んでいるのかを知ることは担当商品のおかれている状況を把握する、どんな競合商品が存在しているのかを知るうえでとても重要となります。

そこで今回はスーパーなどの店頭における商品の陳列の仕方、所謂棚割りについて説明したいと思います。

棚割りとは・・・
さらっと棚割りと書いてしまっていましたが、お店の棚に並んでいる商品はその棚での売上効率(棚効率)を最大化させるために「どんな商品を」「どの位置(段)」に「何個(何フェイス)」で陳列するかを決めたうえで展開されています。

商品の陳列できるスペースは限られていますので、陳列する商品数、その商品1つ1つのフェイス数(面)などバランスを取りながら棚効率を最大化させることが棚割りの重要なポイントです。

棚割りが作成され、決定するまでの流れ

また棚割りは毎週や毎月変わるものではなく、基本棚割りとしては新商品が多く出るタイミングや季節の変わり目である春夏棚割りへの変更を3-4月、秋冬棚割りへの変更を9-10月頃に実施しています。
ざっくりですが年間を通じたメーカーとバイヤーとの商談および棚割り変更のスケジュールは下図のようになります。

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まずはスーパーなどにおける棚割がどのようにして決められているのかをご紹介します。
各商品カテゴリーにはそのカテゴリー内での売上規模の大きいカテゴリーキャプテンと呼ばれるメーカーが決められています。
そのカテゴリーキャプテンは基本的には大手メーカーとなります。たいてい大手メーカーはPOSデータ(POS:Point of Sales)をデータ会社から業態やカテゴリー毎に購入をしています。そのカテゴリーキャプテンがPOSデータなどの情報に基づいて次回の棚割り提案を流通企業の商品バイヤーへ提案をするのが大きな流れとなります。(※カテゴリーを担当している卸会社がその役目を担う場合も多々あります)
そこから、商品バイヤーが仕入れ商品やトレンド、自社でプッシュしたい商品などを組み入れて最終的な棚割りを作成します。

POSデータとID-POSデータ

POSデータの情報(顧客情報に紐づかない購買データ)
・商品が購入された日時
・商品が購入された店舗名
・商品が販売された個数
・購入された商品名
・購入された商品価格

このPOSデータに会員カードやクレジットカード、キャッシュレス決済などで得られる顧客情報を付加したものをID-POSデータと言います。

ID-POS(顧客情報に紐づいた購買データ)
・POSデータで収集できる情報
・顧客の性別情報
・顧客の年代情報

具体的な棚割りの考え方

では一枚の画像を使って棚割りを構成している考え方をご紹介していきましょう。

まず最初は何といっても「品揃え」です。上記で書いたようにPOSデータをもとにこの品揃えを決めていきます。この品揃えではお客様のお買い物が楽しくなる品揃えをすることで、「またあのお店にお買い物に行きたい!」と思ってもらえるラインアップを揃える必要があります。流通企業の色や店舗の色はこの品揃えで違ってきます。

品揃えが決まったら、次は「グルーピング」です。
このグルーピングは簡単に言うと、商品をカテゴリー毎に分けることを言います。メーカー別や価格帯や形状、サイズ・容量などで区分分けしていきます。
下の画像を参考にしてみると、上部の赤枠は小容量の瓶、中段は缶飲料、下段は大型の瓶という風にグルーピングされています。
この目的は、お客様が「探しやす」「見やすい」「商品の違いが分かりやす」ことでお買い物をしやすくすることにあります。

グルーピング

グルーピングによる分類ができたら「ゾーニング」です。
ゾーニングではそれぞれの商品群のスペース配分や配置、縦方向陳列のバーチカル陳列、横方向のホリゾンタル陳列などを考えて行われます。

また「ゴールデンゾーン」と呼ばれるお客様の目線の位置にある棚にどの商品をラインアップするかによってもその棚での売り上げを大きく左右します。下の画像の場合、ゴールデンゾーンは上から2段目となりそうです。缶飲料で飲みやすく手に取りやすい。また、その下段の商品よりも商品単価が若干高めに設定されている商品群となります。こういった狙いをもってゴールデンゾーンに展開する商品を設定し、目立たせお客様に手に取ってもらいやすくすることで購入率を高めることができます。
※陳列什器によっては「ゴールデンゾーン」の場所が異なります。

ゾーニング

最後に「フェイシング(フェイス)」です。同一商品を何個(横に)置くかということになります。下の画像の場合、黄枠の商品は3個並んでいますので、3フェイスとなります。売れ筋の商品(売りたい商品)などはフェイス数を確保することで目立たせ、お客様に気づいてもらいやすくするとともに、当然回転が速くなりますので十分な商品を陳列しておく必要がありますのでフェイスを多く確保する必要があります。

フェイス

棚割り作成のまとめ

【棚割りを構成する4つ要素】
①品揃え
②グルーピング
③ゾーニング
④フェイシング

上記の4つを考慮したうえで棚割りが作成されるわけですが、1つのスーパーのチェーンでも例えば飲料コーナーの棚の本数が店舗ごとに異なってきます。その場合は最大棚割りが棚10本だった場合を最大として、6本パターン、4本パターンなど品揃えを減らし、棚の本数に合わせて棚割りを作成をします。

さいごに・・・

皆さんが担当されている商品がそのカテゴリーの棚のどの位置に展開されていて、どういった商品とゾーニング、グルーピングされているか是非店頭で見てみてください。デジタル上での商品の立ち位置と、店頭でのその商品の立ち位置が必ずしも一致しないことも多いかと思います。店頭展開を把握したうえでデジタル施策などの企画立案をされるとより説得力の増す提案ができると思います。

今回は「棚割り」について書いてみましたが、今後も引き続き我々デジタル・ソーシャルメディアマーケターが知っておくべき店頭の基本をお伝えしていきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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