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カジュアル着物男子デビューと日本版サプールのすゝめ

はじめまして、僕は名前の最後が「キ」の着物好きは、まず最初に思いつきそうな「マサキモノ」という名でカジュアルに着物を楽しんでいる一般男性です。

2019年に着物デビューしたばかりの新参者ですが、想像以上に面白いのと同時に知らない事が多過ぎなためSNSを始めました。

たくさんの方のアドバイスのお陰で充実した着物ライフです。

そんな僕から「アナタも服の選択肢に着物を加えて日本のサプールになりませんか?」というご提案です。

着物を始める時に僕自身が感じた不安や疑問とその解決をまとめました。前半は入門編、後半は実践アレンジ編です。


着物、着たことありますか?

七五三・成人式・結婚式など人生の節目ごとに着物チャンスがある女性と違い、男性は未体験者がほとんどです。

でも、着物を着ることに対して「ヘドが出るほど嫌だね!」とか「着物着るくらいなら全裸の方がマシ」なんて言う人に、僕は今まで会ったことがありません。

むしろ「浴衣姿で花火を見上げる」とか「初詣に着物で出かけ手を合わせる」なんて楽しい想像だと思いますし、実際にとても素敵な時間です。

日本にいるとドラマ・映画・演劇・漫画とあらゆるチャンネルで目にする男性の着物姿に(いつか着てみたいなー)なんて思っている潜在着物男子は意外と多いと思っています。

でも、「着物って高そう…」「着るの難しそう…」って思いませんか?わかります。僕は思っていましたよ。


着物男子への不安その1 「お高いんでしょう?」

着物は金持ちが着る服イメージ、ちょっとありますよね?現代が舞台の漫画などでは会長的なおじさんが着る服的な。

実際、お仕立て(オーダー)した場合はそれなりです。おおよそ5万から10万くらいは見ておいた方が良いっぽいです。(僕もまだお仕立て未経験です)

ー 5〜10万円内訳イメージ ー

  【生地代】(数千円〜数万円)
 (ヤフオクから呉服屋さんまでどこで入手するかによる)
【お仕立て代】(3〜5万円)

価格的にはセミオーダースーツ位だと思うのですが、最初にポン!と払える金額では無いかなぁと思います。

でも!中古着物ならユニクロ以下です。

僕が初めて買った着物はアンサンブルという着物と羽織がセットのもの(セットアップ的な)で価格はなななんと1,000円でした。

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この、目を疑う着物セット1,000円を見つけた瞬間から僕の目の色は変わりました。ちなみにこの価格は中古着物市場では普通の事なのです。

中古着物屋さんは全国各地にあります。


東京・京都・名古屋中古着物マップ

東京・京都・名古屋中古着物マップをTwitterの着物民様達のご協力で作りました。お近くの方は店舗の多さも含めてご確認ご活用ください。

この3都市近辺に住んでないよ!って方もご安心ください。僕は北海道ですが全国どこにでも大体オフハウスがあり、中古着物をたくさん取り扱っています。

接客が苦手な方には全国のオフハウスがオススメ

上記サイトから取扱商品「和服・和装小物」で検索してお近くの店舗を探してみてください。

行ったことがある方はわかるかと思いますが、オフハウスは完全な放置プレイの為、心ゆくまで眺めたり羽織ったり値札をガン見できます。

(なんか売りつけられたら嫌だな…)って初心者には勿論のこと、掘り出し物ハンターにもオススメです。


着物男子への不安その2「着るの大変なんでしょ?」

着物デビューにあたり、もう一点気になる事と言えば「着方がわからないし難しそう…」があるでしょう。これも大丈夫です。

女性の着付けは手順や作業が多く大変なんですが、男性の場合、着物を着るための必要スキルは「帯の締め方を覚える」だけです。

正直、ネクタイを締めるよりも簡単です。

締め方はいくつかありますが、日常的には「片ばさみ」という締め方が簡単で後ろに厚みも出ないため、車の運転席やソファーに座るなど邪魔にならずオススメです。

色んな方が動画あげてますが、「祭すみたやチャンネル」てのが目についたのでご紹介します。見ながらやれば誰でもできます!

着物を「和服」として着る場合、結構必要なものがある


・着物は安く仕入れられる!
・帯が締めれれば着れる!

まで来ました。

さて、着物を着るというと、とりあえず画像のような「the和服」というイメージだと思うのですがどうですか?

これは近所の神社で撮った令和元年記念写真です。こんな感じの教科書通りに「和服」として着る場合、必要アイテムは下記8点です。

1)長着(いわゆる着物)
2)襦袢(着物型の下着)
3)羽織(ジャケット的な)
4)羽織紐(羽織を閉じる紐。画像はボンボン風)
5)腰紐2本(襦袢で1本、長着で1本使う)
6)帯(角帯というのが一般的)
7)足袋(お好みの色を)
8)雪駄(お好みの物を)

写真で僕が着ている一式は、いただき物もありますが足袋以外は全て中古品です。

襦袢、長着、羽織は近くの着物屋さんやリサイクルショップで探し、着物アイテムはメルカリ・ヤフオクでGETできれば、かなり安価に揃うと思います。

初めて着物を着て出かける時の興奮やワクワク感は、思春期に初めて自分で選んで買った服で遊びに出かけるような緊張感も有り、絶対に楽しいので是非皆さんにも体験して欲しい遊びの一つです。

でも、正直な話し。

頑張って揃えて着たものの(とりあえず着れたし良いかなぁ)と思う人や、現時点で(色々揃えるのちょっと大変だなぁ)と思ってる人がいることも僕にはお見通しです。

そんな方にオススメしたいのが和洋MIXでカジュアルに着物を楽しむ方法です。


洋服と合わせて楽しむ和洋MIX着物男子のすゝめ

着物を着る方々の中には日常的にとても自由にカジュアルに楽しんでいる方がたくさんいます。

持っている洋服やアイテムと合わせたいわゆる和洋MIXにすることで同じアンサンブル着物でも何通りにも楽しめます!

