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りあるマザーファッカーの告白

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”りある”マザーファッカー★ノンフィクション★アルコール依存症克服【出生】1977 年新宿【教育】歌舞伎町・都営団地【中毒経験】アルコール(寛解※通院中)・軽ドラッグ(寛解)・ギ…
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#DV

面前DVエブリナイト

ド派手なDV鑑賞会オレンジ色の豆電球の薄明かりの中、泥酔の母親が毎日包丁を振りかざし、父親の首を刺そうとしている真夜中は、 別に大したことない。 普通のやりとりだ。 大人の喧嘩はこうなんだ。。。 刺す気はない、本気じゃない、男のお父さんの方が力が強いから絶対に刃物が首に到達する事はない。。。 薄眼を開けながらド派手なDV鑑賞会。。。 それが毎日続く。毎夜毎夜つづく、、、 このコラムは、ある荒廃した家庭に挑んだ、1人の青年の記録である。新宿に生まれ育った無

バイとバイとの息子(C)

トンコ小学校に上がる前、母親は、肘下からか、手首からか、右手がないトンコという女性と一緒にいた。 片手がなかったからオレもよく覚えているが、そのトンコ、母親が寝ている隙にどこかのポケットに入っていたお金を盗もうとしたと珍しく激怒していた事があった。母親が犯行に気付き、未遂で終わったみたいだった。 窃盗はどうでも良いのだが、今考えると盗まれそうになった時、一緒に寝ていたのか、何をしていたのか、よく分からない。バイな母親は、、、と考えてしまう。 既婚者の母親がどこかの部屋で女性

ランドセルを置き安酒をシンクに流す(B)

電線越しの夕焼けと煮物の匂い サイドボードの前には白い冷蔵庫。 北西向き、ほぼ日陰のアパートにピュアな感じで白く佇んでいた。 まともに開くスペースがなかった小さな冷蔵庫の扉の中の記憶はほとんどないが、冷蔵庫上に設置されていたえんじ色の電子レンジにはよく助けられた。 空腹を満たす時に電子レンジでジャガバタを作るのが大好きだった。 友達が来た時は、みんなに振る舞った。 いつまでもオレの家にいてくれという願いを込めて美味しくできるように熱の通りに細心の注意をはらってもてなした。