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インタビュアーが教える、聞き上手になるコツ①自分自身を整える

思いを引き出すインタビュアー、鯨井啓子です。

日々インタビューをして回るのが生業の私ですが、その経験の中で得た相手が気持ちよくお話できる聞き方のコツをお伝えしていこうと思います。

傾聴に苦手意識のある方や、私と一緒でエンパス傾向など、相手の話に入り込みすぎてしまう傾向のある方には何かしらの発見があるのではないかと思います。是非参考にしてみてください。

①まずは自分自身の肉体から
②自分自身の気持ちを整える
③自分自身をきちんと把握することのメリット

①まずは自分自身の肉体から

お話をお聞きする準備として、私は身体に起こる大小の違和感をなくすことを大切にしています。重視しているのは、当たり前かもしれませんが体調管理です。頭が痛いとか、気持ち悪いとか、不調を抱えたままだとそこが気になってしまい、相手のお話が入ってこなくなってしまうので、可能な限りよい体調で臨むことを心がけています。

そして、意外と気になるのが前髪の長さとか、服の締め付けとか、おなかが空いたとかいう小さな違和感なんです。なんか相手の言うことがよくわからない!と思っていたら、実は前髪長っ!ということが気になりすぎていたがためだったり(笑)。こういったことには、まず気付くことが大事。自分自身をしっかり観察して、ひとつひとつの違和感を取り除くようにしています。

自分自身の違和感がなくなってくると、視点はおのずと相手に向きます。そして、小さな表情の変化などに気付けるようになります。聞いているのは人間で完璧はないし、アクシデントも起こりますけれど、体調を整えておくことでそれに対応する余裕もできるような気がしています。

②自分自身の気持ちを整える

これもやっぱり、自分の中の違和感を知ることからスタートです。自分のやり方を否定する方と肚を割って話すのって、なかなか難しい。だからまず、聞き手はその人の世界をじっくり味わうつもりで何事もドーンと受け止めることから始めると、相手気持ちよく話してくれるのではないかと思います。

できるだけニュートラルに相手の世界を味わうよう心がけていても、お話をお聞きしている間には「むむっ!?」と思うようなことが出てくることがあるかもしれません。けれど、自分に意識を向けておけば、「なんだこいつ!!」ではなく、「ああ、私自身はこういう経験からこういう感じに違和感を持つようになっているんだな。」いうことが確認できて、相手の話にスッと意識を戻せます。聞き進めることで、実は相手のことばの選び方が個性的だっただけで、真意は別のところにあると気が付いたりもするかもしれません。

自分の気持ちを整えるには、テレビとかを見ていて、イラッとする人や出来事を見つけるといいです(笑)。私はこういうことばや雰囲気を心地よいと思うんだな。こういうのは嫌いなんだなとか、自分の気持ちの内側を掘り下げて把握するのにとても役立ちます。

③自分自身をきちんと把握することのメリット

自分と相手の間に明確な線を引けるので、長時間お話をお聞きしても疲れなくなります。私はもともと、意識していないと相手との境界線がものすごく薄くなってしまうタイプで、過剰に共感してしまうところがあるのですが、自分の気持ちや身体の感覚をしっかりと整えてからお話をお聞きすると、常に「これはあの人のお話だ。私がやることは、それを正確にお聞きすることだ。」というところに戻れます。なので、相手の感情や思いの濁流に飲み込まれず、いいコンディションでお話をお伺いできるんです。

たくさんの方にお話を聞きししてきたのですが、それって結局、自分を使って自分を知る経験だったんだなと最近よく思うんです。それは、私たちはどうしても、自分の経験や感覚、知性を通して相手を知るから。たとえばお医者さんにお話を聞きするならば、患者としての経験がひとつの視点をくれるかもしれないし、アーティストにインタビューするならば、美術館やギャラリーに行った時の感動が役に立つかもしれない。それぞれの経験をきっかけに、相手の世界を味わい、自分の世界を豊かにする。そのために必要なのは語学力だけじゃなくて、自分という受け取る器もものすごく大切だと思っています。

ー続く

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