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紺のアンサンブルを・・・(2,000円くらいだったと思います)

ハットをかぶってYシャツを着たり

ストールを垂らしてブーツを履いたり

ボーダーロンTとスニーカーでカジュアルに着たり


「そんな着方していいの?」と思う人もいるかも知れません。

実際、着物を楽しむ女性の方々から「着物を着ていたら年配の方に注意をされた」と聞くことはあります。

でも式典に出る訳でもなく、普段何を着ようが誰に文句を言われる筋合いはありません。

ちなみにメンズは希少生物だからかも知れないですが、僕は知らない方に褒められたことはあれど文句を言われたことは一度も無いです。

とまあこんな感じで最初の一ヶ月くらいは楽しめたのですが、僕はだんだんと思うようになりました。

違う色や柄の着物も着たい!と、そしてぶつかったのが中古の男着物は地味問題です。


中古市場で手に入る男着物の幅の狭さ

中古でも色鮮やかなものも多い女性着物と違い、男着物には柄物は基本無く、色味も「茶、紺、ときどき深緑」みたいな感じです。

最近は1万円程度から買える洋服育ちにも馴染みやすいデニム着物や、プレタ(仕立て済み)のメンズ着物に攻めた柄物も増えているのですが、初心者にとって決して手軽とは言えない値段なんですよね。

この「地味問題」「価格問題」更には昔の男性は背が低めな方が多いので長身男性には頭の痛い「サイズ問題」も含めて一気に解決するのが、僕や一部の着物男子が取り入れている女性着物を着るという方法です。


派手!安い!長い!多い!女性着物との出会い

中古男着物には柄が無い事に気づき(仕立てるしかないのかなぁ)と思いながら、ちょっと敷居が高く感じていたアンティーク着物屋さんに行った時のことです。

またも茶と紺しかない男物にため息をついているとお姉さんが話しかけてくれました。

「あのー柄とか色がある男着物って中古では、やっぱ無いですよねぇ」
お姉さん「浴衣ではちょっとあるんですけどね、あとは女物着るとか」
「え?」
お姉さん「女物。女物直して着たり、そのまま着る人もいますよー」
「・・・その発想は無かったわ

僕の頭の中には着物は民族衣装なのでしきたりやルールがとても厳しい。知らんけど…というはっきりしない割に強い思い込みがありました。

先程も豪語した「普段着の服なんて好きなモノ着れば良くね?理論」と「洋服でも若い頃はレディース古着も着てたメモリー」が蘇りました。

そう思い直して改めて店内を見渡した時の、色とりどりの女性着物の量の多さと、これが突然すべて選択肢になった事実に、1,000円のアンサンブルを見つけた時以上に鼻息が荒くなったことを覚えています。

さらに重要な事としてオーダーで作る男物と違い、女性着物の「おはしょりを作る」という独特な着付け方法のため、長い着物だらけ(男物よりも)なんです。

サイズ問題も一気にクリアし「派手!安い!長い!多い!の4拍子」がここに実現しました。

※文末に女物を男物にする方法を書いたnote貼っておきます。

そこからは気に入った柄や色の女着物を血眼で買い漁るバーサーカー状態。好き勝手に着まくる日々でした。

何点か紹介させてください。

女着物を楽しむ和洋MIXコーディネート

デニムジャケットを着たり

着物コートをモノトーンで楽しんだり

サマーコートとして着たり

ダウンベストを着たり

赤いの着たり

黄色の着たり

緑いの着たり

やりたい放題楽しんでいます。


そしてやっとサプールの話し

コンゴ共和国のサプール、知ってる方も多いと思いますが。

1880年代以降、ヨーロッパ列強によるアフリカ諸国の植民地争いに巻き込まれたコンゴ。人々は暴力反対を訴え、平和を望む声が増えていくことになる。

サプールの発祥に関して有力なのは、社会活動家であったアンドレ・マツワが、フランスから戻る際に、パリのジェントルマンの装いをしていたことで、コンゴ人たちの賞賛を浴び、自分たちの平和信仰を「ファッション」として表現することになったという説だ。

  引用元:TABI LABO
「服が汚れるから戦わない」サプールに込められた平和のメッセージ

元々サプールに憧れがあったもののどこか照れ臭さが抜けなかった僕は、着物をファッションとして楽しむ人達を観察しているうちに彼らが段々サプールに見えてきました。

着物でサプール!自分もそうありたい!なんて素敵な趣味なんだ!と嬉しくなりました。

令和元年を迎える前日の僕のツイート

去年の今頃、世界がこんな風になるとは思っていなかったけど、やっぱり世界と自分が平穏でないとファッションは心から楽しめないなと改めて思った。

サプールは世界の一流洋服ブランドをベースにお洒落しまくってるけど、僕らの国には、ずーっと昔から世界に誇れるとてもお洒落な民族衣装がある。

貴方もサプールの気持ちで一緒に着物を楽しみませんか?

これを機会に新しい趣味として着物を始める人が一人でも増えたら嬉しいです。

そして今日、たまたまインドでも民族衣装を派手に自由に楽しんでいる人たちを見つけました!

僕らも他国から見た時、こんな感じで今の自分の尺度で、自国の伝統と楽しく遊んでるように見えたら最高だなと思います。


おまけ

女着物を着ることに抵抗のある方には、女物を男物に作り変えるという方法もあります。女物と男物の違いにも触れています。興味ある方はご覧ください。


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