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まんびき団【中学生編(B)】


昭和のチクらない文化


硬貨偽造だぞ!お前ら!万引よりタチが悪い。

どうする?牢屋に入るか??


いいえ、入りたくありません。


そんなやり取りを中学に入ってすぐに担任に言われ、反省をしたフリをした。


新宿西口でファミカセ窃盗で捕まった友人は、先生から言われた反省文にオレの名前と共に他の悪さも書いてしまっていた。チクリという言葉は友人間ではご法度であったが、不良・ヤンキーからの洗礼をまだ受けていない捕まった彼は素直に全てを吐いてしまった。昔は友人をかばい、自己犠牲の精神がいたるところに存在していたと思う。おそらく、ヤンキーの延長線上に暴走族・反社の教育的な流れがあり、その考え方が悪さをする中学生にも根付いていたと推測できる。

このコラムは、ある荒廃した家庭に挑んだ、1人の青年の記録である。新宿に生まれ育った無垢な小学生時代に、アルコール依存症とバイセクシャルという特異な両親に囲まれ、酩酊した母親と強制的に初体験をさせられ、その後30年近くに渡り自身もアルコール依存症に苦しみ、その中で設けた我が子との絆を通じ、寛解するまでと、その原動力となった信頼と愛を余すところなく完全実話で書き下ろしたものである。


硬貨偽造


小学校の時、友達がせっせと給食で出た牛乳瓶のフタをかき集めていた。

その時、おそらく何に使うか聞いた覚えがあるが、それを実践しないまま、卒業し、中学に入っている。

中学に入学してすぐ、それを実践に移した友達がいた。西口で捕まった彼だ。

彼が知識を中学の地元に入れ、実行部隊が任務を遂行した。

と言ってもガキのふざけたイタズラの雰囲気で、あまり罪悪感もなかった。


牛乳瓶のフタを50円玉の大きさに切って、それを駄菓子屋などに設置してあったガチャガチャの機械に入れて回すと、牛乳瓶のフタが内部で引っかかりガチャガチャの中身がなくなるまでずっと回り続ける仕組みができる。

それを地元エリア全ての機械にやって遊んだ。

中身を全部いただくこともなく、回しきって次に行く。

完全にゲーム感覚だ。

もちろん犯行は直ぐにお店にバレたが、カメラが設置してあったわけでもない時代、誰が犯人かわからずにそのまま時が流れていた。


それを万引がバレた友人は反省文の中に書いてしまった。

担任がそれを問い詰めて全容を話してしまったそうだ。


放課後、夕日が差し込む校長室横の取調室で担任がオレに反省文を書かせ、それをもとに取り調べが行われた。そして内容を把握し、父親を呼ばれ、頭を下げて帰宅した。

万引と万引した商品を売却し金銭を得ていたこと、そして硬貨偽造と大げさに言われたガチャガチャ事件、入学したてのオレはいきなり悪ガキ扱いになってしまったと思っていた。

だけど、小学校からの申送り事項などではオレの不良発動確率は高確率だと書かれていたに違いない。後々の担任とのやり取りで明白になる。


その担任の先生には今でも感謝している。

ハーフのような顔立ちにツルッとした頭、立派なひげが特徴的な孤児院上がりの先生だった。1年と3年の担任をしてくださり、オレを高校に入れてくれた恩人だ。

とても感謝している。

ありがとうございます。


当時は反省したフリであったが、

生きていく中で色々なアクシデントが発生し、

本当の反省せざるを得なくなり今に至る。


反省し、後悔はなし。


今は反省もなく、前向きだ。


人のお役に立てるように反省を生かしてオレのできる活動を実践するのみだ。


<写真>昭和53年頃・家族と屋台仲間と(群馬四万温泉たむら)にて。


苦しんでいる人に向けて多くのメッセージを届けたい。とりあえず、これから人前で話す活動をしていきます。今後の活動を見守ってください(^^)